新築において外構計画は最も失敗しやすく、後悔につながることが多々あります。
本ページを読んでいる方はひょっとしたらこれから外構プランを考えようとしているのか、すでに外構の打ち合わせ中なのかもしれません。
本ページを最後まで読んで頂ければ、外構で失敗する確率を0%に近づけることができるはずです。
解説内容は大きくわけて2つ。
- 外構で失敗する6つの原因と対策
- 実際の外構計画で最も多い7つの失敗例
新築において建物の外観や間取りが満足できる仕上がりになっても、外構で失敗してしまうと、デザインで後悔するだけでなく、生活に大きな支障が出てしまう可能性まであります。
ぜひ外構で失敗しないポイントをしっかりと把握して頂ければ幸いです。
fa-arrow-circle-right「外構デザイン」や「外観デザイン」で失敗しないための対策もぜひご参照下さい。
1.外構で失敗する6つの原因と対策
外構計画は建物本体の打ち合わせと比較すると、どうしても優先順位が低くなりがちです。
後回しにされることも多く、疲れなどで集中力が無くなっているタイミングで打ち合わせすることもあります。
気を抜くと大きな後悔につながりますので入念に打ち合わせしていきましょう。
それでは6つの具体的な失敗の原因と対策を解説していきます。
1-1.住宅営業マンは外構打ち合わせの案内が遅すぎる
建築会社と契約をした後、多くの場合、新築計画の段取りを住宅営業マンに任せますよね。
特に契約直後は住宅営業マンを信頼しているケースがほとんどですし、そもそも段取りが分からないからなおさらです。
もちろん、営業マンに段取りを任せるのは問題ありませんが、問題は「営業マンは外構打ち合わせの案内がとても遅い」ということ。
住宅営業マンは建物の専門家ですので、外構の知識が少ないことが結構あります。
また、営業マンは他のお客様との商談や打ち合わせもありますので、なるべく早く間取りやコーディネートの打ち合わせを終了させたいと考えています。
ですので、外構の打ち合わせを入れることで、間取りやコーディネートの打ち合わせが長引いてしまうことはデメリットと感じてしまいます。
つまり、営業マンにとっては、間取りやコーディネートが確定した後に外構打ち合わせの案内をするのは自然な流れなんです。
しかし、外構は間取りやコーディネート、また土地に対しての建物の配置と密接に関係してきます。
外構の打ち合わせは間取りやコーディネート、建物配置が確定してからでは遅すぎるのが現実です。
必ず間取りの打ち合わせと並行して外構打ち合わせを行いましょう。
fa-arrow-circle-right外構のスケジュールや新築全体の流れは下記ページをご参照下さい。
1-2.ハウスメーカーや工務店などの建築会社が紹介した外構業者をそのまま使う
建築会社から紹介された外構業者に任せる方はとても多いと思います。
実際私の現役時代のお客様は、私が紹介した外構業者を使っている方が多かった。
建築会社の選定から間取りの打ち合わせと、お客様は疲れていることが多く、いちいち外構業者を探すのは手間だと感じていることが理由の1つです。
また、大手ハウスメーカーであれば社内で外構業者を雇っている場合もありますし、建築会社が良く使う外構業者であれば現場の監督とも連携が取りやすく、施主にとっては楽だと言えます。
しかし、建築会社が紹介した外構業者をそのまま使う場合はデメリットもあります。
- 紹介料としての利益が上乗せされるので料金が高くなる傾向にある
- 建築会社と連携している外構業者は顧客目線というより建築会社目線になっていることが多い
もちろん上記デメリットに当てはまらない外構業者も存在しますが、建築会社の顔色をうかがって仕事をする傾向があります。
それに、建築会社に依存しているため、お客様にリピートしてもらったり良い口コミを広めてもらおうという意識が低く、打ち合わせも早く終わらせようとする傾向にありますので注意しましょう。
2社以上の外構業者と打ち合わせをすれば、対応の良し悪しを比較することもできますので、なるべく外部の外構業者からもプラン提案をしてもらうのが良いと思います。
1-3.複数の外構業者から相見積もりをしない
複数の外構業者から相見積りをしないのも失敗や後悔に繋がりやすいと言えます。
2社以上からプラン・見積りを出してもらって比較すれば、似たような内容なのに料金が異なる、という違和感にも気づく可能性が高くなるはずです。
