今回は新築でも新築でなくても使えるインテリアコーディネートの基本やコツを解説していきます。
インテリアの基本と言っても、カラーの配色に限らず、家具の配置から照明・ディスプレイと多種多様です。
逆に、カラーや家具の配置だけを勉強しても、照明などその他がすべてがバラバラだったら統一性は失われ、納得のいくインテリアにはならないはずです。
ですので、本記事ではインテリアの要素の基本部分を少しずつ解説していきながら、本記事をインテリアの目次ページとして今後、各要素へ展開していこうと思います。
本記事の内容はこちら。
- インテリアを構成する要素(カラー、家具、照明など)
- インテリアの各要素の基本
- インテリアはスタイルを決めることが最も重要
- 新築の場合、いつのタイミングでインテリアイメージを固めておく必要があるか
では解説していきます。
目次
1.そもそもインテリアとは?
すでにご存じの方も多いかもしれませんが、そもそも「インテリア」の意味を復習もこめて確認しておきましょう。
「インテリア」は室内の空間を作っている「全ての装飾品」を指しています。
- 壁紙クロス
- フローリング
- キッチンなどの設備機器
- カーテン
- 照明器具
- テーブル、椅子、などの家具類全て
- 小物などのディスプレイ用品
- 収納用具
- 家電
- 植物
- カーペットやラグ
他にもありますが、これら全てがインテリアになります。
そんなインテリアをオシャレにセンス良くコーディネートしていくのは、「心地よさ」「快適さ」「自分らしさ」「便利さ」などアップさせるためです。
極端な話ですが、カラー配色だけうまくいっても、機能性が最悪であればそのコーディネートは失敗ということになります。
インテリアを学んでいく上で、この前提をしっかりと念頭に置いておきましょう。
2.新築の場合、いつインテリアイメージを固めておくの?
新築の場合、インテリアはいつのタイミングでイメージを固めておくべきでしょうか?
答えは「建築会社と契約後の間取りの打ち合わせの間」です。
fa-arrow-circle-right新築の流れが不明確な方は下記ページでご確認ください。
インテリアのイメージは、間取りや外観、設備選び、カラーコーディネートなどの色んな部分に関わってきます。
多くの方が、色んな打ち合わせが終わってから「照明、家具、カーテン」を選ぶタイミングでインテリアを考えることが多いですが、それでは室内の統一性が無くなる可能性が高いため、遅すぎます。
間取りの打ち合わせの最中、またはそれよりも早く方向性・スタイルだけでも検討しておくのが理想的です。
打ち合わせ中は考えることが多くて難しい・大変と思われるかもしれませんが、実はインテリアの方向性を固めておいた方が、色んな場面で選択肢が絞られてスムーズになります
3.インテリアって何を考えるべきなの? 基本の項目を解説
続いて、インテリアの基本的なポイントを解説していきます。
本章ではインテリアで考えるべき重要な項目を挙げますので、まずはインテリアの全体像を把握して下さい。
- インテリアの方向性・スタイル
- カラー配色
- 家具配置・レイアウト
- 収納
- 照明
これが、インテリアの基本的な項目です。
この項目を押さえていくことがインテリアのコツ。
どれか1つが欠けてもいけません。
上記項目以外にも、窓・サッシ周辺の装飾(ウインドートリートメント)や各設備選び、ディスプレイ方法など、インテリアのポイントはありますが、まず基本的な項目を固めていけば、全体がセンス良く仕上がるはずです。
では、各項目を一つずつ解説していきましょう。
4.インテリアの方向性・スタイルを固めるのが最重要ポイント
インテリアの方向性・スタイルを固めることは、インテリアの基本中の基本で、かつ最重要なポイントです。
逆にここをしっかりと押さえれば、全体的にぐっとレベルアップするのは間違いありません。
インテリアのスタイルと言えば、例えば、「モダン」「ナチュラル」「アジアン」「カントリー」「和風」などをイメージすると思います。
ただ、各スタイルは、具体的に何が異なる要素なのでしょうか?
