「二世帯住宅の建物価格や相場ってどれくらいなの?」
「単世帯と二世帯住宅を比較すると【工事費】や【諸経費】はどう違うの?」
そんな疑問にお答えします。
今回は二世帯住宅を検討している人向けに、どれくらいの価格・費用で家が建つのかを解説していきます。
本記事の内容はこちらです。
- 工事費や諸経費も含めた二世帯住宅の価格相場が分かる
- 二世帯住宅は単世帯と比較して増える費用の項目が分かる
では早速解説していきます。
目次
1.二世帯住宅の価格目安
最初に二世帯住宅の価格目安を解説していきます。
単世帯と比較すると次のような数字が一般的です。
- 二世帯住宅の価格は単世帯と比較して【1.5~1.8倍】が相場
注文住宅における単世帯の総予算(建物+諸経費)は、2,500万円~3,500万円ほどが一般的です。
そうすると二世帯住宅の価格目安は約3,750万円~6,300万円の間におさまってくると思います。
親世帯と子世帯で負担を半分と仮定して単純計算すると1,900万円~3,150万円。差し引きすると▲600万円~▲350万円ほど負担が軽くなります。
パーセンテージで換算すると二世帯住宅における一世帯の費用負担は【単世帯の75~90%】です。
上記数字だけを見ると、「思ったより負担が軽くならない」と思われる方がいるかもしれません。
しかし、この数字はあくまでも「建物価格」のみの話です。
二世帯住宅は土地費用の負担が軽くなることも決して忘れてはいけません。両親がすでに所有している土地をそのまま有効活用すれば、実質発生する土地費用はなくなります。
両世帯で一緒に少し広めの土地を買ったとしても、単世帯で土地を買うよりも費用負担は【60~70%】におさまるでしょう。
※二世帯住宅を検討するのに、費用のメリットだけに注目せずデメリットもしっかりと確認しておきましょう。
fa-arrow-circle-right二世帯住宅で失敗・トラブルを防止するためのページもあります。
2.二世帯住宅の価格を解説する上での前提
次章から具体的に二世帯住宅の価格を分解して解説していきますが、本章では解説する上での「前提」を2つ提示しておきます。
■1. 本記事が対象とする二世帯住宅の種類
二世帯住宅は大きく分けると全部で3つあります。
- 完全分離型(左右・上下階での分離)
- 一部融合型(玄関・キッチン・ユニットバスなど、一部の設備を共有)
- 同居型
本記事では、主にこの中で「上下階分離型」「一部融合型」の価格についてを解説していきます。
同居型は単世帯を少し大きくするくらいで工事費・諸経費が上昇することがないからです。
また、左右の完全分離型についても、やや小型の単世帯を2つ建てるわけですので工事費・諸経費は2倍弱という計算ができるからです。
■2. 本記事が対象としている二世帯住宅の諸経費
注文住宅の「諸経費」は曖昧で、使う人によって範囲がやや異なります。
また、各個人の趣味嗜好や土地の状況など、様々な要因で変わってきます。
本記事に記載する「諸経費」の範囲と費用の目安は、下記ページに記載してある内容に準じますので、諸経費のイメージが湧かない方はあらかじめご覧ください。
3.二世帯住宅によって価格が大きくなる4つの項目
二世帯住宅にした場合、単世帯と比較して、どんな価格・費用が増えるのかを解説していきます。
増加する価格・費用を区分けすると以下の4つです。
- 建物が大きくなることでの価格上昇
- 二世帯住宅に必要な設備
- 二世帯住宅だから上がる工事費用
- 二世帯住宅だから上がる諸経費
1つずつ解説していきます。
3-1.二世帯住宅の建物の大きさの平均とは?
二世帯住宅の建物の大きさの平均と価格について解説します。
二世帯住宅の建物サイズの平均は、
一部融合型:40~50坪(125~157㎡)
上下階完全分離型:50~60坪(157~188㎡)
となります。
半分の単世帯で換算すると
一部融合型:20~25坪(62~78㎡)
上下階完全分離型:25~30坪(78~94㎡)
となります。
一部融合型はマンションの平均と同じくらい、完全分離だと少し広めのマンションといった具体です。
なお、単世帯は約30~35坪が平均サイズです。
続いて二世帯と単世帯の建物価格を比較していきます。
単世帯住宅の坪単価の平均はおおよそ50万円前後と言われています。
fa-arrow-circle-right坪単価については下記ページをご参照下さい。
坪単価50万円、広さ30~35坪を平均と考えた場合、単世帯住宅の平均的な建物価格は【1,500万円~1,750万円】となるわけです。
上記の数字を参照して二世帯住宅の建物価格の平均を計算したいのですが、単純に「坪単価×二世帯住宅の広さ」で計算はできません。多くの建築会社では建物が広くなればなるほど坪単価が下がるからです。
広くなるにつれて坪単価が下がることを考慮して、二世帯住宅の建物価格の平均はこれくらいになるのではないでしょうか。
- 一部融合型:1,950~2,400万円
- 上下階完全分離型:2,400~2,800万円
※単世帯住宅の1.3~1.6倍の建物価格になる計算です。
上記建物価格の目安は「本体価格」「標準仕様」と呼ばれるもので、住宅に必要不可欠な「柱や壁などの骨組み・窓・フローリング・建具・クロスなど、また、キッチン・トイレ・洗面台・給湯器など」それらを全て含まれています。
3-2.二世帯住宅で増える「設備」とその価格とは?