また、外構業者側も相見積りされていることを知っていれば、より良いプラン提案する可能性も高くなります。
とはいえ、建物の打ち合わせと並行して、複数社との外構打ち合わせは時間的・体力的にとても大変だと思います。
そういう場合は以下のような外構の一括見積りサービスを利用してみて下さい。
最近では外構も下記のような一括見積りサービスがありますので利用するといいと思います。
特に一括見積サービス経由で依頼した場合は、外構業者側も「比較される」と分かっていて見積りを作ることになりますので、より良い提案になる可能性が高いですし値引き交渉もしやすくなります。
中でも【タウンライフ外構・お庭プラン一括見積サービス】という無料のサービスがオススメです。
一度要望を入力すれば、各地域のいろいろな外構業者からアイデアやアドバイスがもらえます。
それにタウンライフ外構・お庭プラン一括見積サービスは他にも多数のメリットがあります。
- 全て無料
- ネットで5~10分ほど入力するだけで手間と時間がかからない
- 登録されている外構業者は厳選な審査をクリアしているから安心(優良企業300社以上が登録)
- 外構業者ごとに料金の比較ができるので適正価格が分かる
- アフターフォローや保証内容が比較できる
情報収集は早いに越したことはありませんので、ぜひ利用してみて下さい。
1-4.高低差(GL設定)を加味せず建物配置を決めてしまった
建物の打ち合わせで、土地に対しての建物の配置や高低差(GL設定)を決めるプロセスがあります。
建物の配置やGL設定は建築法に関わってくるとても重要なポイントですので、設計士や建築事務所とすり合わせて決めていく必要があります。
GL設定(ジーエル設定)とは?
グランドライン設定といいます。地盤の高さの設定のこと。
例えば道路の高さから+50㎝の高さに建物を設置する、など建物の高さの基準値を指します。
実はこの設定、法律、工事費用、外構工事にも関わってくる部分です。
この建物配置やGL設定を、外構業者と一度も打ち合わせをせずに決定してしまうと大きな失敗につながる可能性があります。
特に道路からの高低差が大きかったり、土地の東西南北で高さがバラバラな場合です。
間取りもそうですが、建物配置やGL設定を決定して「建築確認申請」を提出すると、後から変更ができなくなります。
(厳密には変更できますが、数十万の費用が発生します)
※建築確認申請は着工前に提出します。
つまり、建築確認申請を提出する前に外構打ち合わせをしておくことを強くオススメします。
例えば外構計画で駐車場の位置や広さ、玄関までのアプローチ、排水計画も加味していきます。
しかし、GL設定を失敗していると、外構工事での対応が難しくなり、傾斜の強い駐車場や玄関までのアプローチになってしまったり、道路までの排水がうまくできず水たまりが出来てしまう可能性もあります。
外構業者はGL設定や建物配置に詳しいので、建物の配置を決定する前に、外構打ち合わせをし、図面を見せて建物配置やGL設定の意見をもらっておきましょう。
1-5.隣地の方とコミュニケーションを取らずに揉めてしまった
隣地の方とは、特にブロック塀やフェンス、植栽などの「境界工事」で揉めるケースがあります。
※建替えの場合は解体でも揉めるケースがありますので注意しましょう。
「境界内は自分たちの所有物だから自由にして良い」という考えは間違いではありませんが、外構工事では隣地に迷惑をかけることもあります。
外構業者からはもちろん、自分たちでも近隣に挨拶にいき、簡単で良いので境界部分の外構プランを軽く説明しておくと良いでしょう。
その他、自分たちの土地よりも低い方の隣地には特に気を使っておきましょう。
事前に土留め計画予定や排水計画なども説明しておけば、余計なトラブルは防げるはずです。
1-6.メンテナンス性を考えずに外構内容を決めてしまった
続いて多い外構の失敗や後悔は、金額を重視するあまりメンテナンス性を意識していなかったケースです。
特に外構工事は見た目と金額が重視される傾向にあり、汚れやすさや建材が長持ちするかどうかはあまり加味されません。
例えば、土間コンクリートにひび割れ防止の為に伸縮目地やスリットを入れたり、タイルは目地が汚くなったり割れたりすることもあるのでなるべく使用を控えたりするなど、メンテナンス性を考慮していく必要があります。
