「新築するなら、やっぱりおしゃれな外観にしたい! なにかコツはある?」
「注文住宅の外観実例を見ながら、おしゃなポイントを教えてほしい!」
そんな疑問にお答えします。
せっかく注文住宅で家を建てるなら「おしゃれ」にしたいと思う人ばかりですよね。
ですが、「基本」やポイントを知らなければ、おしゃれにするのはとても難易度が高い。
ファッションと違って一発勝負ですから難しくて当然でしょう。
でもご安心下さい。
「3つの基本」と「屋根」「建物の凹凸」「アクセント」の3つのポイントを押さえておけば、誰でも簡単におしゃれな家にできるのです。
- 外観デザインをおしゃれにする3つの基本
- 屋根でイメージが大きく変わる
- 建物に凹凸をつけることで「おしゃれ度」がぐんと上がる
- ワンポイント、アクセントをつければセンスが光る
では早速解説していきます。
目次
1.新築の外観デザインを「おしゃれ」にするための3つの基本
新築の外観デザインをおしゃれにするためには「基本」が重要です。
この基本を覚えていなければ、どんなにたくさんのテクニックを覚えていても全く無意味になってしまいます。
逆にこの基本さえ分かっていれば、ダサくなる可能性がぐんと減りますので、しっかりと把握していきましょう。
1-1.外観デザインの計画は「タイミング」と「予算」が最重要
当たり前のことですが、外観をおしゃれにするには、まず外観の「計画」を立てる必要があります。
しかし、多くの人が「間取り」ばかりに目がいき家の形は設計士任せ、ということがしばしば。
外観のデザインは設備やカラーを決めるコーディネートの打ち合わせ直前に考え始める人ばかりなのです。
それでは計画を立てるタイミングが遅すぎます。
また、計画を実行するためにはお金が掛かります。つまり計画に「予算」を加えておく必要があります。
間取りを考えていくタイミングで外観の計画を立て、外観デザインにどれくらいの予算を割くべきかを予め考えておきましょう。
fa-caret-square-o-right外観で失敗しないための計画を立てる「タイミング」と「予算」については下記ページにまとめています。
1-2.家の形や配色に「統一感」と「崩し(遊び)」を作る
デザインには「シンプルモダン」「和モダン」「ナチュラルモダン」などスタイルがあります。
これはデザインの【型】と言えるものです。
ある程度、この【型】に当てはめて「統一感」を作るのが外観デザインで失敗しないためのコツです。
fa-caret-square-o-rightスタイルについてまとめたページもあります。
また、ファッションで「気崩し」という言葉あるように、統一感の中に崩れた部分、つまり「遊び」のポイントを少し加えるとオリジナリティが加わりおしゃれになります。
ちなみに、デザインの配色には黄金比率というものがあって、「7:2.5:0.5」や「6:3:1」という割合があります。
- 「7」や「6」の部分をベースカラー
- 「2.5」や「3」の部分をメインカラー
- 「0.5」や「1」の部分をアクセントカラー
この配色のバランスを保つこともポイントなのですが、「崩し(遊び)」の割合も、メインカラーやアクセントカラーと同じ割合にするとバランスが良くなるので覚えておきましょう。
fa-caret-square-o-rightインテリアの配色についてまとめたページもあります。
1-3.接道面にお金をかけよう
多くの住宅は四角形になっていますが、その四角形の4辺のどの方向から見てもおしゃれにしようすると、大きな費用が掛かってしまいます。
間取りにも支障が出るでしょう。
間取りは生活がしやすくなる機能性と、外観のおしゃれとのバランスで成り立っているのですが、4辺すべてをおしゃれにしようと考えると機能性を無視することになります。
外観デザインは欲張らず、道路から見える1~2面(家の顔)だけにコストを集中させましょう。
2.屋根が外観のイメージを作る
本章から、外観デザインをおしゃれにするためのポイントを、具体例を交えながら解説していきます。
最初は「屋根の形」について。
住宅の屋根の代表的な形は「切り妻」「寄せ棟」「片流れ」「陸屋根」の4つです(下記画像を参照)。
ただ、それぞれ1種類の単調な屋根にしてしまうと、家全体が「もっさり」としたイメージになってしまいます。
屋根の形はデザインを形成する大切なポイントです。
屋根の形を工夫すれば、家全体的がおしゃれに仕上がりますので、ポイント3つ紹介していきます。
2-1. 2つの屋根を組み合わせる
2つ以上の屋根を組み合わせると、一気におしゃれ度がアップします。
「片流れ+片流れ」の組み合わせです。
切り妻屋根のようにも見えますが、左右非対称とすることで外観全体がおしゃれになります。