雰囲気のイメージは出来ると思いますが、何を基準に区分けされているのか、言葉にするのは難しいですよね。
それは次の4つの要素で構成されています。
- 素材
- 質感
- 形
- 色
これらの4つの要素のバランスでインテリアの方向性・スタイルが決まります。
一つずつ簡単に解説していきます。
4-1.素材
素材のやわらかさ、硬さなどによって、インテリアの印象が変わってきます。
- 自然素材:木、麻、木綿、レンガなど
- 人工素材:スチール、ガラス、プラスチック、革など
というように、大きく区分けすることができます。
自然素材を使えば「ナチュラル」や「カントリー」スタイルに近づきますし、人工素材を使えば「シンプル」「モダン」のスタイルに近づいてきます。
4-2.質感
家具はもちろん、壁紙クロス、ラグ・カーペット、カーテンなどの質感によってインテリアのイメージは異なります。
同じ木の素材でも、自然な感じを残してごつごつしたものか、綺麗に削って塗装されているかで雰囲気が変わってきます。
スチールやガラスのつるつるしたものをたくさん選択すれば「シンプル」「モダン」なスタイルになりますし、古い木やレンガなどのごつごつしたものをたくさん選択すれば「ナチュラル」「カントリー」に近づいていきます。
4-3.形・ライン
家具に限らず、照明や各インテリアの柄などの形、アウトラインによっても印象が変わってきます。
直線的な形なのか、曲がっている形なのか、太い・細いなどによってインテリアの方向性も変化してきます。
自然な曲線が多ければ「ナチュラル」になってきますし、直線的であれば「シンプル」「モダン」な雰囲気になってきます。
4-4.色
ここで言う「色」に関しては、赤・緑・青の配色だけを指しているのでは無く、「明るい・暗い」「鮮やか・くすんでいる」「自然・人工的」などの色が作り出す雰囲気を指しています。
例えば白、黒や人工的な色を選択すれば「モダン」スタイルに近づきますし、木の色、くすんだ色、自然な色を選択すれば「カントリー」に近づきます。
繰り返しますが、この4つの要素をそれぞれどのように構成していくかを決めることがインテリアの基本であり、最重要ポイントです。
家族でイメージを話し合う際は、「シンプルモダン」がいいな、とか「クラシック」なスタイルがいいな、という漠然とした方向性を話し合うのでは無く、上記4つの要素をどんな形にするといいのかを話し合うのが理想的です。
そうすれば、おのずとスタイル・方向性は固まってくるはずです。
fa-caret-square-o-rightインテリアスタイルを種類別に特徴をまとめたページもあります。
5.カラー配色のコツは?
前章のインテリアスタイルが固まったら、次はカラー・配色の基本的なポイントを覚えておきましょう。
インテリア業界では有名なカラー配分の法則があります。
有名なので、知っている方も多いかもしれません。
■色の配分法則
「7 : 2.5 : 0.5」とか「6 : 3 : 1」という法則です。
- 「7」や「6」の部分をベースカラー
- 「2.5」や「3」の部分をメインカラー
- 「0.5」や「1」の部分をアクセントカラー
例えばリビングや、寝室といったそれぞれの空間の色の割合を「7 : 2.5 : 0.5」とか「6 : 3 : 1」でバランスを取るわけです。
上記ダイニング・キッチンの写真は、「7」や「6」が白、「2.5」や「3」が木目、「0.5」や「1」が黒といったバランスになっていますね。
その他、極端な例ですが、リビングのインテリアを全て「白」にしてしまうと、のっぺりと無機質すぎる雰囲気になってしまい、居心地が悪くなってしまいます。
ですが、そこに25~30%ほど「木色」を加えて、5~10%ほど「自然の緑」を加えてあげるとグッと雰囲気が良くなりますよね。
ですが、木目を50%にしたり、自然の緑を20%など、バランスを変えると途端にうるさいイメージになってしまいます。
インテリアの黄金比と呼ばれる法則を守れば、素人でもグッとセンスがアップするわけです。
■ベースカラー
60~70%を構成するベースカラーは、床や壁、天井などのフローリングや壁紙クロスなど、空間においての基本となる色です。
メインカラーやアクセントカラーの色が映えるようにシンプルな色味にすることが多いですが、明るい色なのか、落ち着いた色なのか、などで方向性が定まってくる色になります。
■メインカラー
25~30%を構成するメインカラーはその名の通り、その空間の主役になる色です。
カーテン・ソファ・カーペット・アクセントクロス(部屋の壁紙の一部)などを統一することでその空間の雰囲気が決定付けられます。
新築時のコーディネートの打ち合わせでアクセントクロスを検討する場合は、空間に対して15%~20%以内に抑えておき、残りはカーテンやソファなどを加えるなど、バランスを計算していきましょう。
■アクセントカラー
5~10%を構成するアクセントカラーは雰囲気を引き締める役割があります。
クッションや小さな家具、柄の一部などにアクセントを加えることで、全体のインテリアイメージにメリハリがつきます。
上記例えの、白ベースに木目のメインカラーだけだと物足りないので、緑を加えることで全体のバランスが良くなるイメージです。
