【外構とは?】意味や工事の範囲など様々な疑問に答える「Q&A」

「外構の意味や工事の範囲など、基本的なことが知りたい!」

家疑問くんそんな疑問にお答えします。

 

今回は「外構」「エクステリア」の意味や工事の範囲はもちろん、外構の種類やローンが使えるかどうかなど、いろいろな疑問にお答えしていきます。

本記事の内容はこちらです。

本記事の内容
  • 外構・エクステリア・ガーデニングの意味や違い
  • 外構のタイプ、3種類のイメージ
  • 外構工事の範囲が細かく分かる
  • 外構に関してのQ&A

では早速解説していきます。

1.外構とは何か? その意味や役割の基本を覚えよう!

最初に「外構とは何か?」その意味を解説していきます。

「外構」とは?
外構とは、門・アプローチ・駐車場・庭・植栽・ブロック・フェンスなど、敷地内における建物周辺のすべての構造物を指します。
外構には「機能」・「デザイン」・「娯楽、快適性」の3つを向上させる役割があり、住環境を構成するとても重要な要素です。
外構は生活に大きな影響を与えるもので、例えば駐車場に水が溜まらないように勾配を作るなどの「機能」は最重要なものと言えます。

外構に必要な「機能」については、具体的には次の5つの役割を持っています。

  • プライバシーの保護
  • 車などの保護、駐車スペースの確保
  • 防犯
  • 防風、遮音
  • 敷地境界の表示

地域や土地、建物によって住環境は大きく変わると思いますが、その住環境に合わせて上記の役割を果たせるように外構計画を立てていく必要があります。

家づくりにおいて会社・土地選びや間取りなどいろいろと後悔しやすいポイントがありますが、「外構」についても失敗する可能性が高いので入念に計画を立てていきましょう。

注文住宅の場合は間取りの打ち合わせと並行して外構計画を進めることを推奨しています。

外構計画の立て方・段取りについては下記ページをご覧ください。

1-1.外構とエクステリアとの違い

「外構」は「エクステリア」と言い換えることができ同じ意味として使われることがあります。

しかし「エクステリア」の意味は「インテリア(内装)」と反対語(対義語)となり、直訳すると「外装」です。「外構」と「外装」では意味合いが少し変わってきます。

エクステリアはどちらかというと、装飾・デザインの意味が強く含まれます。カーポートや門などの構造物を含んだ【空間のデザイン】を指すわけです。

外構は「構造物」自体を指すので、後ろに工事や業者をつけても違和感はありません(外構工事・外構業者)が、エクステリア工事とかエクステリア業者とは言わないですよね。

1-2.外構とガーデニングとの違い

「外構」と「ガーデニング」の意味の違いは解説しなくても知っている方が多いと思います。

ガーデニングは直訳すると「庭仕事」「庭の手入れ」「造園」です。

外構の中の一部として「ガーデニング」があるわけです。

エクステリアも含めて意味の範囲の大きさを比較すると【ガーデニング < 外構 < エクステリア】となり、ガーデニングの意味が最も狭い範囲、エクステリアが広い範囲となります。

2.外構のタイプは3種類だけど、大体は「セミクローズ」

外構のタイプやスタイルは以下の3種類に分けられる時があります。

  • オープン外構
  • クローズ外構
  • セミクローズ(セミオープン)外構

それぞれの名称を覚える必要はありませんが、この3つのタイプには明確に異なる部分が4つあります。

それは【価格】と、前章で記載した外構の役割の中の【プライバシーの保護】【防犯】【防風・遮音】の4つです。

それぞれの外構タイプがどのように違うのか、イメージ画像も含めて1つずつ解説していきます。

オープン外構とは?

オープン外構とはその名前のとおり開放的な外構を指します。

道路との境界を門扉・ブロック・フェンスなどで囲わない外構です。

使用する構造物が減るので価格は下がり、広々とした空間になるメリットがあります。

反面、境界を遮るものが減るため、プライバシーの保護・防犯・防風・遮音ができないデメリットがあります。


オープン外構にする場合は、曇り+防犯ガラスを多用したり、防犯システムを導入する、気密性の高い住宅にする(遮音)など、建物での工夫が必要になるでしょう。

クローズ外構

オープン外構とは正反対で、道路との境界を門扉・ブロック・フェンス・カーポートのシャッターなどで完全に囲んでしまう外構です。

構造物が多くなるので、工事が高額になる最大のデメリットがありますが、プライバシーの保護・防犯・防風・遮音性は高くなるメリットがあります。

 注意
クローズ外構の場合、犯罪者が敷地に入ってしまうと逆に外部からの視認性が悪くなって、窓を破られやすくなるなど防犯上デメリットになるという説もあります。外構業者としっかりと打ち合わせをして防犯に努めましょう。

セミクローズ(セミオープン)外構

ちょうど、オープン外構とクローズ外構の中間に位置する外構を指します。

価格帯も中間となり、メリット・デメリットをそれぞれ補う形となります。

完全にオープン・クローズにするという人は稀で、実際にはこのセミクローズ(セミオープン)外構にする方が大半です。

3.外構工事とは、どの範囲の工事を指すの?