片流れの向きを逆にして、内側に流れるようにしてもよいでしょう。
「片流れ+陸屋根」の組み合わせです。
「片流れ」「陸屋根」、それぞれ1種類だけだとシャープになり過ぎてしまいますが、組み合わせることで柔らかな印象も含んだシンプルモダンな雰囲気になります。
片流れの勾配(角度)を急角度にすればよりシャープに、勾配を緩やかにすれば可愛らしくなっていきますで、うまく調整しましょう。
勾配によって建物価格が上昇することもあります。また、屋根裏部屋を作る場合は勾配に制限が発生しますので注意しましょう。
2-2. 「軒(のき)」でイメージが変わる
「軒(のき)」とは、屋根が壁面から飛び出した部分を指します。
軒は本来、日差しや雨・雪から家を守る役割がありますが、実は新築の外観デザインにも大きな影響があります。
こちらは寄せ棟(よせむね)屋根の「軒」を大きく出したパターンです。
寄せ棟は落ち着いた雰囲気がある反面、古いイメージになりがちですが、軒の出を大きくすることで高級感を出すことができます。
こちらも同様に「寄せ棟」屋根に対して軒の出を大きくしていますが、軒の裏も含めて明るい色を使うことで、重厚感に柔らかさが加わりおしゃれな仕上がりになっています。
一般的に「片流れ」屋根の軒は短く、「切り妻」「寄せ棟」屋根の軒は長くするのがセオリーですが、外観のコンセプトに合わせて柔軟に考えると良いでしょう。
ただ、都心部のように狭い土地の場合、斜線制限などの影響で軒の出に制限がありますので、設計士と相談して考えていきましょう。
2-3. 軒裏にこだわってみる
オプション料金が上がってしまいますが、軒の裏側を木目などに変更すると家全体のイメージが変わります。
特に「陸屋根」「片流れ」などのシャープな形や、外壁を黒やグレーなど重い色や素材を選んだ場合に、アクセントとして軒裏に木目を入れるとデザインのバランスが良くなります。
「陸屋根」でグレーの外壁に対して木目の軒裏を使うことで、柔らかさが加わりおしゃれに仕上がっています。
陸屋根の軒の出の長さをバルコニーと統一し、奥行を作ることで軒裏をあえて見せていますね。
軒裏を変更する場合は、素材もしっかりとこだわると良いでしょう。
あまり安っぽい木目素材を使うと、家全体が安っぽくなってしまうので注意が必要です。
3.建物の凹凸で「おしゃれ度」が一気にアップ
新築の外観デザインをおしゃれにするポイントでもっとも重要なのが「凹凸(おうとつ)」を作ることです。
建物を真四角にしてしまうと外観全体が「のっぺり」と印象になってしまいますし、外壁の貼り分けをしたり色や素材でアクセントをつけたりしても、おしゃれ効果が弱まってしまうでしょう。
間取りに凹凸をつけると余分に柱や外壁材が必要になるため建物価格が上がりやすいデメリットはありますが、設計士と相談しながら接道面だけでも凹凸をつけるとおしゃれ度は一気に上がります。
3-1.建物の凹凸で奥行きを作る
建物に凹凸をつけるだけでおしゃれになりますが、奥行を作ることで外観デザインはさらに良くなります。
道路面に上下左右と4カ所も凹凸を作り奥行きを出しています。
陸屋根の1種類ですが全体的に立体感があってかなりおしゃれに仕上がっています。
ベースカラーの白とメインカラーのエメラルドグリーンの配色バランスも良いですね。
次の4章でも紹介しますが、上記デザインはサッシ(窓)をアクセントに使っています。建物とサッシの形が統一されている上に、しっかりと配色の黄金比が保たれていて、アクセントのセンスもgoodです。
これも道路面に4カ所の凹凸を作り奥行きを出しています。
特に印象的なのが、2階部分を1階よりも大きく張り出している「オーバーハング」です。
玄関の庇という機能性とデザイン美を合わせもったデザインになっていますね。
メインカラーの木目と玄関の木目を統一していて、しっかりとアクセントとして強調されているのもgoodですね。
このように、建物の縦横の凹凸やバルコニーなどをうまく組み合わせ道路面に奥行きを作ってあげることで、外壁の貼り分けやアクセントが映えてくるのが分かりますね。
3-2.おしゃれな外壁の貼り分け
続いて、建物の凹凸を活かした外壁の貼り分けについてです。
上下階で色だけでなく、2階はガルバリウム、1階は白塗りと素材も貼り分けています。
一番張り出しているバルコニーと片流れ屋根のラインも含めて、外壁の貼り分けと形のバランスがうまいですね。
これも上下階で貼り分けをしていますが、単調な貼り分けではなく、1階からバルコニー部分の木目をつなげることでセンスを感じます。
貼り分けのポイントは2つです。
上記画像のように、1つは建物の凹凸に合わせて貼り分けをすること。たまに凹凸がない中でサッシサイズに合わせて縦にアクセントラインの貼り分けをすることもありますが、凹凸に合わせた方が断然おしゃれです。
