「新築でキッチン周りの収納方法やアイデアが知りたい! 食器棚とかパントリーとか、何をどこにしまうといいの?」
「新築での食器棚の選び方とか、調味料や調理器具の良い収納のやり方を教えて欲しい! 」
そんな疑問にお答えします。
今回は特に、注文住宅で間取りを考えていくときに押さえておくべき「キッチン収納」に関する情報をお届けします。
一応、私は「整理収納アドバイザー2級」の資格がありますので、「収納」に関してより正しい情報を解説できると思います。
本記事の内容はこちら。
- 新築でのキッチン収納に関する正しい考え方やポイント
- 背面収納・食器棚の選び方
- 調味料や調理器具の収納方法やアイデア
では解説していきます。
目次
1.新築での基本的なキッチン収納の考え方
キッチン周りの収納に関して「さくっと具体的なアイデアを教えてよ」、と思われる方もいるでしょうが、基礎的なポイントを押さえておかないと危険です。
特に新築の計画で失敗するのはリスクが高すぎる。
ですので、収納に関してはぜひ基本からしっかりと読んで頂けたらと思います。
fa-caret-square-o-right新築での収納の基礎的な考えや計画の立て方については下記ページをご参照下さい。
1-1.キッチンで収納するもの一覧
新築の収納計画で失敗しない方法と収納アイデア9選にも書いていますが、収納計画を立てる上で最初にすべきことは「収納すべきモノの量」を把握することです。
ここではキッチンで収納するモノをカテゴライズしてみましょう。
もしあなたが間取りの打ち合わせ中なら、自宅にあるモノで実際にやってみるのが良いと思います。
- 食器
- 調理器具
- 家電(炊飯器・電子レンジなど)
- 調味料
- 食材・飲料(乾物・缶詰など常温保存できるもの)
- キッチン消耗品(キッチンペーパーなど)
※冷蔵庫の中のモノは含めていません。
このカテゴリを元に、収納量がどれくらいかを書き出していけば、新築でどれくらいの収納スペースにすべきか、また、どのカテゴリのものをどこにしまえばいいか分かってくると思います。
1-2.見せる収納・見せない収納のポイントを決める
続いてのポイントは、上記カテゴリのものを「見せる収納」にするか「見せない収納」にするかを考えていきましょう。
例えば、「調味料と調理器具はコンロ付近に棚を作って見せるように配置、その他はシステムキッチン内・食器棚に見えないように収納しよう」と考えると良いと思います。
当然、見せる収納は「扉をあける」「引き出しを引く」などの動作が不要になるので使い勝手がよくなりますが、すっきりした空間ではなくなってしまう。
見せない収納はメリットとデメリットが全く逆になりますよね。
特に炊飯器や電子レンジを引き出しの中にしまうかどうかは悩みどころだと思います。
ちなみに、次のカテゴリはなるべく見せないように収納した方がおしゃれで清潔感が出ます。
- 食器
- 食材・飲料(乾物・缶詰など常温保存できるもの)
- キッチン消耗品(キッチンペーパーなど)
もちろん見せるように収納してもオシャレに仕上げることは可能ですが、生活していくと変化が大きくてごちゃごちゃしやすいからです。
1-3.パントリーを作るかどうかを検討する
新築の場合、次に検討すべき大事なポイントは「パントリー」を作るかどうかです。
もちろんパントリーを作れば大きな収納スペースを確保できるので、例えば大量の飲料水や食材をキレイに保管できますよね。
パントリーに棚を設置すれば一目で何がどこにあるのかも把握できるので、使い勝手はいいでしょう。
しかし、パントリーのスペースの分、他の部屋が狭くなりますし、コストも上がってしまうため、しっかりと検討する必要があると思います。
私個人としては、間を取って小さなパントリーがオススメです。
「幅910mm×奥行910mm」の半畳、または「幅910mm×奥行455mm」くらいでも収納スペースは格段に上がります。
この画像は「半畳」のパントリーです。
半畳あれば、このようにコの字に可動棚を設置でき、結構な量の収納スペースが作れます。
「幅910mm×奥行455mm」のパントリーでも一列の可動棚が作れるので、もしパントリーで悩んでいるなら小型のパントリーもgoodだと思います。
なお、「幅910mm×奥行910mm」の半畳、または「幅910mm×奥行455mmであれば、折れ戸や両開き戸の扉をつけられますので、中を隠すこともできます。
