「新築の工事期間の目安や流れが知りたい」
「新築計画の段取りや引渡しまでの流れが知りたい」
そんな疑問にお答えします。
私は住宅営業マンとして、実際に何十組というお客様のスケジュールを管理してきました。
その経験を元に、家づくりの段取りや工事の流れ・期間などを解説していきます。
結構なボリュームになってしまいましたが、すべて一つのページまとめていますので、目次を見ながら必要なポイントだけ確認してみて下さい。。
※下記スケジュールは「土地から探す方」に向けた内容になっていますが、「建替え」の場合は土地に関しての項目だけ飛ばしてお読みください。
※項目の順番は建築会社や住宅ローンを組む銀行によっても前後します。
1.新築に必要な期間
まずは新築の計画における「必要な期間の目安」です。
※ご家庭の状況や選択した建築会社によって工期が変わります。
■新築全体の必要期間(計画スタート~引渡しまで)
平均: 約10ヶ月
9ヶ月~1年くらいが多い。
■計画開始~契約まで
平均: 約3ヶ月
情報収集も合わせて2~4ヶ月くらいが多い。
■契約~工事開始まで)
平均: 約3ヶ月
土地・建物の契約後から、工事が始まるまでの打ち合わせ期間。
2~4ヶ月くらいが多い。
■工事期間(着工~引渡しまでの工期)
平均: 約5ヶ月
建物の工法によって差がある。
大体3~6ヶ月くらいが多い。
※長いところでは工事期間が12ヶ月という建築会社もあります。
2.新築計画スタート~契約までの流れ
新築計画において、建築会社と契約する前の「流れ・段取り」はとても大切です。
この順番を厳守して進めて頂ければ、失敗の可能性もぐんと低くなるはず。
特に住宅営業マンの多くは、早く契約がしたくて急かしてくることがあります。
契約までの期間を短くするよう会社からプレッシャーがあるのはもちろん、回転を上げれば収入が増えるからです。
そこは落ち着いて、順番を守って進めていきましょう。
2-1.「月々の返済額、頭金」について家族会議をしよう
最初は計画のかなめとなる「月々の返済額」と「頭金」を決めましょう。
しっかりとご家族、夫婦間で話し合っておくことをオススメします。
よくあるケースが、「家計のことは奥様だけが把握していて、返済額や頭金の決定を奥様に任せていたご夫婦で、夫はあまり関与しない」というものです。
しかし返済額を共有していなかったばかりに、夫婦間でそれぞれ思い込みが発生してしまい、「後々」、返済額の設定が変わってしまうことがあります。
実はこの「後々」が新築計画ではかなり厄介。
土地や建築会社の候補が定まった後に返済額が変わってしまうと、今までの流れがすべて崩れてしまい、最初から調べ直さないといけなくなる、ってことがあります。
労力・時間が無駄になってしまうので、後で返済額・頭金が変わらないように、丁寧に話し合って決めていきましょう。
fa-arrow-circle-right住宅ローンの目安や頭金についてまとめたページもあります。
2-2.土地の希望エリアの家族会議
続いて土地の希望エリアもご家族で話し合っておきましょう。
話し合いは「どこまで妥協できるか」がポイントです。
- 駅やバス亭からの距離
- 土地の広さ・形
- 日当り
- エリア
各項目で、これ以上は妥協できない、というポイントをお互いに決めておきましょう。
当たり前ですが、土地で高望みすれば、建物にお金をかけられなくなります。
土地と建物に対し、どのようなバランスで予算を組むのか、が大切ですし、諸経費が想像以上に高い場合もあるので、まずは「夫婦が妥協できる範囲」を決めておくのが重要です。
fa-arrow-circle-right土地の探し方や購入までの流れは下記ページをご参照下さい。
上記ページに記載していますが、新築における土地探しは不動産に依頼せず、なるべく建築会社に依頼をしましょう。
2-3.建築会社の情報収集
ハウスメーカーや工務店の情報収集をしましょう。
基本はインターネットになると思います。
ただ、なかなか時間が無くて、インターネットで調べたり、色んな住宅展示場を回り話を聞くのも大変だと感じる方は、以下のようなサービスもありますので上手に利用すれば良いでしょう。
【タウンライフ家づくりのプラン・見積り一括サービス】というサービスです。
間取りの要望を伝えればプランを複数のハウスメーカーや工務店が無料で提案してくれるサービスですし、様々なアイデアやアドバイスが複数社からもらえます。
また、複数社の「資金計画書」を比較できるので、建物価格だけでなく工事費や諸経費も比較できます。
