「土地を購入するまでの流れが知りたい!」
「どんな段取りで土地探しをすればスムーズに土地が見つかるの?」
「土地の買い付けから契約、その後の流れも知りたい」
そんな疑問にお答えします。
段取りと早さを制する者は、土地を制する。
ボクシングの格言を勝手に引用しましたが、これは確かです。
建物と違い、土地は他の皆さんと競合しています。
当たり前ですが、良い土地は早く無くなります。低金利時代ではなおさらです。
だからこそ行動と判断のスピードが必要です。
しかし、焦ってしまい、次のような情報を把握せずに土地を選んでしまっては、大きな後悔につながります。
だからこそ、しっかりとした段取りが必要です。
本記事を読んで頂ければ、土地購入の流れだけでなく、失敗しない為の段取りが分かって頂けると思います。
では早速解説していきます。
目次
1.土地購入の全体の流れ
最初に、土地を購入する上での全体の流れ(大枠)と、必要な期間の目安を解説します。
- 土地探しの事前準備(家族間で要望と予算すり合わせ)
(期間:~1ヶ月) - インターネットで土地・不動産屋・建築会社の情報収集
(期間:~1ヶ月)
※1と2は並行して進める。 - 不動産屋・建築会社周りと土地探しの依頼(依頼は2~3社以上)
(期間:1~2ヶ月) - 不動産屋・建築会社の絞り込み(建築会社は2~3社程度)
(期間:~1ヶ月) - 住宅ローン事前審査
(期間:2~3週間)
- 不動産屋・建築会社の確定と土地の買い付け
- 土地の契約
(買い付け後~2週間以内) - 住宅ローン本申し込み
(3~4週間以内)
- 土地決済と金消契約
(契約~1.5ヶ月以内)
土地購入の流れは上記の通りとなります。
スムーズに良い土地が見つかった場合は、早い人で2ヶ月ほどで[6]の買い付けまでいきます。
良い土地が見つからない時は、[4]~[6]の間で1年以上かかるケースもあります。
土地探しの期間については、人によって大きく差があります。
次章から上記の土地購入の流れに沿って解説していきます。
2.土地探しの事前準備(家族間で要望と予算すり合わせ)
土地探しの最初の流れとして、事前準備があります。
事前準備は以下の3つです。
- 家族間で土地に対する要望や優先順位をまとめる。
- インターネットで候補エリアの相場を確認しておく。
- 土地や建物に対する予算をどれくらいで設定するのかすり合わせる。
1つずつ解説します。
■家族間で土地に対する要望や優先順位をまとめる
最初は希望エリアの土地相場が分からないので、予算と照らし合わせながら考えるのは出来ないかもしれません。
ですので、まずは家族間で土地に対する希望を出し合い、優先順位を付けておくと良いでしょう。
また、例えば駅から徒歩何分まで離れても大丈夫か、限界値を家族間で決めておきましょう。
ただ、土地は「希望の6~7割満たされたら買い」と言われるように、色んな要望を詰め込めば金額だけが跳ね上がりローン返済が苦しくなる可能性もあります。
どれだけ妥協できるかがポイントになりますので、下記ページにて土地探しのコツを把握しておくと良いと思います。
fa-arrow-circle-right土地を探す上での考え方やコツをまとめたページです。
■インターネットで候補エリアの相場を確認しておく
これは説明する必要もないと思いますが、インターネットではたくさんの土地情報が公開されています。
どんなサイトで調べると良いかも、上記【土地の探し方のコツ】誰をどう使えば土地探しに失敗しないのか?にて解説していますので、参考にして下さい。
同時に建築会社や不動産屋情報も集めておくと良いでしょう。
■土地や建物に対する予算をどれくらいで設定するのかすり合わせる
予算をどれくらいの設定金額にするのか、これも家族間で話し合っておきましょう。
特に月々の住宅ローン返済額から考えて設定すると良いでしょう。
fa-arrow-circle-right住宅ローンの年収別に借入可能額や返済額をまとめたページがあります。
また、建物や土地には想像以上に工事費や諸経費がたくさん掛かってしまいます。
予算と一緒に把握しておきましょう。
fa-arrow-circle-right注文住宅や建売の工事費・諸経費をまとめたページがあります。
3.土地探しはどこに依頼すれば良いの?
