「住宅ローンを組む銀行を決めたいけど、どこの銀行を選べばいいのかさっぱり分からない」
「銀行の選び方として、金利が低ければ良いというわけでもなさそうだけど、そもそも何を基準に選べば良いの?」
私は住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナーの資格を持っていて、多くの方の住宅ローン相談を受けてきた私が銀行選びについて解説していきますので信ぴょう性は高いかなって思います。
本記事の内容はこちらです。
- 住宅ローンの銀行を決める4つの基準が分かる
- フラット35か民間銀行か、都市か地方銀行か、などの銀行別の特徴が分かる
- 最終的にどうやって住宅ローンの銀行を決めれば良いのか分かる
では早速解説していきます。
目次
1.銀行を決める上で比較する4つの要素
銀行の決め方として、比較するべき基準が4つあります。
- 金利
- 保障(団体信用生命保険)
- 保証料など諸経費
- 利便性
もちろん4つの中でも特に金利が低いことは重要ですが、それ以外にも比較すべき項目はあります。
その4つを比較しながら銀行を決めるべきです。
では、1つずつ簡単に解説していきます。
1-1.金利が一番重要だけど、金利だけが全てではない
銀行を決める上で、当然、金利が比較すべき最優先の項目です。
例えば4000万円を35年でローンを組んだとします。
0.1%金利が異なると35年間で利息は「約80万円」も違います(金利1.0%と1.1%と比較)。
そこまで金額差が大きいからこそ、住宅ローンを組む銀行を決める時は金利が低いことを最優先にすべきです。
ただ、これから解説しますが、利息以外の費用負担も銀行によって異なってきますし、何より団体信用生命保険(通称:団信)の保証の厚みも銀行によって異なってきます。
だからこそ金利の低さ以外の部分も含め、トータルで比較しながら銀行を選定していきましょう。
金利の低さを比較すると言っても、実際に適用される金利は事前審査を通すまでは分かりません。これについて本記事5章で詳しく解説しています
1-2.団体信用生命保険も比較対象
金利・利息の次に重要なポイントが団体信用生命保険(通称:団信)です。
団体信用生命保険とは住宅ローンの返済期間中に、借入名義の方が亡くなってしまったり、重い障害を抱えてしまった場合に備えて加入する保険のことです。
加入していれば、万が一の事態になった時に、例えば残債が2,000万円残っていたとしても保険会社が全額金融機関に支払ってくれます。
そして、この保険は民間銀行では加入が義務付けられていて、かつ銀行が負担しますので本人の負担はありません。
ただ、住宅金融支援機構のフラット35(固定金利)や一部のネット銀行などで団信は含まれていない場合もあります。
団信が含まれていない金融機関に決めた場合は、別費用で団信を組むか、現在加入されている生命保険を手厚くするなどが必要になります(リスク回避)。
■団信の目安 3,000万円借入 金利0.825% 約150~200万円(35年)
結構大きい額の負担が発生します。
フラット35は平成29年10月から団信付きの住宅ローンに変わりましたので、別費用を支払わず金利上乗せでの支払いが可能となっています。
銀行とは異なり強制加入では無く任意加入であることに変更はないため団信に加入しないようにもできます。その場合は金利▲0.2%となります。
また、銀行によっては同じ団信でも保障の厚みが異なってきます。
例えば、次のような団信の保証があります。
- 三大疾病保障
- 七大疾病保障(がん・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・高血圧疾患・肝疾患・腎疾患)
- 八大疾病保障(がん・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・高血圧疾患・肝疾患・腎疾患・慢性膵炎)
- 全疾病保障(上記八大疾病以外の全ての病気・ケガ。ただし、就業不能の場合に限る)
これらの保障があり、銀行によって保障内容が異なります。
また、銀行によっては、金利を上乗せすることでオプションとして追加保障を付与することも出来ます。
金利が低くても、保障が薄いなどのデメリットもあるので、総合的に判断しましょう。