建築会社側も相見積りされていることが分かるので、より良いプランを提案しようとしたり、少しでも値引きした見積りを出してもらえる可能性も高くなります。
それにタウンライフ家づくりのプラン・見積り一括サービスには、他にも多数のメリットがあります。
- 全て完全に無料
- ネットで3分入力するだけで完了。住宅展示場を回る手間が大きく省ける
- 色々な設計士のプランを参照し、間取りのメリット・デメリットを比較できる
- 各建築会社の資金計画書を参照し、工事費や諸経費なども比較できる
- 登録されている注文住宅会社は厳選な審査をクリアしているから安心できる(優良企業600社以上が登録)
- GMOリサーチの注文住宅部門アンケートで「満足度」「使いやすさ」など3部門でNO1
- 土地探しや提案も手伝ってもらえる
- 住宅ローンなど様々な家づくりの情報が集めやすい
こういったサービスを使ってでも、効率よく、建築会社の「提案力」を比較して、判断すべきだと思います。
fa-arrow-circle-right建築会社の選び方に関する記事をまとめていますので、ぜひご参照下さい。
カテゴリ:「建築会社の選び方」
2-4.住宅ローンに関する情報収集
続いて「住宅ローン」に関しての基礎知識の勉強を進めていきましょう。
インターネットで情報を集めつつ、建築会社の営業マンにいろいろ聞いてもいいかもしれません。
例えば、次のような住宅ローンの用語の内容も把握しておきましょう。
- 変動・固定・期間固定金利
- 繰り上げ返済
- つなぎ融資
fa-arrow-circle-rightそれぞれの用語は、下記ページでまとめています。
また、このタイミングで「すまい給付金」や「住宅ローン減税(控除)」など、住宅購入の負担軽減制度についても情報を集めておきましょう。
fa-arrow-circle-right住宅ローン減税については下記ページでまとめています。
2-5.ピックアップした建築会社を実際に回る
ここからは実際に足を使って行動していく項目です。
調べてピックアップした建築会社を実際に回りましょう。特に住宅展示場は予約して行くことをオススメします。
経験上ですが、予約されると住宅展示場の営業マンは「アツイお客様だ」と思うので、対応が良くなるはず。それにベテランが対応してくれる可能性が高まるので「展示場予約」はオススメです。
ちなみに詳しく家づくりのことを話すと、1社2~3時間はかかると思います。体力勝負になるので覚悟していきましょう。
私個人としては「働いていたから」というわけでは無いですが、一度は住宅展示場公園に行ってみてください。
多数のハウスメーカーや工務店が同じ敷地内で競合していますので、住宅性能や設備を見て比較したり、いろいろな営業マンから、いろいろな角度で話が聞けて勉強になるからです。
fa-arrow-circle-right良い住宅営業マンの見極め方はこちらにまとめています。
2-6.諸経費、建物、土地の予算バランスを考える
建築会社を回って情報収集していく中で、少しずつ土地情報も集まってくると思います。
※住宅営業マンから土地情報を頼みもしないのに勝手に送ってくれることもあるでしょう。
ある程度、新築についての情報が集まってきたら、今度は予算のバランスを考えてみましょう。
- 「建物」
- 「土地」
- 「諸経費」
「建物」に関しては建築会社を何社か回れば金額が見えてくると思います。
ただ、ハウスメーカーや工務店を回るとき、建物の「坪単価」を聞いて回る方がいらっしゃいますが、「坪単価」という表現は曖昧ですので十分注意しましょう。
fa-arrow-circle-right坪単価についてはこちらのページをご参照下さい。
3つの予算バランスの中で「諸経費」が一番分かりにくいと思いますが、分かりやすくまとめているページがありますので、ぜひご覧ください。
fa-arrow-circle-right「諸経費」の詳細に関してはこちら
上記ページをご覧頂ければ、新築における諸経費や工事費が想像以上に高いことが分かってもらえると思います。
しっかり把握して、月々の返済額がオーバーしないように注意しましょう。
「建物」「土地」「諸経費」の予算バランスが見えてくれば、ご夫婦・ご家族の中で優先順位もはっきりしてくるかもしれません。
- 建物の割合を上げていくのか
- 土地の割合を上げていくのか
- 低予算を優先していくのか
