「住宅営業マンって、調子がいいこと言うし、笑顔をふりまくけど、その裏の本音は何を考えているの?」
「住宅営業マンの本音が分からない。良い営業マンってどうすれば見つかるの?」
満足の家づくりにするためには、なるべく良い営業マンと出会った方がいい、と誰もが思いますよね。
でも、営業マンは厚い仮面をつけている人が多いから、本音も分かり辛いし、すぐに良し悪しの判断はつかないもの。
そんな家づくりを目指す人に向けて、良い営業マンの判断材料となるよう「住宅営業マンの本音」を赤裸々に記載していきます。
目次
1.住宅営業マンに対する一般的なイメージ
住宅や不動産の営業マンに対するイメージってありますよね?
それも結構悪いイメージが多いのではないでしょうか。
以前、不動産関係者のイメージアンケートが取られたことがニュースになっていましたので、Twitterで呟いたことがあります。
不動産営業マンのイメージアンケート、
去年に続いて「口が達者」が1位。
2、3位の「しつこい、強引」の割合は変わらないのが残念だね。
営業とのやり取りで嫌だと感じた1位が「事前にデメリットを教えてもらえない」
顧客の求めている営業スタイルは明確なんだけどね。https://t.co/IRmt79ZV2i— あずた@元住宅営業トップセラー (@todo4x) August 28, 2019
【今年の不動産関係者のイメージアンケート】
1位「口が達者」46.5%
2位「しつこい」35.5%
3位「強引」28.5%
4位「地域に詳しい」25.0%
口が達者は去年28.1%より大幅アップ、しつこいイメージが下がったのかも。
でもやっぱり悪いイメージが強い不動産の仕事。
信用を勝ち取ることが大事ですね。— あずた@元住宅営業トップセラー (@todo4x) 2018年9月12日
2019年、2018年ともに「口が達者」「しつこい」「強引」などの悪いイメージが多い。
2017年より以前はもっとイメージが悪く、少しずつ改善されつつあるようですが、まだまだ顧客目線の営業にはなっていないようです。
このようなイメージになってしまったのは、住宅営業マンの「環境」や「本音」に関係があると私は思います。
2.住宅営業マンが置かれている環境
住宅営業マンの本音を解説する前に、営業マンが置かれている環境をなんとなく理解しておいてもらった方が、「本音」がスムーズに納得してもらえると思います。
それに住宅営業マンの本音を見抜き、良い営業マンに出会って頂くためにも、「環境の理解」はきっと役立つはずです。
2-1.生活するために必死
有名な話ですが、ハウスメーカーや工務店の住宅営業マンの多くは、給料が歩合制(インセンティブ制)になっています。
つまり家を売らないと給料が増えません。
また、ほとんどの建築会社で仮に1棟も売れなかったとすると、生活をギリギリ維持できるレベルの給料しかもらえません。
家族を養うには足らないでしょう。
会社によっては固定給が高いところや、インセンティブが無いところもあります
ですので、生活を守るために住宅営業マンは必死になります。
売れないと生活できるか不安になってくるので、強い焦りもあるでしょう。
もしも必死でないなら
「平均以上に売れているか」
「他に収入があるか」
どちらかでしょう。
だからこそ、売れていないと必死になってしまい、結果、焦ることで「しつこい営業」「強引な営業」になってしまうわけです。
元住宅営業マンとしては言いにくいことですが、こういったしつこい営業、強引な営業をする住宅営業マンは「売れていない人(会社)」か「やる気のない人」なので断った方が良いかもしれません。
売れていない人・会社の場合「商品(住宅)・価格・提案力・営業力」など、何かが欠けているからです。
fa-caret-square-o-right住宅営業マンの断り方は下記ページにまとめています。
2-2.基本的に時間に追われている
住宅営業マンの多くは時間に追われています。
売れている営業マンはもちろん忙しい。
多数のお客様と商談・契約後の打ち合わせをし、さまざまな書類・図面を作成・チェックし、銀行・公的機関(建築指導課)などに行ったり電話したりとバタバタです。
ただ、不思議と売れていない営業マンも忙しい。
上司などから叱られ、雑務をやり(やらされ)、営業の練習をしています。
それに、売れていない人は経験値が足りないため、打ち合わせや段取りに手間取るなど、結局バタバタします。
現在は少しずつIT化が進み効率が上がっているハウスメーカーもあるようですが、「どんな業務においても時間をかけたくない」と常に思っています。
2-3.周りの人間はサポートしてくれない
住宅営業マンは個々の能力に頼る部分も大きく、お客様対応は基本1名になります。