もう1つは、外壁材の貼り分けは同系色や類似色を使わず、反対色を使う方がしっかりとしたアクセントとなるのでおすすめです。
4.外観アクセントでセンスを光らせる
続いて、新築の外観に「スクリーン格子(ルーバー)」や「サッシ」などでアクセントをつけることで、ぐっとデザインセンスが上がるポイントを解説していきます。
4-1. スクリーン格子(ルーバー)でアクセントをつける
狭小地だと建物に凹凸を作れないため単調なデザインになりがちなのですが、スタイリッシュな陸屋根の長方形に木目のスクリーン格子(ルーバー)を合わせることで、柔らかさを演出しています。
玄関と同系色を用いることでセンスがぐっとアップしていますね。
スクリーン格子は外からは中が見えにくいので、道路面に設置すると機能的です。もちろん採光も取れますし、中から外は見やすいんです。
木目のスクリーン格子をアクセントして取り込むことで、単調にならず柔らかいイメージになっています。
スクリーン格子と玄関、それに門柱と木目を合わせることでおしゃれ度が上がっていますね。
スクリーンは外構フェンスなどと色を統一してもいいと思います。
スクリーン格子はデザイン+機能性の両方を兼ね備えていますが、金額は高めです。しっかりと予算を組んでおきましょう。
4-2.サッシでアクセントをつける
サッシには採光や外気を取り込むなどなど、たくさんの機能がありますが、外観にアクセントをつけるというポイントもあります。
間取りの機能性と外観デザインとのバランスを取りながら、おしゃれに仕上げていきましょう。
縦スリットのサッシを1階と2階で統一することで、おしゃれなアクセントになっています。
また、サッシに合わせてアルミパネルを使っているのは斬新でいいですね。
道路面ですが、曇りガラスにしていないところはこだわりのアクセントのはずです。
北や西側が接道している場合は、サッシの数を極端に減らすことで生活感が無くなりスタイリッシュな外観になります。
そこにワンポイントだけアクセントしてサッシを入れるテクニックはかなり使えます。
南道路の場合は、採光などの問題もあり、接道面のサッシを減らすのは難しいでしょう。
小窓を3つ、同じ高さで並べることでワンポイントのアクセントになっています。
3連サッシと木目のスクリーン格子のアクセント2つがデザイン性をアップしていますね。
小窓はサイズや高さを調整することで、統一感が出ておしゃれになります。建物の4面ともに統一するのは難しいですが、接道面だけでもこだわって統一感を出すと良いでしょう。
fa-caret-square-o-rightサッシについてまとめたページもあります。
5.おすすめの外観テクニック
5章では、今まで紹介したポイント以外で、外観をおしゃれにするテクニックを2つ紹介します。
5-1.袖壁(そでかべ)を活かす
画像の左に茶色の壁がありますが、これを「袖壁(そでかべ)」と言います。
袖壁は建物を支える壁の機能はなく、単純にデザインのためだけの壁です。
画像のように袖壁にアクセントカラーを加えることでおしゃれな仕上がりになります。
袖壁は敷地の関係などで建物に凹凸がつけられなかった場合など、アクセントをつけるのにとても有効です。
ぜひテクニックとして覚えておきましょう。
袖壁を建物価格が上がりますので、建築会社に事前に金額を確認しておきましょう。
5-2.外壁を3つの色で遊ぶ
建物の凹凸に合わせて3色の外壁で遊んでいるデザインです。
配色の黄金比を無視して、思い切って挑戦している感じですね。
せっかくの注文住宅で新築するわけですから、失敗を恐れず思い切ったカラーに挑戦するのもすごく良いと思います。
カラーの配色を建物の凹凸に合わせるなど、基本をしっかりと押さえておけば、色んなカラーで遊んでも失敗はなかなかしないものです。
6.まとめ
新築の外観デザインをアップする方法はお分かり頂けましたか?
外観や間取りは建築会社の営業マン・設計士・コーディネーターを打ち合わせしながら作り込んでいくものですが、やはり皆さんが「どんな外観にしたいのか」というこだわりを持ちつつ、外観を良くするテクニックの基本を最初から知っていた方が絶対にデザインは良くなるはずです。
ぜひ素敵な外観の住宅を作って下さいね。
なお、外観を良くするにはどうしてもコストが掛かります。
fa-caret-square-o-right逆に費用を押さえてコスパを良くするためには外観デザインにこだわらないという考え方もあります。
外観・間取り・費用とそれぞれのバランスをしっかりと考えながら家づくりを進めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。