オール電化イメージ

新築でオール電化にすべきかガスにすべきか迷う方も多いと思います。

今回はそんな悩みを解消できるように、オール電化のメリットとデメリットを解説していきます。

本記事の内容はこちらです。

本記事の内容
  • オール電化とは何か、念のための確認ができる
  • オール電化のメリット・デメリットが分かり、ガスにするか判断できる

では早速解説していきます。

 

1.オール電化とは何か、念のためにおさらいしておこう

間違って覚えてしまっている方もいるかもしれないので、念のためオール電化とは何かを解説します。

オール電化とは、キッチンコンロ・空調(一部)・給湯など、以前はガスを使っていた熱源を、全て電気を使った設備で賄っている住宅のことを指します。
全くガスを使わない住宅にする、ということですね。

ただ、太陽光発電システムはオール電化には含まれません(たまに間違えている方がいたので)。

また、オール電化とはガス設備から電気設備に入れ替えるだけです。後述しますが必ずお得になるシステムではありませんのでご注意下さい。

オール電化住宅では、以下の設備が入れ替わります。

  • ガスコンロ ⇒ IHクッキングヒーター
  • ガス給湯器 ⇒ エコキュート(高効率電気温水器)
  • ガスや灯油の暖房器 ⇒ エアコン、温水床暖房、蓄熱ヒーターなど

     

     1-1.オール電化に使われる設備と特徴

    IHクッキングヒーター
    オール電化に使われる設備を一つずつ簡単に解説します。

    ■IHクッキングヒーター
    使ったことが無い人でも、存在を知らない人はほぼいないですよね。
    IHは電磁誘導加熱という意味で、渦巻きコイルから発生する磁力線によって、渦電流ができ、電流が熱に変わる調理器具です(IH専用調理器具が必要です)。
    IHクッキングヒーター本体は熱を発しませんので、加熱中に触っても平気です(フライパンや鍋を加熱後に触ると、余熱が残っていて火傷します)。

    ■エコキュート
    今や住宅業界では当たり前になっている高効率の電気給湯器です。
    ヒートポンプという仕組みを使って、空気の熱を有効活用するので省エネ効果が高く優れものでです。
    室外に設置されたファンが外気の熱を吸収し、熱を発生させることでお湯を温めます。

    ■床暖房や蓄熱ヒーターなどの暖房
    オール電化だからと言って、床暖房や蓄熱ヒーターを導入しなくてはいけないわけではありません。
    エアコンのみや全館空調でも問題ありません。
    ただ、床暖房や蓄熱ヒーターは少ない電力で温めることができるので、省エネ効果は高くオール電化との相性は良いです。

    全館空調や全館床暖房についてまとめたページもあります。

     

     1-2.初期投資はほとんど必要なくなった

    少し前までオール電化には初期投資が必要、というのが常識でした。

    しかし最近では高断熱・高気密のZEH(ゼッチ)ネットゼロエネルギーハウス基準の普及に国も建築会社も力を入れていますので、設備もどんどん進化して、オール電化に余分な初期投資が必要無くなってきています

    オール電化にしてもガスにしても料金が全く変わらない、変わっても料金差は少しだけ、という建築会社が主流になってきています。
    オール電化かガス、どちらを選択しても問題ありません。

     

     1-3.オール電化で必ずお得になるわけではないので注意!

    オール電化にすると、ガス代は無くなり、電気料金が上がる形になります。

    ガス代の基本料金分を支払う必要が無くなりますので、オール電化は経済的にお得になるイメージがあります。しかし、ガスコンロやエコジョーズ・エネファームと言った高効率のガス給湯器もあり、ガスと比較して必ずお得になるとは限りませんのでご注意下さい。

    もちろん、比較的にお得になるケースが多いとされていますが、お得になったとしても大きな差はありません。

    ただし、プロパンガス地域ではガス料金が高いので、ガスと比較してお得になる場合が多いでしょう。

     

