【太陽光発電で後悔?】新築で失敗する9つの原因と対策

「新築で太陽光発電を導入して後悔した、って話を聞いたことがあるけど、どんなポイントで後悔してるの?」

「太陽光パネルの設置を検討してるんだけど、どこに注意すれば失敗しないのか知りたい!」

家疑問くん

 

そんな疑問にお答えします。

 

いきなりですが、太陽光パネルの製造メーカーは、こんなことを言っています。

太陽光発電は、約7年~11年で投資回収ができる。

つまり、太陽光パネルを設置後、7~11年以降の発電分は全て「利益」になるということです。

それが真実なら、多くの人が太陽光発電を導入するはず。

でも実際に導入した人の中には「後悔」しているという声も多数あります。

今回はそんな太陽光発電システムによって後悔に繋がってしまう原因やデメリットと、後悔しないための注意点を9つに分けて解説していきます。

1.間取りが制限されることで後悔するリスクがある

太陽光発電を設置する上での1つのデメリットが、間取りが制限がされてしまうことです。

太陽光パネルを設置しようとすると、特に屋根の形状と方位がある程度固まってきます。
特に発電量を大きくするためパネルをたくさん搭載すればなおさらです。

屋根種類出典:【屋根の種類~入母屋・片流れ屋根編~・情熱リノベーション事務所通信】

新築で一般的に多い屋根は「切妻(きりづま)」「片流れ」「寄棟(よせむね)」です。

イラストを見て頂くと分かると思いますが、3つの屋根で一番多く太陽光パネルを搭載できるのは【片流れ屋根】です。

そして、太陽光パネルは南向きがセオリーですので、【屋根が流れる方向】が限定されます。

屋根の向きや方向が限定されると、どんな弊害が発生するのでしょうか。

屋根の向きや方向が限定されることでの弊害
  • そもそも屋根の形が制限されて、外観やコスト設定の自由度が無くなる
    (屋根形状によって初期費用やメンテナンス費用が変わってきます)
  • 屋根裏部屋や屋上の位置が限定される、またはスペースが確保できなくなる
  • 2階勾配天井の位置が限定される、またはスペースが確保出来ない

もちろん間取りの制限は太陽光パネルの搭載量とのバランスですので、それぞれどちらを優先させるか、というポイントになってきます。

ただ、やはり大なり小なり制限が発生してしまうのは仕方がありません。

1-1.太陽光発電の業者を自分で探すと後悔に繋がりやすい

間取りの制限が後悔につながるのは、太陽光パネルの設置業者とハウスメーカー・工務店に繋がりがない場合に起きることが多くなります。

つまり、自分で太陽光発電の業者を探した場合です。

間取りが確定してしまった後、太陽光発電業者と打ち合わせすると、イメージしていた発電量が確保できないなどの後悔に繋がります。

ポイントなるべく建築会社との間取りの打ち合わせ中には、太陽光発電を依頼する業者は決めておきましょう。

それに、建築会社と太陽光発電業者の間をしっかりと取り持ち、情報の共有をしていかないと、思わぬところで失敗につながる可能性もありますので、十分に注意して下さいね。

 補足
「建築会社とつながっている太陽光パネルの業者を選びましょう」、ということではありません。本記事の6章で記載していますが、なるべく業者は自分で探すことを推奨しています。

2.発電量が不安定で環境に左右されてしまう

太陽光発電のデメリットの1つに「発電量が不安定」ということがあります。

発電量は天候や日照量に大きく左右されてしまいます。

特に太陽光発電の業者が算出したシミュレーション通りにはいかないケース。

例えば、南側(南東、南西含む)に3階建ての住宅やアパートが出来てしまた場合です。

法律では「日照権」で少しは保護されているとはいえ、朝や夕方または冬と、太陽が低い時間・時期には、パネルに当たる日光が減ってしまうケースもあるかもしれません。

そうなれば、年間の発電量も落ちてしまいます。

ポイントとても難しいことですが、太陽光発電を導入するかどうかは、近隣の状況を十分に加味して検討しましょう。

信頼できる建築会社や太陽光発電業者の営業マンなりに相談しても良いでしょう。

省エネ住宅を目指すなら、太陽光発電と一緒に高断熱・高気密のZEH住宅も検討すると良いでしょう。

2-1.太陽光パネルに日光が当たりやすい土地を選ぼう(土地から家を探す場合)