もちろん団信は生命保険との兼ね合いがあるので、保障が厚ければ良い、というわけでもありません。
団信の保障は住宅ローンの返済が進めばだんだんと価値が減少していきますので、生命保険とのバランスをしっかりと検討しましょう。
1-3.保証料などの諸経費も比較しておこう
住宅ローンを組む銀行を決める上で、諸経費についても比較すべきです。
特に諸経費の中でも「保証料」は最も大きな費用負担です。
保証料は諸経費の一部に分類しない場合もありますが、本記事では便宜上、分類してあります
保証料は、住宅ローンを借入する場合に保証会社の保証を受けるために支払います。
支払いを受けた保証会社は、債務を連帯保証する立場となるので、万が一住宅ローンの支払いが出来なくなった場合は保証会社が代わって銀行に支払うわけです。
その後は保証会社に相談しながら住宅ローンは保証会社に支払っていきます。
ちなみに、保証料は借入額・借入期間・返済方法によっても変動します。保証会社がリスクが高いと判断した場合に、通常よりも高い保証料を求められるケースもありますので注意しましょう。
■保証料のポイント
- 住宅金融支援機構のフラット35や一部のネット銀行は保証料を支払う必要はありません。
- 民間銀行の保証料は一括で支払うことも、金利に上乗せして月々の住宅ローンと一緒に毎月支払うことも可能です。
- 保証料の目安 3,000万円借入 金利0.825% 約60~70万円(35年)
なお、保証料は銀行によっても金額が変わりますし、借りる側の職業や年齢などの属性によっても異なります。
fa-arrow-circle-right属性については、下記ページにまとめていますので、合わせてご参照下さい。
その他、住宅ローンの諸経費は、4種類あります。
- 融資手数料
- 印紙代
- 登記費用
- つなぎ融資(つなぎ融資が必要な場合のみ)
銀行によって費用が変動するのは融資手数料のみで、ほとんどが10万円以内で収まりますが、保証料が不要なネット銀行などはこの融資手数料が何十万と大きい場合もあります。
また、フラット35や一部の銀行ではつなぎ融資が必要なケースがありますが、つなぎ融資は数十万費用負担が大きくなります。
fa-arrow-circle-rightつなぎ融資に関しては下記ページにまとめていますので、ご存じない方はご参照下さい。
銀行を比較する際は、諸経費も念頭に入れておきましょう。
fa-arrow-circle-right住宅ローンを組む時に発生する諸費用についてまとめたページもあります。
なお、住宅ローンを組む時以外の費用として、繰上返済時の諸経費も発生することも覚えておきましょう。
この繰上返済時の費用も銀行によって異なります。
fa-arrow-circle-right住宅ローンの繰上返済の重要性に関しても一緒に覚えておきましょう。
1-4.銀行の利便性も重要な要素
最後のポイントとして、銀行の利便性についても比較していきましょう。
銀行を比較する上で、大きなウエイトを占めるわけではありませんが、金利や保障が同条件ならば利便性が高い銀行を選ぶべきです。
利便性は以下の内容を比較すると良いでしょう。
- 不明なことがあったり、緊急時の相談し易い銀行かどうか。
ネット銀行は多少不利になる傾向にあります。 - 支店やATMの数が多く、近所にあるかどうか。地方銀行は多少不利になる傾向にあります。
- 繰上返済は手数料も含め、やり易い銀行かどうか。
特に気軽に相談し易い銀行かどうかは重要だと思います。
銀行に行った時の銀行マンの対応もしっかり見て比較できるようにしておきましょう。
2.銀行を決める上で失敗しないための3つのポイント
住宅ローンを組む銀行を決める上で、重要な注意点が2つあります。
これは住宅ローンの組み方で失敗、後悔しない為のポイントですので、よく読んで頂き、十分に注意しましょう。
では1つずつ解説していきます。
2-1.銀行によって得意ジャンルが異なるから、返済計画を先に行うべき
銀行を選定する前に、「返済計画」を立てるべきです。
返済計画とは、例えば以下のような計画を言います。
「現状、子供が2歳だから、学費が大きくなるのは15~16年後。私立の高校に入るとしたら12~13年後くらい。