    2.オール電化のメリットとは

    では、オール電化のメリットを5つご紹介していきます。

     

     2-1.電気の料金プランによって安くできる

    前章でオール電化にしても必ずお得になるわけではない旨を解説しました。

    ですが、生活スタイルに合わせて電気の料金プランを上手に選択することで料金を安くすることが可能になってきます。

    例えば、電気料金プランには「深夜の電気料金が安いオール電化向け料金プラン」や「朝得プラン」「夜得プラン」など様々な種類があります。
    (契約している電力会社によって様々なプランがありますし、プランが無い会社もあります)

    最も電気を使う時間帯を安いプランに合わせたり、逆に生活する上で安い料金の時間に電気を使うように工夫すれば(食洗器の使用を23時以降にタイマーセットするなど)、光熱費を安く抑えることができます。

    当然、ガスを使っていないからこそ、工夫した時の効果が大きくなるのはメリットの一つと言えます。

     

     2-2.太陽光発電システムと相性が良い?

    新築の太陽光パネル

    オール電化は太陽光発電と相性が良い言われますが、それはなぜでしょう。

    基本、電気代というのは昼間が高くて深夜が安くなります。

    太陽光発電システムが発電するのはもちろん昼間ですよね。

    つまり、電気代が高い時間帯に発電システムが電力を賄うわけですので、効率が良くなるわけです。
    オール電化の場合は太陽光発電の導入も視野に入れても良いでしょう。

    太陽光発電システムを導入する前には失敗・後悔しないポイントを下記ページでご確認下さい。

     

    また、太陽光発電システムにあるHEMS(ヘムス)というエネルギーマネジメントシステムを併用するとさらに良いでしょう。

    HEMSがあればいつの時間帯にどこで電気を使っているのかが見える化されます。

    HEMSはガスの使用量なども見られますが、オール電化であれば節電効果は高く前述した電気料金プラン選びにも役立つはずです。

     

     2-3.火災のリスクが減り、安全性が高くなる

    これはガスコンロからIHクッキングヒーターに変更することで生まれる大きなメリットの一つです。

    ガスコンロの安全装置も優秀にはなってきているようですが、やはりIHの安全性には敵いません。

    特に、小さなお子様がいたり、将来高齢になった時も火災になるリスクはかなり低くなるでしょう。

     

     2-4.掃除が楽、キッチンに熱が籠らないなどのIHのメリット

    掃除が楽になる、空気が汚れない、というのもIHクッキングヒーターのメリットの一つです。

    IHはガスと異なり、何かを加熱しても熱が対流しません。
    ですので、周りに油が飛びにくく、換気扇やIH周辺のキッチンパネルなどはガスに比べて汚れにくいです。

    また、形がフラットですので、掃除が非常に簡単と言えます。

    熱が対流しないのと合わせて、キッチン内に熱が籠らないのもメリットです。
    特に2018年の酷暑のような場合にはIHはマストと言えるかもしれませんね。

     

     2-5.貯水タンクが非常時に便利など、エコキュートのメリット

    エコキュートは少しだけ温まったお湯が、常に本体に溜まっている状態になっています。
    そのお湯を循環させるわけです。

    このお湯は災害時など、水が供給されなってしまった非常時にはとても有効です。

    少しずつ排水しながらその水を使うことができます。

     

    3.オール電化のデメリットとは

    オール電化デメリット

    続いて、オール電化にした場合のデメリットを解説していきます。

     

     3-1.昼間の電気代が割高になる可能性がある?