もし扉を見せたくないなら、リビングから見えない角度の間取りにするのもオススメです。
fa-caret-square-o-right新築の間取りに関して解説しているページもあります。
2.キッチン背面収納・食器棚の選び方
新築でキッチン周りの収納を考える上で、もっとも重要なのがキッチン背面の食器棚だと思います。
2章では食器棚の選び方について解説していきます。
食器棚の購入先は次の3通りになると思います。
- 建築会社を通して、キッチンメーカーの食器棚を設置してもらう
- 自分でネット通販や家具量販店から購入し、購入先に依頼するか、または自分で設置する
- 工務店など融通が利く建築会社で食器棚を造作してもらう
3通りの中でどれを選んでいけばいいのか、また選ぶ際のポイントなどを解説していきます。
2-1.キッチンメーカーのものがやっぱりオススメ
上記の3つの購入先の中で、建築会社を通してキッチンメーカーのものを購入、設置してもらうのはもっともコストが上がります。
ですが、次のようにたくさんのメリットがあって、私個人としてはオススメです。
- 耐久性が高く、長持ちする
- キッチン同様に汚れにくい仕様になっている
- キッチンと統一感が生まれ、デザイン性が高い
- 生活スタイルによって多種多様なカスタマイズができる
- 使い勝手がしっかりと計算されていて、とても優れている
- 収納量が多い
※ハウスメーカーなどが作っているオリジナル食器棚もありますが、キッチンメーカーとコラボしているものでなければ、機能性・耐久性から見るとあまりオススメできません。デザイン性は高いものが多いですが。
やはりキッチンを長年研究してきたメーカーが作っている食器棚ですから、予算をかける価値はあると思います。
2-2.費用を抑えるなら通販で購入するのもあり
キッチンメーカーの食器棚をオススメしましたが、ちゃんとしたものを入れようと思うと20万前後、高性能なものは30万円以上はするでしょう。
それに、建築会社と提携しているキッチンメーカーの食器棚ではどうしても「デザインが好きじゃない」という場合もあるはず。
そんなときは通販などで購入するのも全然アリだと思います。
キッチンメーカーほどではないですが、通販などの食器棚は専門会社が作っているわけですから機能性・耐久性は高めなものが多い。
それに、何より費用を抑えられます。
2-3.ゴミ箱を置く位置を決めておく
キッチンの食器棚を検討するときに、一緒にゴミ箱の配置も考えておきましょう。
生ゴミ、空き缶・瓶、ペットボトルなど、ゴミ箱は想像以上に場所を取ります。
新築の場合は間取りを考えるときにゴミ箱のスペースを忘れてしまうと後悔してしまいます。
最近の食器棚はゴミ箱も収納できるタイプが多いので、合わせて検討するのもいいと思います。
ちなみに、新築のタイミングで下記のような「生ゴミ減量乾燥機」や「ディスポーザー」を購入するのも1つの手です。
特に「ディスポーザー」はかなり高額ですが、生ゴミを粉々に粉砕してくれる優れもの。
流しの下の排水口に設置するので、スペースも一切必要ありませんし、ゴミを流しに一緒に流すだけなので手間暇が全くなくなります。
2-4.背面収納の扉を考える
次に考えるべきは食器棚の「扉」です。
食器棚にはおおよそ扉がついていますが、ポイントは炊飯器や電子レンジなどの家電の置き場所に扉があるかどうかです。
キッチン家電は汚れやすいので、扉で隠せるタイプならオシャレかもしれません。
しかし、使うたびに扉を開けないといけないのは、やってみると想像以上に使い勝手が悪いため、入念に検討しましょう。
住宅展示場やショールームなどで試してみるのが良いと思います。
食器をしまう場所は、地震があるとロックがかかる安全装置が付いているタイプがオススメです。
ちなみに私が住宅営業マンのとき、キッチンの背面を「すりガラスの引き戸」で全て隠したい、という方がとても多かったです。
設置費用は割と安価ですしオシャレに仕上がるため、とても良く見えるのですが、建築会社に造作で作ってもらうのはあまりオススメできません。
しっかりとした建具メーカーが作ったものでないと、耐久性が低いからです。
かなり頻繁に引き戸を開閉することになるため、短い期間で故障・修理が発生するでしょう。
もし建具メーカーのしっかりとした引き戸は、結局高額になってしまうため、だったら食器棚にお金をかけた方がいいと思います。
2-5.身長よりも高い位置の棚は可動式(ダウンウォール)がベスト