だから、最初の8~9年間は繰上返済に年間60万円ほど回す。9年後から繰上返済をやめて学資保険以外に学費貯金を年間50万円ほど行う。
そう考えると、変動金利が適切になってくる」
つまり、返済計画によって、変動金利なのか、全期間固定金利なのか、固定金利期間選択型なのか、適切な住宅ローンが変わってきます。
fa-arrow-circle-rightどの金利タイプを選択すれば良いのかは、下記ページにまとめていますので、ぜひご参照下さい。
また、銀行によって、例えば変動金利が得意な銀行もあれば(金利を下げられる)、固定金利が得意な銀行もあります。
その他、自営業に得意な銀行だったり、融資額を伸ばし易い銀行だったり、色んな特徴があります。
つまり、返済計画を立ててどんな住宅ローンを組むかを検討してから銀行を探す必要がある、ということです。
2-2.住宅営業マンや銀行マンに注意する
注文住宅で住宅ローンを組む銀行を決めるタイミングは、多くの場合、土地や建築会社との契約前後になると思います。
特に、契約前の事前審査の段階か、着工前の本審査の段階かで検討することになるでしょう。
このタイミングはほとんどの方が非常に忙しく、若干住宅営業マンや銀行マンの助言通りに動く(悪く言い方を変えると「言いなり」になっている)方が多いです。
しかし、ここに住宅ローンを失敗するリスクが発生してきますので、特に次のような場合に注意すべきです。
- ハウスメーカーと提携した銀行をやたらと勧めてくる住宅営業マン
これは大手のハウスメーカーでよくあることですが、ハウスメーカーと提携した銀行を勧められることがあります。
金利が優遇されるなどの特典があるケースが多いですが、住宅営業マンにインセンティブが入ったり、会社の指示で勧めている場合があります。
1章で解説した通り、その他の保障や諸経費などもしっかりと比較しましょう。 - とにかく事前審査をさせたがる住宅営業マンや銀行マン
特に資金計画や返済計画の話しも無しに事前審査をさせたがる住宅営業マンや銀行マンがいます。
これは、お客様が実際に借入できる人物なのかを早急に判断したいためです。
確かにローンが組めないと計画を進めても意味がないので先に結果を知りたいのは分かります。
ですが、審査が通りやすいフラット35などで、とりあえずの事前審査を出そうとする営業マンはお客様のことを考えていない場合があります。
事前審査の段階で、丁寧な説明や選択肢を提供してくれる住宅営業マンや銀行マンならば安心ですが、上記のような場合はなるべく自身で銀行を探すようにしましょう。
3.住宅ローンを組む銀行の種類と特徴
住宅ローンを組む銀行・機関の種類を大別すると、まず「フラット35」の住宅金融支援機構か、一般の「民間銀行」かに分かれます。
また、民間銀行を大別すると、「都市銀行」「地方銀行」「ネット銀行」に分かれてきます。
本章ではそれらのタイプ別の特徴を簡単に解説していきます。
厳密には住宅ローンには、自治体などの公的機関から借りる「財形住宅融資」や「自治体融資」などもありますが、一般的ではないので割愛します。
3-1.フラット35か民間銀行にすべきか?
まず、フラット35の特徴を列記します。
- 全期間固定金利である
- 審査が通りやすく、借入額が伸びる傾向にある
- 団信は強制加入ではないので、別途費用が必要
(平成29年10月より金利上乗せでの加入も可能になっています) - つなぎ融資の費用が別に発生する
- 保証料が不要
特に特徴的なのは、審査が通りやすい部分です。
また、団信が別費用になるので、団信が必要な場合は費用負担が大きくなる特徴があります。
続いて民間銀行の特徴です。
- 金利タイプは自由に選べる(銀行による)
- 審査は厳しい傾向になる
- 団信は強制加入なので、別途費用は不要
- 保証料が必要
- つなぎ融資が不要な銀行もある
結論を言えば、団信加入を前提とするなら、費用が軽減される「民間銀行」から探すと良いでしょう。
民間銀行で審査が下りない、融資額が伸びない場合にフラット35を試す、という流れが最適です。
団信加入しない場合で全期間固定にするのであれば、フラット35を民間銀行と合わせて比較・検討すれば良いと思います。
3-2.都市銀行・地方銀行・ネット銀行、どれにすべきか?