メンテナンス性を重視して提案してくれる外構業者もいるとは思いますが、低価格を重視し過ぎて相見積りなどを取ると、後々メンテナンス費用が大きくなる可能性が高くなりますので注意しましょう。
また、新築初期の予算組みでは、外構費用に余裕を持たせておくのも大切です。
fa-arrow-circle-right外構の「費用」に関しては下記ページにまとめています。
2.実際の外構計画で最も多い7つの失敗例
外構で失敗しやすいポイントを7つにまとめて解説していきます。
このポイントを押さえて複数の外構業者と打ち合わせをしていけば、後悔する可能性はぐっと下がるはずです。
では1つずつ解説していきます。
2-1.駐車場の失敗パターン
駐車場に関する失敗は毎日の生活に関わるので大きなストレスになるので、建物配置から慎重に打ち合わせしましょう。
駐車スペースの広さの失敗
月極駐車場などのスペースは「幅2.5m×長さ5.0m」が最低値とされています。
しかし、前面道路の幅員が4.5m以下だと上記スペースではかなり入れづらくなるはずです。
また、電柱やカーブミラーなどが駐車場入口付近にある場合も出し入れが難しくなるので十分なスペースが必要でしょう。
将来、大型車に乗り換える場合や老後の車椅子生活のことも加味してサイズを検討しましょう。
同時に「駐輪場」の場所もなるべく確保しておきましょう。特に今は使っていなくても、将来お子様が使用するケースもあります。
費用を抑えるため駐車場を砂利や土にして後悔
本来なら駐車場はコンクリートか、やや高価ですがタイルが理想的です。
ですが、コンクリートやタイルはコストが大きいため、臨時に玉砂利や土のままにされる方がいます。
大雨などで水が浸透しきれずに溢れてしまったり、長期間水たまりができて不便に感じてしまうこともあるでしょう。また、土のままにすると雑草も生えてくるので大変です。
費用を抑えたい場合は、外構業者に言えば提案してくれると思いますが、タイヤが乗る一部分をコンクリートにして、その周りを防草シート+砂利を引くなどの対応もオススメです。
2-2.ウッドデッキでの失敗パターン
ウッドデッキは建物1階の掃き出し窓とつなげることでリビングから庭にアクセスできたり、バーベキューに使ったりと用途も多いメリットがあるので、設置される方が結構います。
それにマンション暮らしからウッドデッキに憧れている方も多いという統計もあります。
ただ、ウッドデッキには注意が必要です。
ウッドデッキのサイズや位置で失敗
ウッドデッキは新築の間取りを検討している段階から検討すべきポイントです。
後から無理やり作ってしまい、デッキが小さすぎて用途が限られてしまう場合があります。
建物配置の打ち合わせ段階から設計士にウッドデッキを計画している旨を伝えておきましょう。
また、日当りの良い場所に設置するケースが多くなりますので、周囲から見られやすい場所になります。計画時は気にしないと思っても、実際に完成したウッドデッキに立ってみると、周囲から目立つことに気づくケースがあるので注意しましょう。
外構計画の中で目隠しになるような塀や植栽を合わせて検討すると良いでしょう。
安い素材にしたら、メンテナンスがかなり大変になった
DIYで良く使われるようなソフトウッドという安価な木材を使用すると、毎年の塗り替えメンテナンスはもちろん、3~4年でボロボロになってしまうこともあります。
少し高額なハードウッドを使用するのが良いでしょう。
樹脂が混ざった人工木であればさらに長持ちするのでオススメですし、近年では自然木に近い色味のものも登場しているようです。
2-3.水道の設置場所や数での失敗
外で水道を使用する可能性があるのは例えば次のような場所です。
- 玄関付近(靴の汚れ、お子様やペットの散歩汚れを流す)
- 駐車場付近(洗車)
- 庭(水やりや清掃、バーベキューなど)
- 勝手口付近(清掃)
上記場所でホースを届かせるのも良いですが、とても長いホースが必要なときもあり、出し入れが大変になります。
屋外のホースの出し入れで手が汚れてしまうのも結構めんどうです。
2カ所以上に設置すべきか、慎重に判断していきましょう。
また、道路から見える位置の水道は、外構でデザイン性が高いものにしたり、裏側は簡易な水道のままにしておくなど、コストとのバランスを考えて計画を立てておきましょう。
2-4.外構の電気工事