土地探しの事前準備が終わったら、次は土地探しを任せる不動産屋や建築会社を探す流れになります。
ただ、土地探しの方法は以下のとおり3種類あります。
- その土地の不動産屋に依頼する
- ハウスメーカーや工務店に依頼する
- 無料の不動産情報サービスを使う
どの方法で土地を探しても問題ありませんが、重要なポイントが1つあります。
それは
「土地を決める前に、ハウスメーカーや工務店の人に相談する」
ということです。
「1」の不動産会社に依頼すること自体は問題ありません。
ただし、土地の候補が見つかったら、契約前に必ずハウスメーカーや工務店などの建物専門の人に土地を見てもらいましょう。
その土地に希望の間取りが入るのか、また大がかりな工事費が発生しないか、などのアドバイスをもらっておくのは必須です。
不動産会社にも色んな営業マンがいるとは思いますが、やはり不動産の方は土地を売って利益を出す商売である以上、土地が売れればナンボの世界ですので利益を優先してお客様に説明をする場合があります。
予算から見て、土地と建物とのバランスを考えてくれないようなケースがあります。
仲介手数料を減らしたいからと「売主物件」をご自身で探す方もいらっしゃいますが、土地の法律や建物の間取りなどかなり詳しい人以外はやめておきましょう。
プロに仲介してもらってサポートしてもらった方がリスクも低い上に効率も良く、良い土地に出会う確率はぐっと上がります。
それに、仲介してもらった方が値下げ交渉に有利です。
「2」のハウスメーカーか工務店などの建築会社に土地探しを依頼するのは、2番目にお勧めします。
ハウスメーカーや工務店は自社で仲介専門のプロを抱えているか、繋がりがある不動産業者と連絡を取って一緒に探してくれる流れになっています。
土地が売れても全く利益にならないハウスメーカーや工務店であれば、土地と建物のバランスを見ながら客観的なアドバイスをしてくれる可能性が高いはずです。
「3」の無料の不動産情報サービスを使うのは1番にオススメです。
特に【タウンライフ不動産】というサービスを使うのが良いと思います。
インターネットで土地の条件を入力するだけで、地元の不動産から物件情報をもらえます。
希望の条件と連絡先の入力のたった5分で物件情報がもらえます。
それに、タウンライフ不動産をご紹介するのは、多数のメリットがあるからです。
- 土地の非公開物件まで紹介してくれる
- 全て完全に無料
- ネットで5分入力するだけで完了。複数の不動産会社に一括依頼できる
- 土地だけでなく、戸建てやマンションの情報まで一緒に依頼できる
- 登録されている不動産会社は厳選な審査をクリアしているから安心できる
- 情報はメールや郵送などが選べて、新着情報が随時送られてくる
紹介する以上心配なのでネットで口コミを調べてみましたが、いきなりたくさんの電話が掛かってくることや、しつこい営業されるなどの心配もありません。
このサービスを使えば、複数の不動産会社に依頼し、不動産会社の仲介手数料やサービス内容を比較できるのが便利な部分です。
情報収集は早いに越したことはありませんので、ぜひ利用してみて下さい。
※繰り返しますが、希望の土地が見つかったら、必ず建築会社に相談しましょう。
3-1.土地探しは建築会社と並行して依頼しよう
土地探しは、ハウスメーカーや工務店など建築会社の候補を2~3社に絞りながら、並行して土地探しを依頼するようにしましょう。
その理由は家づくり全体の流れを解説した記事で解説していますので、ご参照下さい。
建築会社や不動産会社は、業者専用の不動産情報サイトが閲覧できます。
ですので、一般の方と比較すると、インターネットだけで多くの土地情報が閲覧できます。
逆に言えば、どの不動産屋に連絡しても、ほとんど90%以上は同じ情報を持っています。
だから、6~8社と多数の不動産屋に並行依頼してもあまり意味はありません。
逆にそれを不動産屋が知ったら、見込みの薄いお客さんだと思い、手を抜く可能性が高いです。
ですが、残りの10%は、それぞれ別々の土地情報を持っていることがあります。
例えば建築会社が所有している自社の物件があったり、未公開物件や先取り物件などの情報です(建築条件付きの土地も多いですが)。
ですので、気に入った不動産会社、ハウスメーカーや工務店2~3社くらいに依頼し、土地の希望を伝えておくのが良いでしょう。
それに、2~3社依頼しておけば、建築会社も不動産会社も競合していることを知り、提案がスピーディになるはずです。
なお、無料で複数のハウスメーカーや工務店から土地の提案を受けることができるサービスもありますのでご紹介します。
それも、希望を伝えておけば、希望に見合った建築会社からプランや間取りも一緒に提案してもらえます。
4.土地の買い付け(注文)までの準備
良い土地を購入するには、次のことを意識しておく必要があります。
どこの建築会社で、どんな間取りで、どれくらいの金額の家を建てるのかをしっかりと固めておき、条件が合う土地が公開されたときに、すぐに購入できる準備を進めておく必要があると言えます。