新築計画において失敗しないための大切なポイントですので、このタイミングでしっかりと予算バランスを決めておきましょう。
2-7.建築会社の候補を2~3社に絞る
しっかりと判断材料が集まってきたら、いよいよ候補の建築会社を絞っていきましょう。
最終的に2~3社でいいと思います。
絞った建築会社にプランや見積りを提示していきますが、ここで注意点が2つあります。
- 手当たり次第、いろいろな建築会社にプラン・見積り依頼をしない。
たまに、欲張って7~8社依頼する強者がいらっしゃいます。しかし、建築会社の営業マンたちは、多数の見積り依頼している人は見込みが薄いと思い、適当にプランや見積りを作ります。
また、最終的に建築会社を判断する時に、丁寧な比較ができないリスクもあるので、やり過ぎには注意しましょう - このタイミングでは、まだ1社に絞らない。
とても気に入った建築会社に出会い、この段階で1社に絞る方もいらっしゃいます。しかし、1社では値引き交渉が難しくなってしまったり、住宅営業マンが「ウチで契約してくれる」と安心しきって、プラン提案が疎かになってしまう可能性が高くなります。
fa-arrow-circle-rightなお、建築会社選びで失敗しないための大切なポイントを紹介している記事がありますので、ぜひご覧ください。
2-8.土地候補を絞る
建築会社の候補が2~3社に絞れたら、次は土地の候補を絞っていきましょう。
ただし、土地はこのタイミングで1つに絞ってください。
人気がある土地ほどすぐに他の人に取られてしまう可能性があります。
土地は1つに絞ってからがスピード勝負です。いかに建築会社に素早く動いてもらうかも重要になってきます。
fa-arrow-circle-right失敗しない為の土地探しのポイントもぜひご覧ください。
この段階で土地が絞れない場合は、候補のエリアを広げたり(変えたり)、予算バランスを見直しましょう。
2-9.住宅ローン事前審査
ここからはスピーディに、かつ並行して物事を進めなくてはいけませんので、段取りも重要になってきます(特に土地から探している方)。
「住宅ローンの事前審査」はこのタイミングか、もう少し早めにやっておきましょう。
予定していた借入額に届かないと、計画が全て変わってしまうか、最悪今までの新築計画が無駄になってしまいます。
このタイミングでは銀行を2~3行には絞っておき、事前審査は1つの銀行で通っていれば問題ありません。
fa-arrow-circle-right住宅ローン事前審査の詳細はこちら
ちなみに事前審査はご自身で動かなくても、ほとんどの建築会社で対応してくれます。
2-10.間取りプランや資金計画書の作成依頼
続いて、2~3社に絞った建築会社に「間取り・プラン」「資金計画書」の作成を依頼しましょう。
建替えの場合はゆっくりと慎重に判断すれば問題ありませんが、土地から探している方は、土地候補選びや住宅ローンの事前審査と並行して進めながら急いで行動しましょう。
スケジュールがタイトで大変ですが、土地が無くなってしまっては全て水の泡になってしまいます。
なお、プラン・見積りを依頼するのに、「事前金」を支払わないといけない建築会社があります。1~2万前後の建築会社から、数十万円支払わないといけない建築会社もあります。
契約にならなかった場合は必ず戻ってくる金額ですので、ご安心下さい。
2-11.土地、建物の値引き交渉
2~3社から間取りのプラン・見積りを出してもらったら、しっかりと比較・検討しましょう。
ここでのポイントは「値引き交渉」です。
土地の値引き交渉
土地の値引き交渉ができるかどうかは、選んだ土地や仲介業者によって異なります。
10~20万円以内なら可能なケースが多いですが、それ以上は難しいと考えておきましょう。
fa-arrow-circle-right土地の値引き交渉についてまとめたページがあります。
建築会社への値引き交渉
値引きは一切しない、という建築会社もありますが、多くの建築会社が「値引き前提」での販売をしていますので、値引き交渉は有効です。
だからといって妙な駆け引きは止めましょう。
2~3社でしっかりと相見積りをし、その上で、住宅営業マンに「どこのメーカーにしようか悩んでいる」と伝えましょう。
そうすれば高い確率で金額を下げてくれるはずです。
過度な値引き交渉
建築会社をフォローするつもりは無いですが、過度の値引き交渉は止めましょう。
住宅営業も、その上司や決裁者も含め、みんな心ある人間です。
過度の値引き交渉をしてくる客に対しては、必ず「めんどうな客」とレッテルを貼ります。