続いて二世帯住宅の設備について解説していきます。
二世帯住宅は家族が2組同居しますので、同じ建物の中に2つ以上必要な設備があります。
例えば以下のような水回り設備です。
- キッチン
- ユニットバス
- 洗面台
- トイレ
- 洗濯機パン(置き場)
- エコキュート(給湯器)
その他水回り以外の設備です。
- 玄関+土間+シューズクローゼット
- ウォークインクローゼット(建物価格に含まれる可能性あり)
- 追加の階段(建物価格に含まれる可能性あり)
「上下階完全分離型」の二世帯住宅の場合は、上記の設備が全て2つ以上が必要です。
また、上記のどれかを親世帯と子世帯で共有すれば、「一部融合型」となり、価格が下がっていくことになります。
- 設備料金の増加額:150~250万円
(各設備1つずつは本体価格に含まれており、追加の設備料金の平均額)
【二世帯住宅の失敗・トラブル集】何を話し合えば対策になるのかに記載してありますが、上下階分離型の二世帯住宅の場合、1階と2階の間の防音対策をすることを強く推奨します。
設備料金は50万円前後ふえるかもしれませんが、そこは削らずに予算計画を建てるべきです。
3-3.二世帯住宅で増える「工事」とその価格とは?
続いて、二世帯住宅によって増加する工事価格について解説していきます。
二世帯住宅によって増加する工事は次のようなものがあります。
- 解体工事
(所有している土地で建替の場合) - 給水・排水管の延長工事
(2階にユニットバスを設置する場合) - 水道メーター追加工事
(親世帯と子世帯で水道料金を個別にする場合) - 水道給水管の口径工事
(既存の給水管の太さでは供給量が足りない場合) - 建物の大きさに比例する基本的な工事費用
工事費はその土地の状況や建物の大きさ、「完全分離型」か「一部融合型」によっても大きく変わります。
ですので、一概に平均値を出しても参考にはなりません。
ただ、完全分離型の場合は、少なくとも350~450万円以上(解体は除く)の工事費を覚悟した方が良いでしょう(単世帯の工事費は250~350万円が平均)。
3-4.二世帯住宅で増える「諸経費」とその価格とは?
続いて、二世帯住宅によって増える「諸経費」について解説していきます。
増加する可能性が高い諸経費は以下の通りです。
- 住宅ローン諸経費
(ローン額が増えると比例して増加) - 仮住まい費用
(建替の場合) - カーテン、照明器具
- 引っ越し費用
- 空調費用
- 外構費用
これも工事費同様に、いろいろな条件によって価格に変動があると思います。
単世帯の諸経費の平均は200~300万円ほどです(外構や地盤完了工事も含める)(仮住まいは含めない)。
対して、二世帯住宅の場合は少なくても250~350万円以上は見積もっておくべきです。
4.単世帯と比較した時の二世帯住宅の価格相場は?
最終章では、3章で記載した4つのポイントをまとめた上で、「二世帯住宅の価格がどれくらいになるのか」、その平均額を解説していきます。
平均額は「一部融合型」と「上下階の完全分離型」とそれぞれ分けて解説します。
fa-arrow-circle-rightなお、二世帯住宅を安く購入する方法も下記ページにまとめていますのでご参照下さい。
4-1.一部融合型の価格相場
一部融合型の価格相場をまとめていきます。
建物本体・設備・工事費・諸経費の平均額は以下の通りです。
- 建物本体:1,950~2,400万円
- 設備追加分:50~150万円
- 工事費:300~400万円
- 諸経費:250~350万円
また、人それぞれ金額が大きく異なりますが、オプション料金が追加されます。
オプション料金は仮に200万円と設定します。
これらを合計すると次のような金額が算出できます。
住宅ローンで換算すると月々7.4万円~9.5万円となります。
(借入期間:35年、金利0.8%で計算)
4-2.上下階の完全分離の価格相場
上下階の完全分離型の価格相場をまとめていきます。
建物本体・設備・工事費・諸経費の平均額は以下の通りです。
- 建物本体:2,400~2,800万円
- 設備追加分:150~250万円
- 工事費:350~450万円
- 諸経費:250~350万円
オプション料金は仮に250万円と設定します。
これらを合計すると次のような金額が算出できます。
住宅ローンで換算すると月々8.7万円~10.6万円となります。
(借入期間:35年、金利0.8%で計算)
5.まとめ
二世帯住宅の価格の平均額は把握できたと思います。
ただ、二世帯住宅の価格は、建築会社、建物の広さ、土地の状況、個人の趣味嗜好など、様々な要因で大きく変わります。
本記事で記載した価格はあくまでも「目安」と捉えてもらい、各建築会社の見積りと比較し、検討する上での判断材料にして頂けたら幸いです。
下記サイトで、二世帯住宅を得意としているハウスメーカーや工務店の住宅カタログを一括で取り寄せることができるのでぜひ利用してみて下さい。
不動産で有名だと思いますがHOME'Sで住宅カタログを徹底比較<無料>というサービスです。
インターネットで地域と条件を入力するだけで、各建築会社のカタログを一括で請求できます。
入力時間は3分も掛からないと思います。
LIFULL HOME'S 注文住宅のページにある下記画像の「二世帯住宅」をクリックして、移動したページで建築予定地を入力するだけです。
選んだエリアの二世帯住宅が得意な建築会社の一覧が出てきますので、資料が不要な建築会社のチェックを外して「一括請求(無料)」ボタンを押すだけです。
それに、HOME'Sで住宅カタログを徹底比較<無料>をご紹介するのは、多数のメリットがあるからです。
- 無料で簡単に複数社の住宅カタログを一括請求ができる
- 各メーカーのおおよその価格が分かる
- ネットで3分入力するだけで完了する
- 実績のある安心・安全の優良住宅メーカーが豊富
- 月々支払額・世帯人数・建築予定地をいれると条件にあった住宅メーカーが見つかる
こういったサービスをうまく利用して、しっかり情報を集めていきましょう。
最後までご愛読頂きましてありがとうございます。