準備をしっかりしておけば、即座に購入すべきか判断ができるので、良い土地を逃しにくく、また失敗確率も下がるはずです。
準備における重要なポイントを5点解説していきます。
■建築会社を2~3社に絞っておく
建築会社を決めておかないと、建物や土地にかける費用が決まらないので、土地を頑張って探しても意味はありません。
先に建築会社の候補を絞っておきます。
なお、あまりに建物金額の差が大きい建築会社2~3社を候補として挙げても意味はありません。
選ぶメーカーによって選ぶ土地が変わってしまうからです。
■建物、諸経費などの予算を把握しておく
候補の建築会社から、ざっくりで良いので建物の要望を伝え、諸経費も含めた概算の見積りをもらっておきましょう。
土地を買い付け(注文)してから予算が合わない、ということが起きないようにしましょう。
■候補の土地の法律チェック
土地の法律チェックは、仲介に入ってくれる不動産屋が代わりに調べてくれますのでお任せましょう。
ただし、調べてもらった内容は全て目を通しておきましょう。
土地には、「用途地域」という都市計画法に定められた区域が存在します。
例えば、高い建物を建ててはいけない「低層地域」などです。その地域によって法的な制限もありますので確認しておきましょう。
また、用途地域に限らず、それぞれの地域によって、景観を保つための「景観法」など特殊なルールがありますので、必ず確認しておきましょう。
■候補の土地の工事費用チェック
土地によっては高低差が大きく土留めが必要とか、水道の引き込みが無いので引き込み費用が発生するなど、工事費に大きな差が発生します。
建築会社に依頼して見積りを出してもらいましょう。
■候補の土地の登記簿チェック
これも建築会社か不動産屋に依頼すれば土地の登記簿・公図・測量図など全て取得してくれます。
例えば公図が現地と一致していないとか、測量図で隣地との境界は明確か、前面道路はセットバックが必要か・公道になっているか、などなど確認しておきましょう。
fa-arrow-circle-right土地購入の諸経費の詳細は下記ページにまとめています。
5.土地の買い付け(注文)
土地の候補が絞りきれたら、次の流れは土地の注文「買い付け」です。
ですが、買い付けをしてからは後戻りしにくいので、買う気が90%以上でなければ絶対にやめましょう。
本当に稀ですが、その土地を買う気も高く無いのに、とりあえず押さえておきたい、と買い付けをする方がいます。
ネットオークションをやったことがある人は分かると思いますが、注文してキャンセルを続ければ評価点が下がり売買さえ出来なくなってしまいます。
土地でも全く同じことがおきます。買う気が無い買い付けは絶対にやめましょう。もしそれを推奨する営業マンやサイトがあっても絶対に信じないでください。
買い付け方法はとても簡単で、建築会社、または不動産会社にある買付専用用紙に記入して、不動産担当に渡すだけです。
※不動産担当が売り主側の仲介業者に用紙をFAXで送れば注文完了です。
買付時はただの注文なので、金銭のやり取りは発生しませんし、印鑑も不要です。
買い付けは早いもの勝ちですので、先に用紙が届いた人が権利を得ることになります。
土地を購入すると決めたら、1分でも早く買い付けをしましょう。
※基本は早いもの勝ちですが、売主側も選択権利があります。例えば1名は銀行の事前審査が通っていて、もう1名が通っていない場合、通っている方の注文が遅くても優先される場合があります。万が一融資が受けられない場合、売主は土地が売れず損失が発生する可能性がある為、審査が通っている方を優先します。
fa-arrow-circle-right買い付けのタイミングで値下げ交渉をする場合があります。値下げ交渉に関しては下記ページをご参照下さい。
6.住宅ローン事前審査
続いての流れは住宅ローンの事前審査です。
次章で土地契約の解説をしますが、土地契約の前には必ず住宅ローンの事前審査が通っていないといけません。
このタイミングでは銀行を2~3行には絞っておき、事前審査は1行でも通っていれば問題ないでしょう。
ただし買い付けから契約までは基本的に7~10日しか空き時間がありません。
買い付け後に住宅ローンの事前審査を提出すると大変ですので、もっと前にやっておきましょう。
fa-arrow-circle-right住宅ローン事前審査の詳細は下記ページにまとめています。
ちなみに事前審査はご自身で動かなくても、ほとんどの建築会社で対応してくれます。
7.不動産売買契約までの流れ
前章にも記載しましたが、土地の契約で大きなポイントは「買付から1週間~10日」しか時間が無いという部分です。
場合によっては売り主側が融通を利かせてくれることも多いですが、基本は1週間くらいです。
1週間以上待った後、買わない選択をされてしまうと、売り主は時間的損失をしてしまうからです。
※契約時には現金で50万円~土地の1割ほどの手付金を支払う必要があります。