特にキッチンメーカーの食器棚には、自分の身長よりも高い位置に吊戸棚がついているものがほとんどです。
しかし、使い勝手は非常に悪いため、踏み台を用意したり、滅多に使わない食器などを収納して倉庫のように使っている方が多いのが実際のところ。
せっかく大きな費用をかけているわけですから、それでは勿体ないですよね。
ですので、上記画像のような「ダウンウォール」をオプションなどで付けるのがオススメです。
もちろん費用は膨らんでしまいますが、特に身長が低い方なら費用対効果は高いと思います。
ダウンウォール付きの吊戸棚はキッチンメーカーのものだけでなく、ネット通販でも割安で購入が可能です。
3.調味料や調理器具の収納アイデア
3章では「調味料」や「調理器具」の収納について解説していきます。
機能性から考えれば、調味料・調理器具は調理に使うわけですから作業台やコンロの周辺が理想的。
使用頻度が高いものは、キッチンの背面には置かないようにしましょう。
つまり、収納場所のパターンは次のどれかがいいと思います。
- システムキッチンの中
- キッチンの上
- キッチンの腰壁やコンロ周りの壁
フルフラットキッチン(オープンキッチン)の場合はキッチンの中か上。
セミオープン・ペニンシュラキッチンの場合は腰壁の天端(部材の上面)の上やコンロ周りに棚を設置するのもアリですね。
ちなみに、最近のシステムキッチンはたっぷりと収納できるスペースがあるので、調味料・調理器具はよほど量が多くなり限り全て収納できると思います。
fa-caret-square-o-rightキッチンの種類や後悔しやすいポイントをまとめたページもあります。
3-1.キッチンの上に置くなら、100均アイテムでおしゃれに見せよう
もし調味料をキッチンの上や腰壁の天端の上などに置いて「見せる収納」で進めるなら、もっとも重要なのは「容器の統一感」です。
統一感があるなら、調味料をどこに置こうが、どんな棚に設置しようが、必ずオシャレに見えます。
特に人は3つ以上のものが揃っていれば「統一感」を感じるので、100均などで同じタイプの瓶やプラスチック用を3個ずつ購入しましょう(4個以上でもOK)。
可愛いラベルは無料素材でダウンロードしてプリントアウトしてもいいですし、minne(ミンネ)fa-external-linkなどで安く販売されています。
この画像では瓶や容器で統一されているので、とてもオシャレに見えますね。
それぞれの棚の高さに合わせて瓶や容器が配置されていて機能性もよく、とてもセンスを感じます。
棚のサイズや調理器具を合わせるとより一層オシャレになりますが、最初からここまでがんばる必要はないと思います。
調味料だけ100均の透明なプラスチックトレーに並べてキッチンの上に置くだけも十分オシャレに見えますし、何より機能性が高いのでオススメです。
3-2.調理器具は整理してキッチンの中にしまうのがオススメ
どうしても調理器具を「見せる収納」にしたい! という方はいいんですが、もし悩んでいるなら、無難にシステムキッチンの中に収納するのがいいと思います。
調理器具はどうしてもサイズや見た目がバラバラなので、「見せる収納」にするにはかなり難易度が高い。
3-1章で紹介した画像のように、レードル(おたま)やターナー(フライ返し)だけ作業台やコンロ周りに並べるのも良いですが、よりすっきり感を出したいならやっぱりキッチンの中にしまうのがオススメです。
こちらの画像はプライパンスタンドなどですっきりと調理器具を並べていますね。
今はキッチンの中に収納するためのグッズが100均やAmazonなどでもたくさん販売されていますので、誰でも簡単に機能性がアップできるはずです。
新築のメーカー製のキッチンなら、調理器具をすっきりと収納、機能性をアップするためのオプションがいろいろあります。
多少費用がアップしますが、費用対効果は十分にあると思います。
4.まとめ
新築におけるキッチン周辺の収納に関して、重要なポイントはお分かりになりましたか?
新築の間取りを考えていくタイミングで「どこまで具体的に計画を立てられるか」、がもっとも大切なこと。
焦らずにたっぷりと時間をかけて、「収納量の把握➡収納場所の特定・配置」を細かく考えていきましょう。
何より、あまりオシャレにこだわり過ぎず、清潔感が維持できることを優先にした計画を立てることが大切だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。