そのレッテルが貼られると、契約後の打ち合わせでは余計なアドバイスをせず、なるべく無難に終わるように打ち合わせを進めます。
それでは良い提案をしてもらえなくなり大きな失敗や後悔に繋がりやすくなるので、住宅営業マンや建築会社とは良い関係を作っていくことをオススメします。
2-12.土地の契約、建築会社との契約
土地も建築会社も絞れたらいよいよ契約です。
契約には建物・土地の契約金・手付金がそれぞれ必要です。昔から、どちらも金額の1割程度と言われています。
ただ最近は住宅ローンが低金利ですので、頭金を貯めずに早くローンを組んだ方が得という考えあり、契約金と手付金は少なくても大丈夫になってきました。
必要な金額は建築会社や、土地の売り主さんによって異なりますので、前もっての確認が必要かもしれません。
建物・土地それぞれ50万円(合計100万)あれば全く問題無いでしょう。
それ以下でも交渉に応じてくれるな場合があるので事前に相談しておきましょう。
契約に使う時間は建築会社によって多少異なると思いますが、建物も土地も法的に「重要事項説明」をします。
- 建物・・・1時間前後
- 土地・・・2時間前後
契約が終われば少しほっと息がつけると思います。
ただ、契約後の流れが新築で失敗しないための大きなポイントになってきますので、続きもぜひご覧下さい。
3.契約後から工事開始(着工)までの流れ
土地や新築会社との契約が終わった後の流れを解説していきます。
契約後の基本的な流れは担当営業マンや設計担当が段取りしますので、正確な順序を把握しなくても大丈夫です。
ただ同時進行しなくてはいけない項目もあり、担当営業マンに言われるよりも早く動いていた方が良いこともあるので、ポイントは押さえておきましょう。
3-1.間取り(プラン)打ち合わせ
最初は、契約会社との間取り・プランの打ち合わせです。
すでに契約前に、間取り・プランがある程度決まっていると思いますので、そのプランを微調整していきます。
最初は1/100スケール(実物の100分の1サイズ)の平面図・立面図で打ち合わせを進めます。
立面図とは、つまり「外観」のことです。
平面の間取りの打ち合わせは入念にやる人が多いですが、立面(外観デザイン)を疎かにするケースが多いので注意しましょう。
fa-arrow-circle-right外観デザインについてまとめたページもあります。
特に屋根形状(片流れ・切妻・寄棟)やバルコニーの向き・形状などは予算にも関わってきます。
1/100平面、立面図のみの打ち合わせ回数は、契約前の進み具合によっては変わりますが、2~4回以内に収めましょう。
5回以上かかるようであれば、何かしらの問題が考えられます。
設計側の提案力に問題があるのか、逆に家族の要望がまとまっていないか。
決してたくさん打ち合わせすれば良い間取りになるわけではないことを覚えておきましょう。
3-2.住宅ローン本審査
新築のプラン・間取りの打ち合わせと並行して進めていく必要があるのが「住宅ローンの本審査」です。
土地を契約している方は「土地決済」が契約の大体1ヶ月後に設定されていることが多いので、それまでに本審査を通しておく必要があります。
建物・土地の契約が終わったらすぐに手続きを進めるようにしましょう。
銀行の住宅ローン担当者から聞いた話ですが、仮審査が通っていれば本審査も可能性として約98%は通りますが、残念ながら100%ではありません。
万が一、本審査が通らなかった場合、早急に他の銀行を探すことになりますので早めに動きましょう。
※本審査を通す銀行は1行のみにしておきましょう。複数の銀行の審査を通そうとすると、銀行はかなり嫌がります。
3-3.1/50図面、設備、コーディネート打ち合わせ
新築の流れの中で、もっとも楽しくなってくるタイミングだと思います(もちろん人によりますが)。
1/100スケールの平面・立面図が固まってくると、いよいよ1/50図面に移行してきます。
※建築会社によっては1/50図面での打ち合わせがない場合もあります。
1/50図面打ち合わせ
1/50図面は、1/100よりも大きく詳細な図面です。
例えば次のようなものが記載されます。
- 柱の位置
- 天井、床点検口の位置
- 窓のサイズ、位置
- ドアなど建具のサイズ、位置
- 火災警報器の位置
- 雨どいの位置
各項目を細かく確認し、打ち合わせをしていきます。
1/50図面の打ち合わせも人それぞれですが、おおよそ2~3回ほどで完了します。
