リビングの間取りで失敗しない作り方を解説します

リビングイメージ




今回は間取りの中でも最も重要なリビングに関して解説していきます。

間取りを設計する時に失敗しない為のリビングの作り方にフォーカスした内容です。
もちろん、間取りは設計士などのプロが作ってくれますが、設計士とコミュニケーションを取っていく上での大切な考え方や要望の伝え方をメインで解説していきます。

本記事の内容はこちらです。

本記事の内容
  • リビングを設計する上での基本的な考え方(広さ、動線、収納、照明、サッシなど)が分かる
  • リビング階段や吹き抜けなど、タイプ別の注意点が分かる

⇒ リビングに限らず、間取り全般の失敗例を知りたい方は下記ページをご参照下さい。

では早速解説していきます。

1.リビングの基本的な間取りの考え方

最初にリビングの基礎的な考え方から解説します。

説明不要な部分かもしれませんが、リビングの配置は間取りの中で最も重要です。

だからこそ間取りを作る時、多くの設計士が最初に配置を決めます。
リビングの配置によって、全体の間取りの構成が大きく変わってしまうからです。

また、リビングは日当りが良い場所に配置したり、他のダイニング、キッチン、玄関、水回りへのアクセスも配慮しなくてはいけません。
さらに、住宅営業マンも設計士も、施主のリビングに対する要望を入念に聞きますし、しっかり間取りに反映させようとします。

リビングの配置は様々なことを考慮しなくてはいけませんし、慎重に要望を伝えないといけないことをまずは念頭に置きましょう。

だからこそ、要望を伝える際に、
「リビングはこの位置が良い」
「リビングは22帖必要」
など、デメリットを無視した限定的な要望を伝えるのはやめましょう。

私が現役時代の、あるお客様の例を挙げます。
そのお客様は中学校の先生で「リビングを広めにしたい」という要望がありました。

私は雑談も含めて、何故リビングを広くしたいのかを探りました。

最後に分かったそのお客様の本当の要望は、こんな内容でした。
「自分の教え子が卒業した後、自分の自宅に遊びに来た時に素敵な家に住んでいる先生に見られたい」という想いがあったのです。
確かにボロボロのアパートだったら生徒はがっかりするかもしれません。

そのお客様の理想とするイメージが分かったので、リビングは高級感が出るように、また玄関からのアクセスを優先し、トロフィーや写真が飾れるオシャレなスペースを作りました。
結果、とても良い提案の間取りになったので、お客様はとても満足してくれました。

大事なことは、
間取りやリビングの要望を伝える際は、具体的な大きさや配置などでは無く、どんな生活が実現したいかを伝えることが最優先、ということです。

 

ではここから、リビングの基本的なポイントを7種類に分けて解説していきます。

 1-1.リビングの広さの捉え方

リビングの広さに関して解説していきます。

まず、リビングを含めたダイニング、キッチン(LDK)の広さの目安です。
一般的な3~4名様家族の場合はLDK16帖~20帖が平均的です(延床面積30~35坪)。

そうすると、リビングは6~10帖(ダイニングも除く)が平均的な計算になります。
3名家族の場合、6帖あれば、大型テレビ・3名用ソファ・収納スペースなども確保でき、生活には問題のない広さとなります。
リビングが8帖以上あれば、4名家族でもゆとりがある広さです。

ただ、私の経験上、LDKを広くしたいという要望はNO1に多いです。
多くの方が家族が集まるLDKこそゆとりある空間にしたいと思われています。
また、親族や友人を招いた時のための広さも必要と考えるでしょう。

しかし、「LDKを広くする」ということは、その他のスペース(水回りや玄関、収納スペース)などを狭くするデメリットがあります。
例えば老後のことを考えると(車椅子生活など)、実はLDKよりも他のスペースのゆとりが必要だったりもします。

LDKは過度に広くせず、バランスをしっかり考えて検討する必要があります。

 1-2.リビングの動線を考える

テレビとソファの距離
動線を考える際、多くの場合、炊事・洗濯・掃除などの家事動線や、トイレやお風呂に行くなどの生活動線を考えます。
確かにそれは十分に配慮して方が良いでしょう。

ですが、実はリビングの動線で最も考えなくては「家具周りの動線」です。

実は家事動線や生活動線は、住宅営業マンや設計士もしっかり考えてくれます。
それは、図面上(平面図)で十分に考えられるからです。

ただ重要なポイントは、家事動線や生活動線よりも、リビング内での移動の回数の方がはるかに多いのです。
だからこそ、予めどんな家具を配置するかを計画する必要があります(これはダイニングにも当てはまります)。