    メリットの部分に記載しましたが、電気料金は昼間の電気代が割高なプランが多くあります。

    ですので、特に昼間に電気を良く使う生活スタイルの場合、オール電化にした方が電気代は高くなる可能性があります。

    太陽光発電を組み合わせたり、電気料金プランを見直すなどの対策が必要です。

     補足
    夜間電力は低く設定されていることがあるので、トータルで電気代が下がれば問題ないと思います。オール電化にしたことでトータルで電気代が高くなってしまうケースは稀ですので、過度の心配は不要です

     

     3-2.ガスに比べて料理が美味しく無い

    IHクッキングヒーターのデメリットの一つです。

    やはり、料理に関しては、ガスの火の方が美味しく感じるのは一般的です。

    IHの場合ですと加熱するだけですので、火の香ばしさはどうしても少なくなってしまいます。

    これには個人差がありますが、料理好きの方には最大のデメリットと言えるかもしれません。

     

     3-3.水圧が弱くなる(湯切れ)、騒音などエコキュートのデメリット

    エコキュートのデメリットです。

    エコキュートの仕組みとして、貯蓄しておいた大気熱を利用してお湯を沸かします。
    その為、宅内で一気にお湯を使って、エコキュート内の水が空になると湯切れを起こすデメリットがあります。

    新築時にエコキュートの容量の大きさを選べますので、住宅営業マンや設計士と相談してサイズを決めましょう。

    特に家族の人数が多い場合、連続で3名以上がシャワーを浴びるような環境の場合は、料金が上がりますが、大きめの容量を選択しましょう。

    また、エコキュートの室外機は低周波の音を出します。
    近隣との境界までの距離が短くならないように配置に注意しましょう。

    北側などの狭い通路などのデッドスペースに置きたいのが人情だと思いますが、建物と境界までが1m以内の場合は注意しましょう。

     

     3-4.停電時は全ての機能が停止してしまう

    ガスと比較して、停電時にお湯が使えなくなったり、火が全く使えないのはデメリットと言えます。

    こればかりは懐中電灯などの防災グッズを定位置において対策するしかないでしょう。

     注意
    災害時の復旧がガスに比べて電気の方が早いケースがほとんどですので、過度の不安は必要ないでしょう

    本当にオール電化が停電に不利かどうかまとめたページもあります。

     

     3-5.ガスとの併用は難しく、将来の切り替えも費用が大きい

    現役時代に契約して頂いたあるお客様の話です。将来電気料金が高騰した場合に、ガスに切り替え出来るように、基本はオール電化だけどガスの配管だけ通しておいて欲しい、という要望がありました。

    対応している建築会社もあるのかもしれませんが、現実的にこれは出来ないと思った方が良いでしょう。

    ガス配管工事費用が余分にかかる上、ガス配管を通しておくことは、基本ガス設備と接続しておく必要があります。
    オール電化の場合はガス設備がありませんので接続しておくことはできません。

    また、ガスを引く以上、毎月基本料金が発生します。
    というか、そもそもガス会社側が嫌がります。

    上記理由から、将来オール電化からガスに切り替えるのも配管工事なども考えると、かなり費用が大きくなることもデメリットと言えるでしょう。

    ガスからオール電化に切り替える方が比較的簡単です。

     

     3-6.お湯がそのまま飲めなくなる?

    エコキュートのお湯飲めない

    エコキュートのデメリットの一つです。

    エコキュートは常時タンクにお湯を蓄えていますので、定期的なメンテナンスをしっかりしていないと、衛生的ではありません。

    それもあって、エコキュートのメーカーはお湯を飲料水として飲むのはあまり推奨していません。

    ですので、エコキュートからのお湯は、沸騰させたりしてから飲む必要があるのはデメリットです。
    ※水(水道水)はエコキュートを通さないので問題ありません。

     

    4.まとめ

    オール電化のメリット、デメリットは把握できましたか?

    ガスとの比較をまとめると、オール電化は電気料金のプランを見直すなどの工夫をすれば、電気代が安くなる可能性が高いです。

    反面、やはり料理や災害時に火が使えないというデメリットが大きいと思います。
    オール電化かガスは、「光熱費VS料理の味」という構図になるでしょう。

    太陽光発電システムを導入する、またはプロパンガスの地域である場合も、迷わずオール電化で良いと思います。

     

    最後までご愛読頂きまして有難うございました。

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