新築の設備、カラーコーディネート打ち合わせ
1/50図面の打ち合わせと並行して進めます。
場合によっては1/100図面と並行して進めていく場合もあります。
※建築会社によっては担当コーディネーターが付きます。
設備、コーディネートの打ち合わせは、おおよそ4~6回ほどが平均です。
私個人としては各設備のメーカーショールームへ足を運ぶのが良いと思います。
行ってみると意外な発見があったり、営業マンも把握していなかった快適なアイテムが見つかるかもしれません。
fa-arrow-circle-rightインテリアの基本も押さえた上でコーディネートの打ち合わせを進めていきましょう。
3-4.【重要】配置の打ち合わせ
続いての流れは建物の配置決定です。
配置は新築に関する打ち合わせの中でもとても重要。
建築法に大きく関わるので、企業との間に大きなトラブルを巻き起こす可能性が高いポイントです。
配置に関して1から勉強するのは大変ですので、ポイントだけ覚えておきましょう。
配置における重要な3つのポイント
そもそも「配置」とは、敷地に対しての建物の位置のことです。
駐車場の位置、太陽の向き、近隣との兼ね合い、庭の活用、建築法などを加味して配置を決めていきます。
配置における重要なポイントを3つ解説します。
1. GL設定(ジーエル設定)
グランドライン設定といいます。地盤の高さの設定のことです。
GLは、法律はもちろん、「工事費用」、「外構工事」にも関わってきます。
土を盛れば地盤は高くなり、土を減らせば地盤は低くなるわけですが、どちらも費用が発生します。
残土処理の相場は1㎥(1立米)5000円前後です(都会はもう少し高い)。
何十万と費用が発生してしまうこともあるので、予算には加味しておきましょう。
GL設定を間違えて新築工事が進んでしまい「実は制限を超えていた」ということになれば、最悪はじめから作り直しというケースまで発生してしまいます。
2. 設計事務所に話を聞いてみる
建築会社は、自ら「建築確認申請」を行いません。
※建築確認申請: 簡単に言えば、市町村に対し該当する土地に計画した配置や間取りで家を建てて良いかの確認をすること。
必ず提携している「設計事務所」が存在し、そこの建築士に申請を委託します。配置を決める際、その建築士にお願いをして打ち合わせに参加してもらいましょう。
GL設定についても確認しておくと安心ですよね。
担当の設計士か住宅営業マンに、設計事務所の建築士に、打ち合わせに参加してもらえないか確認しましょう。
設計事務所の建築士から配置に関してのアドバイスをもらったり、該当する土地に定まっている法律を確認すればさらに安心です。
3. 新築の配置決定前に外構打ち合わせをしよう
できればこのタイミングで外構の打ち合わせを行いましょう。
ハウスメーカーや工務店が作成してくれた配置図を叩き台にして、外構計画を進めておけば、配置や外構での失敗がなくなるはずです。
配置図を外構業者に見せれば、配置の間違いに気づいてくれたり、より良い配置の提案をしてくれる可能性があります。
3-5.外構の打ち合わせ
外構計画の打ち合わせはこのタイミングで行いましょう。
※打ち合わせは最低1~2回だけでも行っておけば、このタイミングで確定しなくても問題ありません。
外構は駐車場や庭の使い方(建物配置)、それに外部照明などの電気工事にも関わってきます。建物の間取りにも関わってきますので、間取り・配置を確定する前に打ち合わせをしましょう。
建物の打ち合わせと並行しての外構は打ち合わせはとても大変かと思いますので、以下のようなサービスも利用してみて下さい。
【タウンライフ外構・お庭プラン一括見積サービス】というサービスがおススメです。
外構・エクステリアの要望を伝えればプランと見積りを複数の外構業者が無料で出してくれるサービスですので、いろいろなアイデアやアドバイスが複数社からもらえます。
それに、タウンライフ外構・お庭プラン一括見積サービスをご紹介するのは、他にも多数のメリットがあるからです。
- 全て無料
- ネットで5分入力するだけで完了。複数の外構業者に一括依頼できる
- 登録されている外構会社は厳選な審査をクリアしているから安心できる(優良企業300社以上が登録)
- いろんな外構業者からアドバイスがもらえる
- 外構業者ごとに料金の比較ができるので適正価格が分かる
- アフターフォローや保証内容が比較できる
情報収集は早いに越したことはありませんので、ぜひ利用してみて下さい。