太陽光発電を検討している場合、土地探しは将来的な日照量を加味して探しましょう。

特に、土地探し中にまだ「太陽光パネルを設置するかどうか決めていない方」は注意が必要。

太陽光パネルの発電量は、単純な日当りだけではなく、土地の形も大きく関わってきます。

例えば南側に対して縦長の土地であれば、南側の間口を広くできないので、日照量が少なくなります。
土地に対して、道路の向きも関係があるので、購入の際は意識しましょう。

駐車場の位置によっては建物の南側の間口が取れなくなってしまう場合もありますので。

近隣の状況も購入前にはしっかり確認しておきましょう。

ポイント最悪の事態を想定して、南側に高い建物が建ってしまった場合や、その確率なども不動産業者に相談しましょう。
(第一種・第二種低層地域であれば周囲に高い建物が建つことは無いので多少安心です)

3.電力使用量を「見える化」しないと意味がない?

太陽光発電には【HEMS(ヘムス)】とシステムがあります。

※HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略です。

電気の使用量をリアルタイムにモニターで確認できるように「見える化」する仕組み。

電気が住宅のどの場所でどれだけ使用されているかや、太陽光発電量・売電量も分かります。

HMES出典:Panasonic「AiSEG2(HOME IoT)⇒ AiSEG2新機能」

すごく便利ですし、何より「節電意識」につながることで最大の魅力と言えますね。

ですが、やはり初期投資が必要です。

パネルのメーカーや設置業者によって金額が異なりますが、15~25万円前後は必要になります。

費用を少しでも抑えたいと、このHMESを導入しない方もいらっしゃいますが、実はこの経済効果はなかなか侮れません。

夫婦はもちろんですが、導入したお施主様の話を聞くと子供の節電意識が強くなることが大きなメリット・経済効果になるそうです。

小学校高学年くらいから高校生くらいまで自分の部屋にこもり気味になり、年中エアコンをつけているということがご自身でも経験があるかもしれません。
ですが、そこに節約意識が働くと電気代も大きく変わってくるのではないでしょうか。

ポイントHMESを導入すれば、家族全員の「節電意識」が高まり、どこで無駄な電気が発生しているのかがリアルタイムに分かる。

4.メンテナンス費用を把握していなくて後悔する

新築の太陽光パネルイメージ太陽光パネルには必ずメンテナンス費用が発生します。

この費用を把握せずに導入を決めてしまう方がいらっしゃいますが、これも後悔に繋がってしまいます。

ハウスメーカーや工務店の住宅営業マンは太陽光パネルのメンテナンス費用のことが詳しくない場合も多いので、ここは太陽光発電業者にしっかり確認を取りましょう。

4-1.メンテナンス費用の目安

メンテナンス費用の目安は以下の形で覚えて下さい。

太陽光発電メンテナンス費用の目安
約「3,600円」 × 搭載する太陽光発電の「kW数」 × 「年数」

4.1kWの太陽光パネルを搭載した場合: 3,600円 × 4.1 = 14,760円(年間のメンテナンス費用)

20年間で計算すると、約30万円の計算となります。

※メンテナンス費用の目安は太陽光パネルの見積り業者【住宅用・産業用】ソーラーパートナーズのデータを元にしています。

4-2.どんなメンテナンスをするの?

太陽光パネルのメンテナンス費用を大きく分類すると、次の2つ。

  • 定期点検の費用
  • パワーコンディショナーの交換費用

1つずつ解説します。

 

■定期点検の費用

定期点検は、平均すると4年に1回前後となります。

点検1回の費用はおおよそ2万円前後が相場と言われています。

点検内容は、目視で異常が無いかを確認したり(破損や断線など)、電圧や抵抗値に問題がないか計測をしたりします。

 

■パワーコンディショナーの交換費用
 ※パワーコンディショナーとは ⇒ 太陽光によって生まれた「直流」の電気を、家庭用の「交流」に変換し、利用できるようにするための機械。