例えば次のような家具です。

  • テレビ、テレビ台
  • ソファ(何人用で、どんな形か)
  • テーブル
  • 収納棚
  • その他インテリア

 

平面図で間取りを考える段階で、上記どんな家具を置くのかを一緒に考えます。
そこで、ソファやテーブルの周りは自然に歩けるのか、家具を配置した上で他のスペースに移動がスムーズかを確認しましょう。

なお、リビングに合わせて家具を決めれば良い、と安易に考えるのは止めましょう。

例えばテレビとソファの間は、テレビは50型以上であれば、2m以上空ける必要が出てきます(70型であれば2.5m以上)。
距離を空けないと見えにくくなります。
ですが、リビングの大きさや形によっては距離が開けられなくある場合があります。

やはり間取りを考える際には、将来どんな家具を置くのかを想定して決めていく必要があるでしょう。

 1-3.空間の広さを大事にする間取り

リビングに間しては、物理的な広さを気にするよりも、空間の広がりを考えていくことが重要です。

間取りで考えるなら、1階リビングなら吹き抜け(2階なら勾配天井)、リビング階段なども空間が広くなります。

その他、空間の広がりを作るポイントとして、以下の工夫も加味していきましょう。

リビングの空間を広く感じるための工夫
  • 家具は腰高以下に統一する
  • LDKをなるべく直線で一体化させる(奥行きがあると広がりを感じる)
  • 他の空間との間の建具(ドア)を減らす
  • 壁紙はなるべく白ベースを多めに使う(広がりを感じやすい)

これから新築を考えている場合は、断熱性能や気密性能(隙間が無い)が高い住宅がほとんどだと思いますので、建具を減らすなどで空間を繋げても光熱費はそんなに気にしなくても良いでしょう。

特に狭小地などでリビングを広く取れない場合などは全館空調を導入して建具を極端に減らすのも良いでしょう。
⇒ 最新の全館空調のメリット・デメリットをまとめたページをぜひご参照下さい。

 1-4.リビングの収納を考える

リビング収納

多くの方がお分かりかと思いますが、リビング・ダイニングには家の物がかなり集まってきます。
特に将来お子様が増えた場合には、想定以上に物があふれることになるでしょう。

つまり、リビングこそ、収納のゆとりを作る必要があります。

後から量販店で収納棚を購入するのは良いですが、やはりここはお金を掛けて備え付け収納を導入するのがお勧めです。
デザインに一体感が出ますし、収納量は備え付けの方が多く、無駄なスペースを作らなくて済みます。

⇒ なお、収納に関してはリビングを含め、別記事にまとめていますのでぜひご確認下さい。

 1-5.リビングの照明を間取りの設計の時からイメージしておく

リビングに限らず、LDKの間取りを考える際は、照明に関しても前もってイメージしておくのがベストです。

間取りの打ち合わせ中は、照明に関してほとんど話が上がりません。
特別な提案が無い限り、設計士から照明の話をすることも多くはありません。

ほとんどの場合、照明は間取りやコーディネートの打ち合わせが終わってから考えることになります。
そうすると、実はこんな照明にしたかった、ということが後から浮かび、それが実現できない間取りだったケースもあります。

特に、間取り確定後には設置出来なくなる照明が「間接照明」です。
一般的なシーリングライト、ダウンライト、レール型の照明器具は後からでも問題ありません。

テレビ周りの間接照明、天井の一部を折り下げ(または折り上げ)た場合の間接照明などは事前にイメージを膨らませて設計士に相談しましょう。

 1-6.リビングのサッシ(窓)の考え方

LDK一体型

解放感を上げるため、開口部(窓やサッシ)は極力大きくしたい、という要望が多くあります。

ただ、サッシを大きくすると以下のデメリットがあります。

  • 断熱性能が下がり光熱費が上がる
  • 耐震性が下がる
  • 西日などで部屋の温度が上がりやすくなる
  • 窓際のフローリングや家具が日焼けして痛みが早い
  • カーテンが大きく特注になるなど金額が上がる

 

これらのデメリットは木造や鉄骨住宅、また建築会社のサッシの性能によっても異なってきます。
ただ、デメリットを十分に配慮してサッシの配置や大きさを決める必要があります。

⇒ リビングに限らず、窓・サッシの失敗しない為の考え方や具体的な失敗例をまとめたページはこちらです。

その他、窓から外に出られる掃き出し窓をリビングに設置することがあります。
リビングから外にアクセスできる間取りにすることが多いということです。

つまり、掃き出し窓を検討する際は、外構についても前もってイメージを膨らませておく必要があります。
⇒ 外構に関しては下記ページにまとまっていますので是非ご参照下さい。