fa-arrow-circle-right外構計画の段取りは下記ページにまとめています。
3-6.土地決済(所有権移転)
土地契約後、1ヶ月前後で土地決済になります。
つまり、ハウスメーカーと間取りやコーディネートの打ち合わせをしているタイミングと重なることがありますので、なるべく早く準備を進めましょう。
土地決済までにやっておくべきことは、住宅ローンの本審査を通しておくことです。
決済に必要な書類など、持ち物は土地の仲介業者や銀行の方が対応してくれますので問題ありません。
手続きは大体2時間ほどで終わりますが、決済は平日になることがほとんどで、仕事を半休にするなどの対応が必要になります。
土地の料金を現金か住宅ローンで支払って決済は完了します。
決済が完了すれば、所有権は売り主から買い主に移ることになります。
住宅ローンの場合は土地決済後から利息が発生します。ただ、ローンの月々の返済は建物の決済が完了した後になるので、このタイミングで月々の支払いは発生しません(支払うことも可能)。
3-7.間取り、設備、コーディネート、配置確定(追加変更契約)
打ち合わせをしてきた間取り・設備・カラーコーディネート・建物配置が決まると、建物や工事の金額が正確に確定します。
その金額を元に、建築会社と「追加変更契約」を交わすことになります。
追加変更契約後は、一切の変更ができなくなるので、十分に確認してから契約をしましょう。
この後、ハウスメーカーや工務店は建築確認申請を提出します(提携している設計事務所を通して)。
建築確認申請提出後に間取りや配置を変更するには、もう一度申請を提出し直すことになるので、数十万円という無駄な費用が発生してしまいます。
それに、建築会社側も、必要な建材や設備の発注をしますので、変更には多額の費用が発生することを肝に銘じて追加変更契約書の印鑑を押しましょう。
3-8.建築確認申請(ハウスメーカー、工務店で申請)
新築の打ち合わせが全て完了し、追加変更契約を交わすと、いよいよ「建築確認申請」が提出されます。
基本、建築会社が対応してくれますので、何もしなくても大丈夫です。
建築確認申請は、申請後、約1~2週間ほどで許可が下ります。
(特殊な法律に該当する地域、調整区域は時間がもっと掛かります)
追加変更契約後から計算すると、約3~4週間前後で下りるのが一般的です。
建替の場合
建替の場合は、建築確認申請が下りてから解体工事を行います。
最悪、確認申請が下りなかった場合に解体してしまっていると大変な事態になるからです。
なお、解体前には仮住まいに引っ越しをしておく必要があるでしょう。間取りの打ち合わせと並行して探しておきましょう。
fa-caret-square-o-right解体についてまとめたページもあります。
3-9.地盤調査
このタイミングで地盤調査を行います。
地盤がゆるいかどうかの確認です。
地盤調査は建物の配置、特に建物の外周面に沿って穴を掘って調査をします。
こればかりはやってみないと結果が分かりませんので、地盤が強いことを祈りましょう。
費用は地盤の強度、基礎や建物の構造によっても変わります。
大体70~150万円の間ですが、それを超えるケースも稀に発生します。
3-10.地鎮祭
工事が始まる前に地鎮祭をする流れになります。
(地鎮祭: 土地の神様を祭って、新築工事が無事に終わることをお祈りする行事)
昔に比べて地鎮祭を行うご家族は減ってきました。私の経験上では大体4~5割くらいでしょうか。
私個人としては実施をオススメします。ご家族の思い出にもなりますので、特に遠方でなければご両親や親せきを呼んでの地鎮祭はとても素敵だと思います。
こちらも担当営業に言えば手配してくれるところがほとんどです。
費用は依頼した神社にもよりますが、大体3万円前後が一般的。今はお供え物も全て神社で用意してくれますので、手ぶらでいけます。
※料金は「初穂料」(はつほりょう)と記載した封筒に入れ、神主さんに直接お渡しください。
fa-arrow-circle-right地鎮祭の流れや実施すべきか知りたい方は下記ページをご参照下さい。
3-11.着工前打ち合わせ
地鎮祭が終わると、次はいよいよ工事開始です。
着工前の直前には営業マンと担当監督との打ち合わせがあります。
監督との顔合わせ・引継ぎの役割があります。
※打ち合わせがない建築会社があったり、後述する「電気工事の打ち合わせ」を一緒に行うケースもあります。
不安な点もあると思いますので、このタイミングで監督に確認しておきましょう。