通称パワコンは太陽光のエネルギーを一般に使用できる電気に変換する機械です。

そのパワコンの平均寿命は約15年と言われています。また、その交換費用は20万円前後となります。

ポイント太陽光発電システムの費用対効果は、メンテナンス費用も加味して計算しよう

5.屋根のリフォーム費用が高くなることを見込んでなかった

坪単価イメージ

太陽光パネルの設置業者や、建築会社の営業マンからはまず説明がない部分なので、とても後悔しやすいポイント。

最近の屋根は「スレート屋根」が主流になっていますが、おおよそ10~15年ほどで再塗装のメンテナンスが推奨されています。

その時、太陽光パネルの「取り外し・再設置」の費用が発生することを覚えておきましょう。

太陽光パネルの脱着費用の目安: 「パネル1枚10,000~20,000円」

つまり、ほぼ確実に10万円以上の費用がかかることになりますね。

 補足
太陽光パネルの脱着をせずに、パネルの周辺だけの屋根メンテナンスをすることも可能ですが、パネル下の屋根の雨漏りリスクが上がるので、あまり推奨できません。

この部分も、太陽光発電システムの費用対効果の計算でしっかりと見込んでおきましょう。

ポイント太陽光パネルをのせる場合は、長期間メンテナンスが不要になる瓦屋根や、高性能なスレート屋根などにグレードアップするのがオススメです。

太陽光パネルだけでなく、住宅全体のメンテナンスに関しては下記ページをご参照下さい。

6.太陽光発電システムの故障リスクをイメージしてなかった

太陽光発電業者の方は、いかに「故障リスクが低いか」、また「保証が充実しているか」を解説してくれます。

確かに保証期間中は故障しても負担はありません。

天災の場合でも、火災保険に加入していれば太陽光の修理費も負担してもらえます。

問題は、保証が切れてからです。

 補足
太陽光パネルメーカーの「システム保証期間」は10~15年が一般的です(モジュール出力が下がったきた時の出力保証は15~25年)。

2012年の国立研究開発法人 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センターの発表ではパネルの平均故障率は【2.5%】だったそうです。

メーカー別にみますと、【0.3~6%】の範囲になります。

2019年現在は技術も上がり故障率は下がってきていると思いますが、やはりリスクは残ったまま。

ポイントつまり、太陽光パネル設置、10~15年以降に故障する確率が数%あり、その修理費は負担しなくてはいけない可能性があることを覚えておきましょう。

また、太陽光のパネルよりも、パワーコンディショナー(通称パワコン)の方が故障リスクが高いと言われています。

メーカーにもよりますが、パワコンの保証期間の方がパネルより短く、5~10年が一般的です。

特にパワコンは予め壊れるものと思って修理費を貯蓄しておくのが理想的。

7.パネルに寿命があること、発電量が下がっていくことを意識していなかった

太陽光パネル素材イメージ

当たり前ですが、太陽光発電システムには寿命があります。

定期的にメンテナンスや修理をしても、パネルには必ず限界がきてしまいます。

それに、もっと重要なポイントが、太陽光パネルの発電量は少しずつ、かならず年々下がる、ということです。

メーカーによって、例えば「10年間で10%を超えて下がった」、「20年間で20%を超えて下がった」という出力保証があります。

しかし、発電量が下がってしまうことに変わりはありません。

ポイント大事なことは、「太陽光発電の業者が作ったシミュレーションに、発電量が年々下がることが見込まれているか」ということを確認することです。

もしも見込んでいなければ、シミュレーション通りにいかないわけですから、後悔に繋がってしまうわけです。

太陽光パネルの具体的な寿命や耐用年数に関して、詳しくまとめたページもあります。

先々の話ですが、太陽光パネルの寿命がきた後、パネルを撤去する費用が発生したり、解体費用が発生することも頭に入れておきましょう。

8.相見積もりしなかったことで後悔する

太陽光発電の設置業者を選ぶ場合は、必ず複数社から相見積もりを取りましょう。

その理由は次の3つです。

■1. 各業者の見積りが妥当な金額か比較できる

1社で決めてしまうと、どうしても金額の妥当性が不明確になります。

数社の見積りを比較すれば、見積りの各項目の金額差に疑問が出てきて質問もできるようになり、より信頼できる業者が見つかりやすくなります。
また、値下げ交渉にも有効になりますので相見積もりは必須です。