新築時のカラーコーディネート(設備やクロス選び)ではアクセントカラーは加えず、家具や小物などで加えるようにしましょう。
fa-arrow-circle-right具体的なインテリアの配色に関しては下記ページに詳しくまとめています。
6.家具の配置・レイアウトの基本
続いて、家具の配置、レイアウトの中で基本的な部分を解説していきます。
家具選びに関しては、4章で解説したスタイル・方向性に合わせたもの、また5章で解説したメインカラー、アクセントカラーに合わせて選んでいきましょう。
もちろん、新築時は家具を全部新調しようとせず、徐々に買い足していけば問題ありません。
新築の場合に限りますが、家具配置における動線づくりは、間取りの打ち合わせの中でしっかりと繁栄させていきましょう。
予め設置する(購入する)家具のサイズを打ち合わせの時に設計士に伝えておくと良いでしょう。
新築でない場合は、自分で図面に合わせて新調予定の家具を書き込んで動線を計算していきましょう。
ここでインテリアイメージをアップさせる家具の配置・レイアウトの基本部分を押さえていきましょう。
重要なのは「左右対称(シンメトリー)」「左右非対称(アシンメトリー)」を意識して配置のラインを揃えることです。
例えば、窓の中心を軸にソファ、テーブル、TVなどを左右対称に揃えていくなど、ラインを揃えるだけでオシャレに見えます。
上記写真の場合は、ベッド、2枚の絵画、ラグが左右対称に配置、また、窓、ソファも左右対称に配置されています。
逆に、例えば長めのテレビ台の左端にだけ小物を置き、右端は空間を残しておく、という左右非対称もセンスがあります。
上記写真の場合は、天井から下がっている照明が左端にだけ配置されていて、左右非対称になっています。
左右非対称(アシンメトリー)は左右バラバラのものを配置することではなく、片方の空間を空けて配置することを指します
7.インテリアと収納の関係も考えておく
とても当たり前の話ですが、どんなに素晴らしいインテリアコーディネートをしても、実際に生活を始めた後に空間が物で溢れてしまっては全く意味がありません。
また、収納の家具の配置や色などもインテリアに関わってきますし、引き出しがないラックなどに物を置く場合など収納方法によっても、全体のデザインを構成する要素になってきます。
後々、物が増えて、収納家具をどんどん追加していかないように十分な収納スペースを確保しながら、物がすぐに整理整頓できるような配置にするなどの工夫も必要でしょう。
そのためには間取りを作っていく段階で、どこにどれだけの量の収納が必要かを把握し、図面に落とし込んでいく必要があります。
fa-arrow-circle-right収納に関しての計画の立て方は下記ページをご参照下さい。
また、クローゼットや造作の棚だけでなく、追加する収納家具も予め検討していきながら、どこに配置していくのか間取りに落とし込むのが理想的です。
8.照明の選び方のコツとは?
続いて、照明に関してのポイントを解説していきます。
インテリアの中で照明器具の選び方は最も難しい要素です。
それは、実際の家に取り付けてみないと分からないことを、想像でイメージして選んでいかないといけないからです。
前提として、新築の場合は照明器具メーカーのショールームに足を運び、照明プランを作成してもらうのが良いでしょう。
照明器具は以下のことを考慮して選ぶ必要があります。
- 必要な明るさがあるかどうか
- 周りのインテリアに合った器具の形や大きさ、雰囲気かどうか
- 使用する人や使用する用途に適した光になっているか
選び方の基本としては、まずは「主照明」から検討していきましょう。
主照明とは、部屋全体を均一に明るくするための照明で、「シーリングライト」「ダウンライト」「ペンダントライト」などが該当します。
リビング、ダイニング、寝室など、部屋ごとの用途に合わせて光の強さ、色を検討しましょう。
主照明が固まったら、次は補助照明を選んでいきます。
補助照明とは、限られた範囲を照らす照明で、「ブラケット」「スポットライト」「フロアスタンド」などが該当します。
また、補助照明の用途は2種類あり、デスクスタンドのように作業を補助するための照明と、もう一つが部屋の雰囲気を作ったり明るさを補助する役割があります。
照明器具もこだわり過ぎるとかなり費用がアップしてしまいます。
例えばリビング・ダイニングはしっかりこだわるなど、ポイントを絞っても良いでしょう。
9.まとめ
今回はインテリアの中でも基礎部分に絞って解説させて頂きましたが、いかがでしょうか?
インテリアも勉強しだすと本当に範囲が広く、奥が深いので、楽しいですがなかなか時間も取れませんよね。
新築の場合は、設計士やコーディネーター家具量販店の店員さんや照明器具メーカーの方などなど、色んな人にうまく頼ってインテリアを形成していくのが一番良い方法でしょう。
ただし、インテリアの方向性・スタイルを固めることだけはご家族でしっかり行っていきましょう。
そうすれば、各業者の方も提案しやすくなり、よりよいインテリアになるはずです。
fa-arrow-circle-rightインテリアと並行して外観デザインについても並行して計画を立てると良いでしょう。
最後までご愛読頂きまして有難うございました。