一旦契約をすると、簡単には解約できなくなります。
解約時は通常、上記手付金を放棄すれば解除は可能です。
どちらにしろ、買付から1週間で契約の判断をしなくてはいけません。
7-1.契約までの事前準備
1週間~10日で契約するかを判断するためには、最低限以下の情報が必要です。
- 全体の正確な資金計画(該当の土地での正確な付帯工事費用・・・給排水関係、高低差により土止め工事など)
- 該当の土地での正確な間取り(道路の向きや、用途地域によっても間取りが変わるため)
- 近隣の状況(近隣住民の状況確認・・・例:ゴミ屋敷が近隣にないか、など)
- ハザードマップ(災害を受けやすい地域かどうか)
再度、建築会社から正確な資金計画(見積り含め)、プランを出してもらいましょう。
建物契約にも必要になります。
また、不動産屋に近隣状況を調べてもらいましょう。
調べてくれない不動産屋ならば、最初から依頼しない方が良いと思います。
また、不動産屋からハザードマップをもらいましょう(インターネットでも見られる地域が多いです)。
ただし、例えば水害に遭う確率が高いから辞めよう、という発想より、災害にどう対応していくかを検討する方が建設的です。
7-2.重要事項説明
契約前に重要事項説明があります。
重要事項説明は法律で義務化されていて、宅地建物取引士(宅建)の資格を所有している人(大体が不動産屋)が説明を行います。
おおよそ2時間前後、みっちりとその土地に関連する法律や、契約内容の詳細、買い主に不利になる可能性のある告知事項などの説明を受けます。
非常に長いの疲れるかもしれませんが、トラブル防止にもなるので頑張って聞きましょう。
また、今まで集めてきた情報の2重チェックになる部分でもあります。
万が一、聞いていた情報と異なる場合は、説明を求めましょう。
どうしても納得できない場合は、その時点で契約をキャンセルすることも可能です。
滅多に起きることではありませんが、万が一の時は勇気を出して断りましょう。
7-3.土地の契約
重要事項説明が終われば、いよいよ契約です。
一般的には売り主、買い主、仲介業者が一同に集まり契約を行います。
その際、手付金として50~100万円を準備して売り主に渡します。
※2018年現在も、不動産業界は昔のルールが残っていて、手付金は振込ではなく、手渡しすることがほとんどです。
後は契約書にサインして契約は完了です。
なお、事前準備が固まっていれば、おそらく建物の建築会社も決まっていると思います。
土地の契約と合わせて建物の契約をしてしまうのも良いでしょう。
※先行して土地のみを購入されるケースもあるかと思いますが、その場合は、土地の契約の後、大体1か月~1か月半ほどの間にハウスメーカーを決めるルールになっている場合が多いです。
8.住宅ローンの本申し込み
次章でも解説しますが、「土地決済(金消契約)」が契約後1ヶ月前後の設定になっていることが一般的です。
こちらもあまり時間がありませんので、土地の契約が終わったらすぐに手続きを進める流れにしましょう。
銀行の住宅ローン担当の方から聞いた話ですが、仮審査が通っていれば本審査も可能性として98%通りますが、残念ながら100%ではありません(銀行によってパーセントは異なります)。
万が一、本審査が通らなかった場合、早急に他の銀行を探すことになりますので早めに動きましょう。
また、銀行に提出する書類が多いことも段取りに入れておきましょう。
9.土地の決済、金消契約
いよいよ、土地引渡し前の最後の項目です。
土地決済・金消契約とは、登記上、所有権を売り主から買い主に移転する作業を行うこと指します。
また、決済には住宅ローンまたは現金で売り主に土地代を全て支払うことになります。
決済の際、不動産屋へ仲介手数料、登記費用、司法書士へ事務手数料、固定資産税の一部なども一緒に清算してしまいます
fa-arrow-circle-right新築後の固定資産税については下記ページで解説していますので、ぜひご参照下さい。
土地決済は不動産屋か銀行が手配した司法書士も一緒に呼んで行います。
その辺りの段取りは基本、仲介する不動産屋が対応してくれます。
買い主は仲介業者から連絡があった必要書類を全て用意して持っていけば大丈夫です。
なお、土地決済は銀行で行うため、平日で行う必要があります。
仕事を半日休まないといけない為、日程調整が結構めんどうです。
(場合によっては住宅展示場や不動産会社で行う場合もあります)
時間はおおよそ2時間前後で完了します。
この土地の決済・金消契約が完了したら引渡しとなり、ようやくあなたの所有となります。
10.まとめ
土地購入までの流れは把握できましたか?
特に、土地購入は契約までのスピーディな情報収集、段取りが最も重要です。
ぜひ良い土地に巡り合えるように、流れに沿って進めて下さいね。
fa-arrow-circle-right買ってはいけない土地に関して解説したページもあります。
最後までご愛読頂きまして有難うございました。