 

■2. 提示されている発電シミュレーションの数字が妥当か比較できる

複数社に見積りを依頼していけば、メーカー別に屋根への搭載量が異なっていたり(メーカーによって1枚のパネルサイズが異なる)、発電のシミュレーションの値が異なっているなど、様々な提案が受けられます。

決定した間取りに最適なメーカーや搭載量も見えてくると思います。

 

■3. アフターフォローや保証期間など比較検討できる

太陽光発電の業者によってアフターフォローや保証期間は変わってきます。

見積り金額だけで判断するのではなく、サービスや保証も含めたトータルで検討することができます。

8-1.建築会社が太陽光発電業者を指定している場合

選んだ建築会社(特に大手ハウスメーカー)で太陽光パネルの業者が指定されている場合があります。

建築会社と提携している太陽光パネルのメーカーや施工業者しか選択できないので、それが当たり前のまま太陽光パネルを設置するケースがあります。
これではとりあえず設置したようで、後悔する確率が上ってしまいます。

建築会社が提携している太陽光パネルのメーカーは、
故障確率が高くないか、
年々発電量が下る速度が速くないか、
などは調べておく必要があります。

どうしても提携している業者が気に入らない場合は、新築後に太陽光パネルを設置することは可能ですので、ご自身で太陽光設置業者を探しても良いでしょう。

9.太陽光の業者次第で損得が変わる

相見積もりと繋がる内容ですが、選んだ太陽光発電の業者によって、後悔に繋がってしまうケースがあります。

2つほど例として解説します。

 

■1. 投資対効果が水増しされていて、想定以上に利益が出ない

太陽光発電の業者には一定数、悪徳とされる業者がまだいるようです。

工事費用が高額だったり、シミュレーションの値が水増しされていれば、実際には損をしてしまいます。

 

■2. 適当な工事をされる

上記のような悪徳業者、それに安売り業者でも人件費を過剰に節約するなどでずさんな工事も事例として発生しています。

配線がむき出しに見えるように設置されてしまうように見栄えの問題だけでなく、最悪雨漏りだって可能性としてはあります。

また、問題が発覚したときにはその会社は倒産していた(逃げていた)、という事例も現実として起こっています。

9-1.後悔しない太陽光発電の業者を探す為には

相見積もりも含め、良い業者を探す為には、やはり第三者のチェックを入れることがベストです。

特に「太陽光見積り一括サービス」を利用するのがマストだと思います。

新築の場合、建築会社選びから多数の打ち合わせ、住宅ローンなどの各種手続き、土地探しなど、非常に多忙になると思います。

太陽光のことまで調べられないのが現実だと思います。

だからこそ、手軽に利用できる「太陽光見積り一括サービス」が良いでしょう。

私の個人的なお勧めは次のサイトです。

オススメ太陽光見積り一括サービス

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■お勧め理由
タイナビNEXTでは「見積価格」「施工品質」「アフターフォロー」の3部門で顧客満足度1位を獲得している優良サービスです。

優良な太陽光発電販売店のみを厳選(全国250社)しているので安心な上、
太陽光発電に精通した専門スタッフが多数在籍しており、太陽光発電に関する質問や分からないことがあれば中立的な立場から気軽に相談にのってもらえます。

上記一括見積りサービスを利用すれば、太陽光発電の失敗確率を大幅に下げることができるのは間違いないと思います。

ぜひ利用して良い業者に巡り合いましょう。

太陽光パネルを設置するのか、悩んでいる方はこちらのページもご参照下さい。

10.まとめ

太陽光発電システムを導入することで、後悔してしまうケース、お分かり頂けましたか?

「お得になる」というイメージだけで気軽に導入すれば、知らず知らずのうちに多くのリスクを背負ってしまうことになってしまう。

ただ、どんなリスクがあるのか予め把握しつつ、リスクを回避できるように計画すれば、太陽光発電システムを設置するのは価値があると思います。

ぜひ後悔しないように導入して欲しいな、と思います。

 

最後までご愛読いただき誠に有難うございました。