3-12.着工(工事開始)
いよいよ新築工事開始です。
地盤調査の結果、ゆるかった場合は地盤改良工事を行ってから基礎工事が始まります。
着工時にやるべきことはありませんが、予め着工後の流れを把握して、前もって進めるべきものは進めておきましょう。
4.工事開始(着工)~引渡しまでの流れ
着工後にも重要な打ち合わせや重要な確認事項がありますので、ポイントをしっかりと把握して進めていきましょう。
4-1.基礎工事
基礎工事中は、あまりやることはありません。
基礎コンクリートを乾かす期間は2~3週間前後と長いです。現地に何度も足を運んでも変化がなく、職人と出くわす可能性も低いので楽しくないと思います。
1~2回くらい見に行けば問題ないと思います。
お茶くらい用意したいという方もいらっしゃいますが、基礎業者さんも毎日現地にいるわけでもないので、たまたま現地に行って基礎業者さんがいたら、挨拶も含め、自販機でお茶を買ってあげるくらいで十分です。
ただ、この空き時間でなるべく次に解説する「電気工事打ち合わせ」のことや、「外構」、「カーテン」のことを進める流れが良いでしょう。
4-2.電気工事打ち合わせ(照明器具含む)
新築において、後悔しやすいのがこの電気工事に関して。
「電気工事打ち合わせ」はコンセントや照明器具、スイッチなどの位置を決めていきます。
コンセントや照明器具、スイッチなどの位置については、建築会社の営業マンや監督から具体的なアドバイスをもらうことは難しいと思っておきましょう。
もちろん、一般的なアドバイスはもらえると思いますが、それぞれの家族の生活動線や配置する予定の家具によって異なるので、具体的なアドバイスはできません。
図面に生活動線や家具を書き込み、たっぷりと時間をかけて考えるしかありません。
fa-arrow-circle-rightコンセントの計画で失敗する原因や対策をまとめたページもあります。
照明器具については、気に入った照明器具メーカーのショールームに行くことをオススメします。
図面を持っていけば、図面に合わせて照明プランを作成・提案してくれます。
4-3.外構打ち合わせ(続き)
ここまでの流れで外構の打ち合わせは1~2回実施しているのが望ましいです。続きはこのタイミングが良いと思います。
外部コンセントや外部照明などは、外構工事に関わってくるため、電気工事打ち合わせと並行して進めるのが良いでしょう。
外部コンセントや外部の照明は、例えば次のようなことを考えて決めます。
- 庭に間接照明を入れる
- 将来電気自動車を購入し、充電できるようにしておく
- 庭の手入れに電動工具を使いたい
ここで外構を確定させて契約してもいいですし、引渡しの1ヶ月ほど前までに慎重に決定すれば問題ありません。
4-4.カーテン業者選定、打ち合わせ
電気工事打ち合わせが終わったら、カーテン業者を探しましょう。
※建築会社によっては一緒に提案してくれるところもあります。
「ニトリなどの家具量販店でご自身で探されると安上がり」と考える方もいらっしゃいますが、あまりオススメできません。
カーテンは各部屋によって用途や素材を生活に合わせて変えていくことで真価を発揮します。
カーテンについてのアドバイスもうことを含め、まずは専門のカーテン業者を探しましょう。
基本的には新築にカーテンレールはついていません。DIYで設置することも可能ですが、失敗すると跡が目立つため、なるべくカーテン業者に依頼しましょう。
4-5.上棟(じょうとう)
基礎工事が終わると、次は「上棟」という流れになります。
ちなみに、上棟(じょうとう)という言葉は、木造と鉄骨によって少し意味が変わってきます。
- 木造:基礎の上にたった1~2日で柱を一気に組み立てて、屋根の一番上の部材である棟木を取り付けるときのことを指します(軸組工法に限ります)。
- 鉄骨:基礎の上に鉄骨工事が終了したときを指すことが多いです。鉄骨工事は工法にもよりますが、1ヶ月前後となります。
一昔前までは上棟式を実施して、施主が大工や近隣の方などをお酒や料理を振る舞いっておもてなしをしました。
しかし、最近では上棟式をしない方が多いです。
(簡単にお酒でお清めだけする方もいらっしゃいます)
建築会社側がお断りするケースもあるようです。
木造の上棟は大工さんが1日で10人前後と一気に集まりますので、お茶くらいの差し入れは良いかもしれません。
※見学していても楽しいかと思います。
fa-arrow-circle-right上棟式については下記ページをご参照下さい。