2.リビングの特徴ごとの考え方

続いて、リビングにおいて良くあるパターン・特徴に分けて、失敗しない為のポイントを解説していきます。

 2-1.リビング階段の注意ポイント

リビング階段
上記画像のようにリビングに階段を設置すると、お子さんの帰宅時に必ず顔が合わせられる、というメリットがあります。
また一般的なデメリットとして、冷暖房効率が悪くなって光熱費が上がる、というのがあります。

ただ前章で解説した通り、最近は断熱・気密性能が高い住宅が多いので、さほど気にする必要はありません。

それよりもリビング階段のデメリットとして、間取りを考えるときに階段位置が固定される、ということがあります。

階段位置が固定されると、2階の間取りも自由が利かなくなり、素敵な間取りができなくなる可能性が高まります。

⇒ リビング階段について詳しくは下記ページで解説していますので、ぜひご参照下さい。

 2-2. 2階リビングの間取りを活かす方法

間取りを検討する際、2階リビングにしようか悩むことがあると思います。
特に1階への日当りが悪かったり、狭小地の場合も検討することがあるかもしれません。

2階リビングの最大のメリットは「LDKを広くできる」「LDKへの日当りを確保できる」ということです。
ですが、玄関からリビングまでの距離が長くなるので荷物の移動が大変になったり、工事費が増してしまうデメリットもあります。

ただ、2階リビングを選択した場合は、広さを確保できること以外に、バルコニー・屋根裏・屋上などへのアクセスがし易くなったり、LDKから水回りへ回遊しやすい間取りに出来たりなどの大きなメリットもありますので、それらを活かした間取りにするのがお勧めです。

⇒ なお、2階リビングに関して詳しくは下記ページをご参照下さい。

 2-3.リビングの吹き抜けの考え方

リビングやダイニングからの吹き抜けを希望する方も非常に多いです。

吹き抜けは解放感も出て、2階とのコミュニケーションが取りやすくなるメリットもあります。
光熱費が上がりやすいというデメリットは、前章で解説したリビング階段と同様、最近の住宅ではさほど気にする必要はありません。
(熱は滞留しやすいので、シーリングファンは付けた方が良いでしょう)

ですので吹き抜けのデメリットととしては、床スペースが減ってしまうくらいです。

ただ、吹き抜けは高い位置にサッシを付けて、リビングやダイニングの日を取り込むために設ける場合があります。
2階からの日であれば、真冬でもリビングに日を入れられるようになります。

吹き抜けは広がりのある空間を作るだけではありませんので、土地の環境に合わせて有効に使いましょう。

 2-4.リビングと和室を繋げる場合の注意点

和室続きのリビング
リビングに繋がった和室を希望する方も非常に多いです。

和室の希望理由としては、以下2点がほとんどです。

  • 親族や友人の宿泊スペースにしたい
  • 家事や育児、子供の遊びスペースとして利用したい

ただ、上記を検討するとしても、和室を作るデメリットがかなり大きいことを把握しておく必要があります

リビングは基本、間取りで一番良い場所に配置しますので、そこと繋げる和室も一等地になることが多いです。
逆に言えば、一等地を和室に取られてしまうことになるケースがあります。
設計士が間取りを考える上でも制限が高くなるのもデメリットと言えます。

また、その一等地の和室の使用頻度が、長い人生から見れば少なかったりします。

友人や親族の宿泊は月1回以下の場合が多く、育児などは子供が小さいうちの数年です。
そう考えると、非常に勿体ないスペースになる可能性があります。

さらに、リビングと繋げる建具を大きめの2枚引き込み戸や3枚引き違い戸などにしたら金額が高くなりますし、
畳は定期メンテナンスが必要になるので費用負担も上がります。

何かしら畳スペースが必要な時は、ホームセンターで2~3枚の畳を買って対応できることもあるでしょう。

和室はそれらのデメリットを十分に加味した上で、それでも必要と考えるのであれば後悔はしないと思います。

3.まとめ

ここまで読んで頂くと、リビングの間取りを考えるのは、実に多くのことを加味しないといけないことが分かって頂けたのでは無いでしょうか?
ただ、それだけリビングの間取りはとても重要です。

ご自身でも色々情報を集めて考えないといけませんし、設計士にも要望を正確に伝える必要があります。
ただ、リビングの間取りのイメージさえでき上れば、家全体のコンセプトや方向性も決まっていることがほとんどです。

間取りを考える際は、ぜひどんなリビングにするのかを最初に話し合って頂くのが良いでしょう。

 

⇒ 間取りで失敗しない為の基本的な考え方をまとめたページもありますので、ぜひご覧ください。

最後までご愛読頂きまして有難うございました。



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