1章で記載した通り、外構には5つの機能的な役割がありますが、それ以外にも細かい部分で生活に必要な機能が含まれています。

それに、デザイン・娯楽、快適性も含めると、外構工事で行うべき範囲はかなり広いものとなります。

本章では具体的に、外構工事で行うべき範囲を解説していきます。

外構工事に含まれる範囲の一覧は次の通りです。

  • ブロック・フェンスなどの境界
  • 土留め
  • 門扉・門柱
  • 表札・インターホン・ポスト
  • 水栓・立水栓・ガーデンパン
  • アプローチ・スロープ・階段
  • 砂利・防草
  • デッキ・テラス
  • 駐車場・カーポート
  • 植栽・庭
  • 照明・電気配線

1つずつ簡単に解説していきます。

ブロック・フェンスなどの境界

隣地や道路との境界に設置するブロックや「ブロック+フェンス」です。生け垣が使われる場合もあります。

境界をはっきりさせる目的ですが、その他、多数の目的があります。

  • プライバシーの保護
  • 高低差がある土地の安全確保
  • 防犯・防風・遮音

すべての境界を囲うと膨大な費用が発生する上、ブロックやフェンスの厚みだけ有効に使える敷地が減ってしまうため、分譲地などでは各敷地の2面のみ(例えば北と東だけ)担当するという暗黙のルールがあります。

土留め

敷地から土があふれ出さないようにブロックやコンクリートで擁壁(ようへき)を作って土留めするのも外構工事の1つです。

建物が崩れないように基礎を深くして支える深基礎は建築会社側で担当しますが、建物から離れた場所の土留めは外構業者が行うのが一般的です。土留めはブロック塀が多いですが、高低差が大きい場合は間知ブロックやコンクリートの擁壁が必要となり大きな費用が発生します。

 注意
土留めを疎かにすると近隣トラブルや事故につながりますので慎重に行いましょう。

高低差が大きい土地では重機が入れるような地盤を作らないと建物の工事ができないため、先行して土留めの外構工事を行う場合もあります。

門扉・門柱

敷地の入り口に設置される門を構成する柱や扉です。

オープン外構では使用されず、クローズ外構で採用されるのが一般的です。セミクローズ外構でも使われる場合もあります。

表札・インターホン・ポスト

表札・インターホン・ポストも外構工事で設置します。業者にお願いすれば、ホームセンターやインターネットで購入したものを設置してもらえる場合もあります。

門扉や門柱があれば、そこに設置するケースが多いですが、近年ではセミクローズ・オープン外構が多いため、専用のポールやデザインを重視した門柱・塀に、表札・インターホン・ポストを設置するパターンが多いです(下記画像を参照)。

門柱出典:YKKAPルシアスシリーズ

また、現在は宅配ポストもワンセットになっている門柱や塀も多数販売されています。

水栓・立水栓・ガーデンパン

建物外部の水栓や立水栓、ガーデンパンも外構工事に含まれます。

立水栓とガーデンパンの1セットだけ無料でついてくるハウスメーカーや工務店が多いですが、おしゃれで機能的な水栓やガーデンパンに変更、追加する場合は外構業者が対応することになります。

アプローチ・スロープ・階段

敷地の入口(門)や駐車場から建物の玄関までをアプローチと言います。土地に高低差があるときはスロープや階段を設置することもあります。

アプローチの機能的な目的は、通路とそうでない空間を区分けすること、雨が降っても歩きやすいようにしておくため、の2つです。

また、アプローチは建物の外観と繋がっていて住宅の顔となる側面を持っているので、通路の途中に観賞用の植栽を点在させたり、地面にオシャレなタイル・レンガを敷くなどのデザイン性を加えます。

砂利・防草シート

建物周辺やアプローチ周辺などに敷く砂利も外構工事で行うのが一般的です。

特に建物の北側など人が通らない狭いスペース(室外機や給湯器が設置される場合が多い)などに砂利を敷き詰め、土ぼこりが飛ばないようにしたり、雨が降った後でも水はけを良くして歩けるようにする目的があります。砂利の下には防草シートを敷いて、草が生えないようにするのが一般的でしょう。

