「注文住宅を検討しているけど、一体どんな土地を選べばいいのか、逆にどんな土地を選んではいけないのか知りたい」
「色々調べていると、選んじゃいけない土地とか土地を選ぶ時の注意点がたくさんあり過ぎてよく分からなくなる。結局どんな土地にすべきなの?」
そんな疑問にお答えします。
注文住宅の場合、建物・土地、両方の知識を取り入れながら家族に合った建築会社や土地を探し出さなくてはいけないので、膨大な労力が必要になります。
もちろん大きな買い物である以上、失敗は許されません。
そこで今回は「失敗しないための土地の選び方」について解説していきます。
しかし、ネットで土地探しについて調べていると法律のことも含め「買ってはいけない土地」「気を付けるべき土地」の項目が多すぎて混乱してしまう方もいると思います。
それに仕事が忙しくて時間が無い方が多く、覚えるのも一苦労です。
ですが、実は土地を探す施主にとって
- 覚える必要のない情報
- 気を付けるべき必要のない情報
がたくさん含まれています。
本記事では「ここだけは把握しておくべき」というポイントに絞り、土地の選び方について解説します。
本記事の内容はこちらです。
- 本当は気にする必要はない土地の選び方
- 土地を選ぶ前に本当に注意すべきこと
- 土地を選ぶ時の内見のポイント
では早速解説していきます。
1.土地を選ぶ前の前提条件
土地の選び方を解説する上で、前提条件が2つあります。
この前提条件に当てはまらない場合は、本記事の内容は無縁となりますのでご注意下さい。
- 土地探しを不動産業者などの仲介業者に依頼することが前提
- 土地を契約する前にハウスメーカーや工務店などの建築会社に土地を確認してもらい、工事費用の見積りを出してもらうことが前提
■土地探しを不動産業者などの仲介業者に依頼することが前提
仲介業者に依頼しない方は限りなく少ないと思います。
宅地建物取引士の資格を持っている、または持っている知り合いがいるなど、本業の方が身近にいる場合に限られます。
本記事は仲介業者に土地探しを依頼した場合を前提とした内容となっています(ほとんどの方が該当しますが)。
■土地を契約する前にハウスメーカーや工務店などの建築会社に、土地を確認してもらい、工事費用の見積りを出してもらうことが前提
2つ目は土地専門の不動産会社から紹介してもらった土地を、即決せずに建築会社に確認してもらうことが前提となります。
個人で土地の良し悪しや法律を把握することは非常に難しいため、専門家の不動産や建築会社に確認してもらうことを推奨しています。
専門家に確認してもらえば、土地の良し悪しや法律を全て覚えなくても問題なくなりますよね。
そういった意味も含め本記事の内容はあくまでも建築会社に土地を確認してもらうことを前提としていますのでご注意下さい。
fa-arrow-circle-right建築会社に土地を確認してもらうなど、土地の探し方をまとめたページもあります。
2.本当は気にする必要はない土地の選び方
本章では、他のサイトなどでよく記載してある土地の選び方で、本当は気にする必要がない(覚える必要が無い)ことを解説していきます。
前章で解説していますが、あくまでも土地を契約する前に建築会社に確認してもらうことが前提です。
2-1.用途地域などの土地の法律を細かく覚える必要はない
土地には「用途地域」という建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールがあります。
これは各地域によって異なります。
「用途地域」は第1種低層地域やら第2種住居地域など全部で12種類あります。
この用途地域の一部には住居を建てることが出来ない土地もありますが、わざわざ全部の用途地域を覚える必要はありません。
理由は簡単です。
- 住居が建てられない土地は当然不動産屋は紹介しないし、スーモやアットホームなどのインターネットでも探しても土地情報に「住居用」と書いてある
- 家を建てる前には必ず建築確認申請を検査機関に提出する。
ここで申請が通らないと建築会社側も損害となるので、土地の法律は当たり前にチェックしている
建築会社に土地を確認してもらったり見積りを出してもらっていれば、土地購入後に法律に引っ掛かり、家が建てられなくなるという心配はまずありません。
土地にはその他、北側斜線規制、道路斜線規制などの細かい法律もありますが、いちいち試験勉強のように覚えなくても、建築会社側で法律をクリアできるように間取りや配置を検討しますので、いちいち覚える必要はないでしょう。