外構の電気計画はとても重要で、失敗や後悔するケースが多発しやすいポイントです。
電気に関しては建物の「電気工事打ち合わせ」と、外構計画との連携が必要になってきます。
例えばインターホンを駐車場前の門に取り付ける場合、建物の電気業者に配線だけ外に出しておいてもらい、外構業者に配線とインターホンを繋いでもらうという流れになります。
外構の電気関係のポイントは、「外部照明」と「外部コンセント」です。
外部照明は玄関外、アプローチ、駐車場、庭、勝手口などが主要なポイントですので、前もって計画を立てましょう。
また、外部コンセントは例えば駐車場や外壁に高圧洗浄機を使ったり、庭でバーベキューをする場合など、様々に必要になってきますので、余裕をもって付けておくのが良いでしょう。
将来、例えば電気自動車の充電設備を付けることになったり、盗難などで監視カメラがつけたくなった場合など、後から電気配線を追加で行うと費用が大きくなります。
ですので、外構業者では無く電気業者に少し配線を外に出して土に埋めておいてもらうと良いでしょう。
2-5.玄関アプローチに関する失敗
玄関までのアプローチは外構デザインの最も重要なポイントです。
素材としてはレンガや敷石、タイル、インターロッキングなど様々です。
雨で滑りやすくなってしまって後悔
特にタイルや一部の敷石は水に濡れると滑りやすくなりますので、ノンスリップ加工されたものか、もともと滑りにくいものを加味して選びましょう。
また、水勾配と素材の状況によっては水はけが悪くなる場合がありますので、外構業者にしっかり確認していきましょう。
階段ではないスロープを付けておけば良かった
住宅の建物内部はバリアフリーになっていても、外構がバリアフリーで無くなるケースがあります。
その典型的な例がアプローチのスロープです。
土地が狭いときは仕方がないですが、スペースに少しでもゆとりがあれば老後のためにも作っておきましょう。
夜、アプローチが暗すぎた
土地が広く、アプローチが長い場合に発生する失敗です。
建物周辺の照明は気にするものですが、アプローチ全体の照明は疎かになる傾向があります。
土地の状況も見て、暗くなり過ぎないか事前に外構業者に確認しておきましょう。
2-6.塀や門扉などの視認性の問題
外構の中で塀や門扉はもっとも費用が掛かる部分です。
ですので、近年は塀や門を設置しない「オープン外構」「セミオープン外構」にする方が多いと思います。
ただ、塀や門が無いとどうしてもセキュリティレベルは下がってしまいます。
また、周辺から建物内部も見えやすくなりますので気分的に不安になることもあるでしょう。
対策として、目隠し用のフェンスや背の高い植物をうまく組み合わせて視認性の問題をクリアするのがオススメです。
外構業者に限らず、設計士も防犯について知識が高いことも多いので、前もって相談しておくと良いでしょう。
2-7.植栽の手入れが想定以上に大変すぎた
新築時はやる気があっても、植物の手入れはかなり大変で将来は放置してしまうことも多いはず。
特に出世したりお子様が増えたりと生活環境が変わり、だんだん忙しくなる場合もあるでしょう。
芝はオシャレで利便性が高いですが、ちゃんとメンテナンスするなら、年に5回以上はカットしなくてはいけません。
背の高い植物であれば、枯れ葉の掃除はもちろん、放置すれば隣地の敷地まで伸びてしまって迷惑をかけることもあるでしょう。
経済的に余裕があれば外注すればいいとは思いますが、なかなか難しいですよね。
対策としては、手間の掛からない人工芝にしたり、植栽の範囲を狭くしたり、メンテナンスの手間暇も考慮して検討しましょう。
特に外構業者の夢のある提案に飛びつかないようにして、冷静に判断するのが大切ですね。
手間がいらない人工芝を使うのもオススメです。
3.まとめ
ここまで読んで頂ければ、外構で失敗するリスクは大きく下がると思います。
ただ何より、外構を打ち合わせするタイミングは体力的にも精神的にも時間的にも厳しい状況になっていると思います。
小さなお子様がいる場合なら、毎週の打ち合わせでぐずっているかもしれません。
ですが、ここで妥協したり適当になってしまうと、外構は大きな失敗につながります。
体力やメンタルに左右されてしまう可能性があるので、ここは気合と根性で乗り切って頂けたらと思います。
最後までご愛読いただきまして有難うございました。