トラブルなどが発生するとかなりの時間や労力が必要となり、上司も付きっ切りでカバーしてくれることも少ないのが実情です。
つまり、住宅営業マンは同じ会社の人からサポートされにくい環境にあると言えます。
そのため、お客様に間違った情報を伝えたり感じの悪い対応をしたところで、見ている上司がいないので注意や指摘されることがありません。
お客様自身が間違った情報に気が付いたり、対応が悪かった時に上司に伝える必要性もあるでしょう。
3.契約前のお客様へ思う本音
ここでは住宅営業マンが契約前にお客様に対して思う本音を4つ解説していきます。
3-1.1日でも早く契約したい
1章で解説したように、住宅営業マンのイメージのランキングの中に「しつこい」とありますが、それは営業マンが本気で「1日も早く契約したい」と思っているからです。
その理由はいくつかあります。
- 歩合制(インセンティブ)は基本、契約から1年前後あとになるため(引き渡し後)、早く収入がほしい
- 上司も店舗、エリアの売り上げ棟数によって給料が変動するため、部下へのプレッシャーがすごい
- ハウスメーカーは回転率を上げるため、早期着工・早期引き渡しが命題となっており、さらに従業員にプレッシャーをかける
このように、営業マン本人、上司、会社ともに「早期契約」することは利害が一致するため、1日も早く契約したいと考えるわけです。
3-2.契約前の客は「お客様」ではない
特に注文住宅の場合、契約前のお客様とはプランの打ち合わせをしたり、いろいろなモデルハウスに回るなど、繰り返し会うことになります。
もちろん、自社のハウスメーカー・工務店で家を建ててほしいため、営業マンは下手に出ますし、一生懸命に提案・プレゼンをします。
ただ、住宅営業マンの本音としては「契約前に打ち合わせをしている方はお客様ではない」と思っています。
断っておくと、けっして悪意があってそう思っているわけではありません。
契約前の方はまだお金を払っているわけでもありませんし、あくまでも人と人、対等な立場であると考えています。
ですので、例えばとても横柄な方、理不尽な方には営業マンの方から断る、という選択肢があるわけです。
3-3.売れている人ほど客を選ぶ
これは、営業マンの本音、というよりも売れている営業マンの「特徴」といった方がいいかもしれません。
2-2章で解説したとおり、住宅営業マンは日々時間に追われています。
そのため、経験値や力のある、売れている営業マンは客を選ぶ傾向にあります。
例えば次のようなお客様はあえて契約にならないように事を運びます。
- 予算が届きそうにない方
- 社会常識から外れているような言動をする方
- 神経質で細かすぎる方
批判を覚悟でお伝えしますと「かなりめんどうな方」は避ける傾向にあります。
のちのちトラブルなどが発生すれば、営業マンによっては死活問題になるからです。
3-4.予算が届くお客様とは、なんとか次に会う約束をしたい
家を買うにはどうしても「お金」が絡んでくるため、営業マンとしては年収などのデリケートな部分に踏み込む必要があります。
それに住宅ローンも絡み、かつ、注文住宅では各ハウスメーカーでどれくらいの予算が必要かが分かりづらい。
当然、お客様としても予算が届くか分からなくなるわけです。
注文住宅の場合、お客様の家族構成や、要望、土地の広さなど、さまざまな要因で金額が上下するため、さらに分かりにくくなります。
つまり、住宅営業マンとお客様が少しは会話して情報共有しないと、予算が届きそうか分からないわけです。
住宅営業マンとしては、モデルハウスに来た方に対応しながら「予算が届く方であってほしい」と毎回願っています。
そして、予算が届く方であれば、何とか次回のアポイントにつなげようと必死になるわけです。
4.お客様と契約した後の住宅営業マンの本音
注文住宅の場合、契約した後は、引き渡しまで何度も営業マンと顔を合わせることになります。
その中で、お客様に対してどのようなことを考えているのか、「本音」を3つほどピックアップして解説します。
4-1.紹介が欲しい
住宅業界ではお客様がリピートすることはほぼありませんが、一定の割合で紹介があります。
特に紹介してもらったお客様は最初から住宅営業マンや建築会社に対してプラスのイメージを持っているはずですので、契約してもらえる確率は高め、と営業マンは考えます。
ですので、住宅営業マンは契約後も一生懸命に対応して、ぜひ紹介して欲しいと考えている場合がほとんどです。
4-2.トラブルは絶対に起こしたくない
新人以外の住宅営業マンは住宅業界のトラブルの恐怖を知っています。
特に住宅業界のトラブルは大ごとになることがどうしても多くなります。