不動産屋や建築会社の営業マンや設計士と打ち合わせしていれば、自然と覚えていきます。
土地の建ぺい率・容積率という法律についてはある程度把握しておきましょう。これは3-1章にて解説しています。
2-2.ハザードマップを気にし過ぎない
国土交通省のサイトで「ハザードマップ」というものが見られます。
このサイトは各地域別の洪水・土砂災害・津波のリスク情報が確認できます。
土地探しをしているととても気になる情報ですよね。
このマップだけを見ていると、洪水や土砂災害、津波など色がついている地域(リスクがある地域)の土地は絶対に買いたくないと思ってしまう方も多いでしょう。
確かにこの情報は安全性を確認する上で重要なものです。
しかし、ハザードマップを必要以上に意識し過ぎないように注意しましょう。
というのも、各地域のハザードマップの情報をよく読んでみると、
例えば
- 1,000年に1度の大雨が降った場合の浸水予想
- 数十年から百数十年に1度の津波
と記載してあります。
つまり、このハザードマップのリスクデータの被害確率がとてつもなく低く、それを知らない方が結構います。
実際に土地の相場を見ても、ハザードマップのリスクが高いところが安い、というわけでもありません。
マップを参考にするのは良いですが、あまり意識し過ぎず、しっかりと災害の準備をしたり補償が充実した火災保険に加入するなどの対応をしましょう。
fa-arrow-circle-right事前に備えておくべき災害グッズに関してまとめたページもあります。
2-3.日当りを気にする必要がない時代
土地の日当りの良さは強い人気があります。
日当りが良い土地や南向きの土地(南道路)は、そうでない土地と比較しても100~200万円ほどの金額差が出ます。
実際に私が対応させて頂いたお客様でも、
- 今住んでいるアパートの日当りが悪くて室内がいつもジメジメ、体調が悪くなった40年前に買った土地・建物の日当りが悪くて部屋がいつも暗いし、洗濯物が乾かなくて嫌
という日当りに関しての不満が多く、絶対に日当りが良い土地にしたい! と言われていました。
しかし、現在の注文住宅での土地選びではそこまで日当りを気にしなくても良い時代になってきたと言えます。
例えば、現在の換気は第1種換気が主流になってきて、かつ気密性が高いことで換気力が相当にアップしていますので、日当りが悪かろうが室内がジメジメすることはほぼありません。
室内干しにしてもしっかり洗濯物が乾くでしょう。
fa-arrow-circle-right換気についてまとめたページもあります。
暗いという問題も、例えば吹き抜けで2階に窓を付けたり天窓を設置するなど、間取りの工夫である程度は解消できます。
建物周辺の外構部分が暗い問題は、例えばコンクリートや砂利にしてしまって屋上やテラスを設置するのも良いでしょう(近年では屋上テラスの設置費用も以前に比べて下がってきています)。
当然、日当りが悪くて冬寒いという問題も、断熱・気密性がアップしてきているのでさほど気にする必要はありません。
逆に日当りが悪くて「土地価格が安い」「夏の西日が気にならなくなる」などのメリットもあります。
土地選びの際は日当りの良さは気にせず選ぶ時代になっていると言えるでしょう。
2-4.周りの騒音が気にならない住宅性能
接道している道路の交通量、近くに小学校があるなど、周りの音や騒音を気にする方も多いと思います。
2-3章で解説した住宅性能が上がっていることに触れましたが、騒音に関しても同様に現在の住宅の気密性能が上がっていることで高い防音力となっています。
外部の音はかなり聞こえなくなっています。
実際に私が勤務していたハウスメーカーは100m先の電車の音が全く聞こないほど静かでした(防音施工はしていない)。
もちろん気密性が低い建築会社を選べば別ですが、10年以上前の住宅に比べると格段に進歩していますので周りの騒音に関してはさほど気にする必要はありません。
3.土地を選ぶ前に本当に注意すべきこと
2章にて、土地の選び方で気にする必要がない部分を解説してきました。
本章では逆に、土地選びで本当に気にするべきこと、注意すべきことをまとめました。
なお、立地についてはいちいち解説しなくても誰もが強く意識する部分ですので、本記事では割愛しています。
3-1.土地の広さ・建ぺい・容積率から、建物の要望とマッチしているか
土地の選び方の中で、土地の広さが適切かどうかはかなり優先順位が高いです。
特に家族の建物(間取り)、エクステリア(外構)の要望がうまく収まるかどうか、逆に土地が余り過ぎないかどうか、というポイントが重要になってきます。