デッキ・テラス

デッキやテラスはリビングや各部屋と外の空間をつなぐもので、特に機能性を重視しています。リビングや各部屋からすぐに外に出たり、洗濯物を干しやすくするなどの機能があります。

その他、デッキやテラスにテーブル・椅子を設置してバーベキューを楽しんだり、ガラス張りの部屋にして植物を育てたり日光浴を楽しむ、といった第2のリビングとして使う方法もあります。

最近ではメンテナンスが楽な人工木のウッドデッキが主流です。

ハウスメーカーや工務店でも設置可能だと思いますが、外構業者のデッキと比較して安い方を選べば良いでしょう。

駐車場・カーポート

駐車場・カーポートも外構工事の1つになります。駐車場はコンクリートや砂利などいろいろな素材で作ることができ、それぞれ費用やメリット・デメリットが異なります。

駐車場の配置は、車の出し入れのしやすさはもちろん、外構全体の機能性やデザインに関わってくるため、最重要なポイントになるでしょう。

また、アプローチも含めて水勾配の設定をどうするのか、敷地全体の高さ設定(GL設定)も関わってきます。建物配置と一緒に計画を立てていきましょう。

植栽・庭

観賞用としての植栽や、家族が楽しめるような庭は、生活する上での優先度が低いですが、作るか作らないかはデザイン性にも大きな影響があります。アプローチにワンポイント緑があるだけでも建物全体が映えてきます。

後日DIYで家族で楽しむことができるので、スペースだけ確保するのも良いでしょう。

またコストは掛かりますが、庭に芝を作れば手軽に遊びの空間を作ることができます。手入れがめんどうと感じるなら人工芝という選択肢も良いでしょう。

照明・電気配線

建物外部の照明や電気配線も外構工事で行う場合があります。

建物に付随する照明は建築会社で設置しますが、建物から離れた外部照明は外構業者が担当します。

例えば門や植栽を照らすイルミネーション用のライトや、通路を照らすセンサーライト、ガーデイニング用のソーラーライトなど様々です。

室内から電気配線を伸ばす必要があるので、建築会社にも相談しておきましょう。

4.外構の良くある疑問にお答えします【Q&A】

最後の章では、外構について良くある疑問について、Q&A形式でお答えしていきます。

外構のイメージ2

新築の場合、外構工事の費用はハウスメーカーや工務店の建物費用に含まれないの?
注文住宅の場合、建築会社の建物・本体価格に外構工事費用は含まれないのが一般的です。外構費用は「諸経費」に該当します。
建売住宅の場合は、外構工事も含めての価格が一般的です。
外構工事の相場はいくらくらいなの?
外構費用は「150万円」 ~「建物価格+工事費+諸経費」の10%の間くらいと見るのが妥当です。
詳しくは【外構工事費用の相場は?】適正価格を確認するたった2つの方法をご参照下さい。
外構工事は、ハウスメーカーや工務店と提携・関連がある外構業者に依頼した方が良いの?
ハウスメーカーや工務店などの建築会社が紹介した外構業者をそのまま使うのはメリットもありますがデメリットもあります。詳しくは新築の外構で失敗したくないなら速攻で読むべき6つの原因と対策をご参照下さい。
外構工事の費用は住宅ローンで支払えるの?
新築の場合は、諸経費も組める銀行であれば、外構工事も住宅ローンから支払いが可能です。
リフォームや外構のみの場合は、外構業者がローンを斡旋しているケースも多いので、相談してみましょう。
外構工事を少しでも安くする方法が知りたい!
いくつかの外構業者から相見積りを取るのが基本です。
詳しくは【外構工事費用の相場は?】適正価格を確認するたった2つの方法をご確認下さい。
外構工事の工期はどれくらいで、新築の場合、工事の時期はいつごろになるの?
工事期間は通常10日~3週間程度が一般的です。
工事は建物が完了してから始まります。建物との工事との同時進行はできません。
外構工事中に引っ越しはできるの?
基本的にはできません。コンクリートなど乾かす期間があるので、工事中は立ち入りができないと思った方が良いでしょう。
外構の計画はいつごろから立てるべき?
注文住宅の場合なら、間取りの打ち合わせが始まったらすぐに開始して、外構の方向性や車の配置だけでも決めておきましょう。

 

その他、何か疑問がありましたら、お気軽にお問い合わせからご質問ください。

5.まとめ

外構とは何か、お分かりになりましたか?

家づくりにおいては、生活する上での機能やデザインなどとても重要なポイントです。

建物・土地の次に、業者探しや計画に時間をかけ、すてきな外構・エクステリアにしてもらえたら幸いです。

 

最後までご愛読頂きましてありがとうございます。

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