続いて、民間銀行の場合、都市銀行か、地方銀行か、ネット銀行、どれにすべきかを簡単に解説します。
当然、都市でも地方でもネットでも、銀行によって得意分野や条件などが大きく変わってきますが、以下のように傾向は分かれてきます。
- 都市銀行とネット銀行は比較的審査が厳しく、地方銀行は緩い。
- 地方銀行とネット銀行は金利が低くなる傾向にある。
- ネット銀行は手続きがめんどうだったり、手続き間の時間が掛かる傾向にある。
- ネット銀行は金利がかなり低いが、つなぎ融資などの費用が発生する傾向にある。
- 都市銀行は最も安心感が高い。
結論としては、以下の通りです。
- 安心感を求めるなら都市銀行。
- 金利の低さを求めるなら地方銀行かネット銀行。
- 属性があまり良くないなど借入額を伸ばしたい場合は地方銀行。
- ローン知識が比較的あり手続きがめんどうでも良い場合はネット銀行。
上記のように大別して考えると良いと思います。
4.住宅ローンを組む上で銀行を比較するのは難しい
3章まで読み進めて頂くと、おおよそご自身に合った銀行が見えてくると思います。
ですが、1つの銀行を絞るために「金利」や「保証料」を比較するのはとても難しいと言えます。
それは銀行で事前審査を通さないと適用される「銀行」や「保証料」が分からないからです。
例えば、変動金利0.6%と告知されている銀行に事前審査を出したとします。
職業や年齢などの属性、それに借入額によっては金利が0.65%という結果になるかもしれません。
場合によっては保証料が通常0.2%上乗せのところ、あなたは0.3%になります、と言われる可能性だってあります。
だから、銀行を比較するためには、事前審査を出さないといけません。
5.銀行の決め方は事前審査を複数提出しないと比較できない
最終的に銀行を決める上で、金利や保証料を比較するためには「事前審査」に出すのが基本です。
ただ「じゃあ、事前審査を色んな銀行に出すしかない!」と考えても、銀行の窓口に行ったり、その分の書類を全部揃えないといけません。
もちろん、書類の多数の項目に記入したりなど、かなりめんどうです。
ネット銀行の場合は結果が出るまでかなり時間が掛かる場合もあります。
そんな中、しっかりと複数の銀行に事前審査を出してから比較していくのは非常に大変だと思います。
ではどうすれば良いのでしょう?
ここで、近年、住宅業界や銀行業界でも話題になっているサービスが生まれたので、それを使うのが最も理想的です。
5-1.住宅ローン一括仮審査申し込みを使って銀行を比較する
住宅ローンを組む銀行を決める上で現状もっとも使えるサービスが、「住宅本舗」が提供している「事前審査一括申し込み」です。最大6社までの銀行に事前審査を一括で申し込みできて、しかも「無料」です。
複数の金融機関へ住宅ローン仮審査をする場合、各社毎の申し込みが必要となり通常1社1時間ほどの入力時間がかかります(ネットバンクの場合)。
しかし、住宅本舗の特許取得済みの住宅ローン仮審査一括代行申し込みサービス(無料)を利用すれば、必要情報を1度入力するだけで、複数の金融機関へ住宅ローン仮審査を申し込むことが可能になります。
仮審査結果を元に様々な金融機関の金利・条件を比較し、ピッタリなローンを見つけられるのです。
それに、このサービスには様々なメリットがあります。
- インターネットで簡単に1回の入力で済む(来店不要)
- 金利、保証料、保障内容、諸経費など、審査が通った銀行で比較できる
- 都市銀行、地方銀行、ネット銀行、全60社から審査に出す銀行を6社選べる
- 複数の銀行から、自分たちにもっとも最適な銀行を選ぶことができる
住宅ローン一括審査【住宅本舗】はサービス開始にあたり住宅ローンなどの金融商品を管轄する省庁に対し、綿密な確認をしています。
関係省庁、提携している金融機関からのお墨付きをいただいた唯一のサービスだからこそ、数多くのユーザーが利用しています。
一度の入力で複数金融機関へ住宅ローン審査申込をぜひ利用してみましょう。
でも上記サービスを利用する上で、下記のような不安もあると思います。
■複数の銀行に申し込んで審査に悪影響が無いの?
実はこれも住宅本舗のメリットになるのですが、普通にたくさんの銀行に事前審査を出すと、個人信用に傷がついて審査に不利になると言われています。
ですが、住宅本舗の場合は予め金融機関に承認を得て行っていますので、まったく問題ありません。
■土地や建築会社と契約する前でも問題ない?
これも全く問題ありません。どちらかと言うと、資金計画を立てる上でも早めに事前審査を行っておくのが理想です。
6.まとめ
住宅ローンを組む上での銀行の決め方はお分かりになりましたか?
本記事のまとめポイントは以下の通りです。
- 金利以外の、団信の保証・諸経費・使い勝手などを加味して判断する。
- 必ず返済計画を立ててから、銀行の得意・不得意の情報を集めて判断する。
- 住宅ローン審査一括サービスなどを駆使しして銀行を探す。
最後までご愛読頂き、有難うございました。