fa-arrow-circle-right土地の最適な広さについてまとめたページもあります。
また、広さのポイントとなる土地の法律、「建ぺい率」「容積率」はしっかりと把握しておきましょう。
■建ぺい率
簡単に言えば、土地の敷地面積に対し、建物を建設して良いとされる面積のことです。
例えば土地が40坪で、建ぺい率が50%の土地ならば、20坪までの範囲で建物を建てて良いことになります。
■容積率
土地の敷地面積に対し、建設して良いとされる建物の延床面積、つまり容積の割合を指します。
例えば土地が40坪で、容積率が150%の土地ならば、延床面積60坪までの建物を建てて良いことになります。
建ぺい・容積率は掘り下げるともっと細かいルールがあります。
例えば建ぺい率は水平投影面積で計算するとか、ある条件が満たされると緩和措置があるなど色々がありますが、全て覚える必要はありません。
大事なことは、建ぺい率や容積率を加味しつつ自分たちの要望がその土地で実現できるのか、また余り過ぎはしないかをしっかりと検討しましょう。
詳しくは【土地の最適な広さは?】最低限必要な広さ+ゆとりで分かる!をご参照下さい。
3-2.擁壁が高い場所は地盤補強が必要な可能性大
都心部に近い地域で、かつ勾配がある地域では擁壁に囲まれた土地が販売されています。
高台になるので見晴らしが良く、2階テラスや屋上リビングなどを設置すればとても素敵な家になるでしょう。
外構でしっかりとフェンスで囲えば安全面も問題ないでしょう。
しかし問題は地盤補強です。
勾配がある地域での造成は土地を盛っていることも多く(盛土)地盤が緩いことがあります。
さらに、地盤補強の杭が深くまで入らない場所があることで強い支えが必要となり、大きな費用が発生してしまうことがあります。
擁壁は通常L字型になっていて高さ3mの擁壁は3m近くのコンクリートが地面に埋まっているからです。
私の経験では4m擁壁で210万円(税込)の地盤補強費が発生した方もいました(延床面積32坪の建物)。
高い擁壁に囲まれた土地は絶対に止めた方が良いというわけではありませんが、地盤補強費を多めに見ておくことが重要です。
3-3.道路より低い土地
続いて、選ぶ時に注意すべき土地は「道路よりも低い土地」です。
土地の高さが道路とフラット、もしくは▲10~20㎝以内であれば大きな問題はありません(GL設定を高くしても大きな費用は掛からない)。
fa-arrow-circle-rightGL設定に関しては下記ページの1-4章で解説しています。
しかし、それ以上低い場合は注意しましょう。
まず、GLを高くするとおそらく隣地よりも高くなる可能性が高く、ブロック擁壁など土留め工事で費用が大きくなってしまいます。
逆にGLを低い設定にしてしまえば、水が溜まりやすい土地になります。
排水に関しても道路の排水管へ送る際、ポンプが必要になるため、結局工事がアップしてしまいます。
立地的に選択肢がない場合は仕方がありませんが、道路より低い土地は避けるようにしましょう。
3-4.相場より安い土地には必ず理由がある
曖昧な表現になりますが相場より安い土地には必ず理由があります。
事故物件とかそういう理由では無く、何かしら工事費用がアップする要因などが隠れている場合がほとんどです。
- 3-3章のように高低差があって排水工事に費用が発生
- 土留め工事が必要な土地
- 電線が本線より簡単に引っ張ってこれず施主負担で小型の電柱を購入しなくてはいけない
- 北側斜線規制、道路斜線規制などの法規制が厳しく、かなり小さな家しか建てらない
ずっと売れ残っている土地がどんどん安くなる土地は誰もが理由に気が付きますが、
販売されたばかりの土地で割安な土地の問題には気付きにくいものです。
また、土地不動産会社の営業マンは「売主が売却を急いでいまして」と適当なことを言って理由を誤魔化すこともあるため(本当の場合もあります)、必ず建築会社に依頼を掛けてダブルチェックを行いましょう。
3-5.今の時代、近隣のことが一番重要
現代での住宅購入後のトラブルで大きいのは「近隣トラブル」です。
3人に1人が近隣トラブルの経験があるというアンケート
特に住宅購入後のトラブルは賃貸と違い
致命傷になりかねない営業マンはお客様が不安にならないように楽観的なことしか言えないけど
トラブル時の対処や相談場所くらいは話せるようにしておく必要がありますねhttps://t.co/cvVpAeHX8Y— あずた@元住宅営業トップセラー (@todo4x) 2019年3月6日