4-6.火災保険選定、手続き
このタイミングで火災保険に関しても情報を集めておきましょう。
「火災保険&地震保険」は必須の時代です。
私の経験上、どの会社の火災保険でも、そこまで大きな差はないように感じますので、会社選びに悩む必要はないかもしれません。
それよりも、家財を保険対象にするのか、オプション保険を付けるかどうかなど、内容を決めることに時間をかけましょう。
4-7.登記関係手続
建物の決済に向けて、登記の手続きを進めるタイミングです。
土地から購入した方は土地の登記は終わっているので、建物表題登記や所有権保存登記、住宅ローンの抵当権設定。
建替えの場合は建物滅失登記や残債が残っていた場合は抵当権抹消などの手続きが必要となります。
ご自身で進めることも可能ですが、かなり大変な作業ですので、委託するのが1番かと思います。
建築会社や銀行と馴染みのある司法書士に任せてもいいですし、自分で探しても良いでしょう。
fa-arrow-circle-right登記費用については下記ページに記載してあります。
司法書士に依頼すれば、すべて段取りしてくれますので、指示に従って必要書類を集めたりしましょう。
4-8.完了検査
建物がほぼ完成したタイミングで建築会社が「完了検査」を実施します。
引渡しの2~3週間前が多いと思います。
提携している設計事務所が段取りしているので、特にやることはありません。
市町村の方が現地に来て、建築確認申請の通りに家が建っているかを確認します。
ここで稀に大問題が発覚してしまうケースがありますが、ここまでの流れをしっかり対応していれば全く問題ないはずです。
4-9.施主検査
続いては施主検査です。
ほぼ完成した新築に、監督なりと一緒に検査します。
この検査では、外装・内装に傷や歪みなどが無いかをしっかり確認しましょう。
住宅は人間が作るものですので完璧ではありません。必ずと言っていいほど傷などは発生します。
(私も経験上、傷が全く無かった新築を見たことがありません)
不備や傷は引渡しまでに補修してもらえるので、気になった点は漏らさずに指摘をしましょう。
fa-arrow-circle-right施主検査についてまとめたページもあります。
4-10.建物決済、登記
引渡し直前の最後のお仕事です。
いよいよ、建物の最終金の支払いや登記手続きとなります。
事前に銀行や司法書士に書類などを提出していたと思います。
最後に銀行か建築会社の打ち合わせ室なりで、お施主様、担当の銀行員、司法書士、場合によっては担当営業も含めて一堂に集まって手続きを行います。
この手続きが終われば、住宅ローンの手続きは全て完了して、翌月から返済が始まることになります。
4-11.引き渡し
新築の流れもいよいよ最後の引渡しとなります。
感傷に浸る方も多いですが、まずは施主検査で依頼した補修場所をしっかりと確認しましょう。
また、設備の説明などもしっかりと聞きましょう。
かなり長い説明もあるので、個人的には携帯電話で録音しておくことをオススメします。
それから引っ越しに向けての電気や水道などの名義変更やインターネットの引っ越し手続きなども行っておきましょう。
fa-arrow-circle-right引渡しの流れや注意点をまとめたページもあります。
4-12.外構工事開始
引渡し後、すぐに引っ越しはできません。
外構工事があるので、車を敷地内に停めることもできません。
引渡し後にすぐに外構工事に入ってもらえるように、外構業者さんには引渡し日と引っ越し日は伝えておきましょう。
外構の工事期間はおおむね2~3週間くらいが一般的です。
4-13.引っ越し
ここまで本当にお疲れさまでした。
最後の引っ越しですね。
引っ越し後には建築会社によりますが、3ヶ月、6ヶ月、1年と定期点検があるので、緊急性が低い問題や新たに気が付いた傷などは写真を撮影しておき、まとめて点検時に伝えましょう。
fa-arrow-circle-right入居後にやることをリストにまとめたページがあります。
5.まとめ
最後までご愛読ありがとうございました。
ここまでが新築の流れとなります。
冒頭にもお伝えしましたが、新築で失敗しない為には、多くの勉強や入念な確認が必要になります。それには体力も時間もたくさん使うことになります。
ただ、しっかりと上記流れに沿ってスケジュールを組めば、必ず素敵な家になるはずですので、ぜひ、ポイントを押さえて進めて頂けたら、と思います。
最後までご愛読頂きまして有難うございました。