最悪のケースでは何百万円の損害になることもありますし、解決するまでに何週間、何カ月とかかる場合もあります。
お客様にとってもたまったものではありませんが、営業マンは大きな罪悪感と共に、膨大に時間は奪われ、食事が喉を通らなくなることだってあるでしょう。
ですので、営業マンはなるべく契約後はしっかりと対応して、トラブルが無いように心がけます。
4-3.万が一トラブルが起きた時のために、信頼関係を作っておきたい
もしも工事中に職人のミスでトラブルが起きたとします。
それを謝罪して解決をはかるのは住宅営業マンです。
そんな中、お客様と営業マンの信頼関係がなかったらトラブルは悪化するでしょう。
そうはならないように住宅営業マンは親身に接していくように心がけています。
上記解説した「本音」は住宅営業マンにとって利害に関わる部分をまとめましたが、私の知る限り本心からお客様の笑顔を見たいと思っている営業マンの方が多いです。
お金だけ欲しい、とだけ考える方は住宅営業マンは長続きしないでしょう。
5.営業マンと接する上でのリスクや良い営業マンに出会うための方法
前章まで、住宅営業マンの置かれている環境やお客様に対して思っている「本音」を解説してきました。
ここでは、営業マンと接する上でのリスクや良い営業マンに出会うための方法を解説します。
5-1.住宅営業マンは無意識にウソをついてしまう
住宅営業マンはまったく悪気がなかったとして、無意識にウソをついてしまうことがあります。
例えば契約を取りたくて、競合他社の商品をけなす営業マンがいるとします。
「〇〇社の断熱材は時間が経つと縮みますよ」
このセリフは実際に私が勤務していたハウスメーカーが競合他社に言われた悪口です。
実際に断熱材が縮むわけはありません。
ですが、この悪口を言っている住宅営業マンは、どこかでそんな都合の良い情報を手に入れ、本気でそう思っている可能性が高い。
逆に豊富な知識があれば、自社と他社のメリット・デメリットをお客様にしっかり伝えることで信頼関係を築くことができるはずです。
しかし、知識がないからこそ誤ったことを無意識に言ってしまうわけです。
挙句、その間違いを指摘してあげる上司はいないので、改善される可能性は低くなります。
悪意は無いのでしょうが、結局、住宅営業マンから得る情報は、買う側がしっかりと精査して確認しないといけません。
5-2.良い住宅営業マンの見抜き方が分かっても選べない
良い営業マンを見分けるのは案外簡単です。
fa-caret-square-o-right良い住宅営業マンの見分け方は下記ページにまとめています。
ですが、厄介なところは住宅営業マンは「選べない」、正確には「選びにくい」というところです。
上記ページにも記載していますが、住宅展示場ではどの営業マンがお客様対応するかは「順番」で決まります。
ですので、気に入っているハウスメーカーや工務店があっても、営業マンは買う側では選べません。
営業マンを変えてもらうことは可能ですが、なかなか言い出しにくいですよね。
つまり、良いハウスメーカーや工務店と出会うことは簡単ですが、良い住宅営業マンと出会う確率は低く、運に左右されてしまいます。
具体的な解決策は下記ページにまとめていますので、ご参照ください。
5-3.新築で失敗しないために第三者のアドバイスが必要
ハウスメーカーや工務店選びの際は、集めた情報を精査しなくてはいけません。
契約した後も、住宅営業マンがしっかり対応してくれているのか、間取りは問題ないのか、住宅ローンのアドバイスが適正なのか、などなど、様々な情報を精査しなくてはいけません。
もし友人・知人に住宅に詳しい方がいればなるべくアドバイスをもらいましょう。
もし、身近な人に詳しい方がいない場合は、下記サービスを利用するのも良いと思います(契約前に限ります)。
「無料」で、住宅の専属アドバイザーから何度でも相談できるサービスがあります。
ハウスメーカー選びから住宅ローンのこと、スケジュールや間取りのことまでサポートしてくれます。
ハウスメーカーの営業マンとソリが合わない時も、相談すれば代わりに対応してくれるはずです。
6.まとめ
住宅営業マンの本音や、住宅営業マンに気を付けなくてはいけないポイントなど、お分かりになりましたか?
どんなに住宅営業マンの良し悪しを見抜けるようになっても、選べないのが住宅営業マンです。
だからこそ、買う側の皆さんがしっかりと知識を蓄え、また第三者のアドバイスももらいながら、新築計画を進めることが大事です。
ぜひ営業マンに振り回されず、後悔しない住宅になることを願っております。
なお、建築会社選びで失敗しないためには、失敗の原因をしっかりと把握しておく必要があります。
ぜひこちらの記事もご参照下さい。
最後までご愛読頂きまして有難うございました。