上記Twitterにてコメントしましたが、3人に1人の割合でトラブルの経験があるそうです。
つまり土地の良し悪しも大事ですが、近隣の動向を調べることが何より重要な時代と言えます。
近隣を入念にチェックしてくれる不動産仲介業者なのかをしっかり確認して依頼を掛けていきましょう。
また、隣地の庭の手入れが行き届いているかもチェックしておくと良いでしょう。
これは私の経験でもありますが、やはり庭が放置されて汚い場合、素行に問題がある人が多くトラブルに合う確率が上がるはずです。
3-6.不動産屋をうまく使う
土地選びは不動産屋選びとも言えます。
良い不動産屋であれば良い土地と巡り合う可能性は高くなるはずです。
ですが、建築会社も同時に探さないといけないため、時間も無いですし大変ですよね。
だからこそ、効率よく仲介業者を探したり、選んでいく必要があります。
そんな時は下記の方法が一番のおススメです。
【タウンライフ不動産】というサービスを使うのが良いでしょう。
インターネットで土地の条件を入力するだけで、地元の不動産から物件情報をもらえます。
希望の条件と連絡先の入力のたった5分で物件情報がもらえます。
それに、タウンライフ不動産をご紹介するのは、多数のメリットがあるからです。
- 土地の非公開物件まで紹介してくれる
- 全て完全に無料
- ネットで5分入力するだけで完了。複数の不動産会社に一括依頼できる
- 土地だけでなく、戸建てやマンションの情報まで一緒に依頼できる
- 登録されている不動産会社は厳選な審査をクリアしているから安心できる
- 情報はメールや郵送などが選べて、新着情報が随時送られてくる
紹介する以上心配なのでネットで口コミを調べてみましたが、いきなりたくさんの電話が掛かってくることや、しつこい営業されるなどの心配もありません。
情報収集は早いに越したことはありませんので、ぜひ利用してみて下さい。
上記サービスを使えば、地域にもよりますが、複数の不動産会社から情報を送ってもらえると思います。
その中で有益な情報を送ってくれる不動産会社の担当と会って、さらに詳しい情報を聞くのも良いでしょう。
それに、複数の不動産会社と接していけば、候補の土地の値下げ交渉が可能かも見えてくるはずです。
fa-arrow-circle-right土地の値引き交渉に関してご興味ある方は下記ページもご参照下さい。
ぜひ活用してみて下さい。
4.土地を選ぶ時の内見のポイント3点
本章では実際に土地を選ぶ際の内見のポイントを3つご紹介します。
注意点・ポイントは挙げればたくさんありますが、中でも厳選したものだけを解説していきます。
4-1.建築会社の人に同行してもらおう
【土地の探し方のコツ】誰をどう使えば土地探しに失敗しないのか? にも記載していますが、
土地の内見には建築会社の営業マンに同行してもらいましょう。
スケジュール的に調整が難しいので、すべての内見に来てもらうのは難しいかもしれませんが、購入意欲が高い土地だけでも来てもらいましょう。
不動産仲介業者の人も慣れているので嫌がる人も少ないと思います。
自身で土地のことを勉強するくらいなら、建物のプロに土地を見てもらう方が大きなプラスになるのは説明する必要がないですよね。
4-2.ゴミ捨て場を見よう
続いてのポイントです。
これは有名な話なので知っている方も多いと思いますが、その土地の「ゴミ捨て場」を見ておきましょう。
マンションの内見によく言われることですが土地選びにも共通しています。
特に朝の時間のゴミが回収される前に見に行きましょう。
分別がしっかり守られているかはその地域のモラルに関わる部分です。
状態がひどい場合は検討しなおすのが賢明かもしれません。
4-3.時間帯を変えて確認しよう
内見が昼間だった場合は家族だけで夜の時間帯も見に行きましょう(逆の場合も同様です)。
例えば近くに焼き肉などの飲食店がある場合、夜だけ臭いがきついなどの発見があります。
特に臭いは住宅の換気力が上がろうと、結局外気を取り込むので緩和するには難しいものがあります。
周辺の明るさ・騒音なども時間帯によって全く異なる環境になるので、同じ土地に時間帯を変えて2~3回は見に行くべきです。
5.まとめ
本当に意識すべき土地の選び方はお分かり頂けましたか?
本記事で、土地に関してどんな情報を収集し勉強していけば良いか把握できたと思います。
土地選びで失敗しないように、とにかくフットワークを軽く、また業者をうまく使っていきましょう。
最後までご愛読頂きまして誠に有難うございます。