「いろんな営業マンに、タイルやサイディングとか外壁材のメリットやデメリットを教えてもらったけど、結局どれがいいか分からない!」
特に2020年度版ということで、進化してきた最新の外壁材でのおすすめをズバリお答えしていきます。
本記事の内容はこちらです。
- 新築での外壁材の種類や特徴が分かる
- 最近の標準仕様の外壁材や、タイルなどにアップグレードした場合の価格差
- 最終的には最も進化したサイディング材がオススメだけど、その理由が分かる
では早速解説していきます。
目次
1.新築の外壁材の種類や特徴
本章では、最近の注文住宅業界で主に使われている「外壁材」の種類やその特徴を解説していきます。
他のサイトを見ても、外壁の種類は細かく分けるとたくさんありますが、大きく分類すれば以下の3種類になります。
- タイル
粘土、石、土などなど、自然の素材を1300度の高温で熱して固めた薄いブロック(タイル)を張り付けていく外壁。 - サイディング
セメント質と繊維質を混ぜたものや金属や木材など、様々な原料などでタイプが異なる。板状に作られ、それを張り付けていく外壁。 - 塗り壁
モルタルや漆喰(しっくい)、土など様々な素材があるが、それらを下地として塗って仕上げる外壁。下地の上に塗料をスプレーガンなどで吹き付ける場合もある。
この3種類さえ覚えておけば、問題ないと思います。
その他、ALCやRCなどのコンクリート系やレンガ系などの外壁材もありますが、特殊な施工・デザインのハウスメーカーや工務店しか扱っておらず、あまりポピュラーではないので本記事では割愛します。
では1つずつ特徴を解説していきます。
1-1.タイル
3種類の中で「タイル」は最も高価です。
その分、耐久力が高く、タイルそのものはほぼ劣化しません。また、傷などにも強い素材です。
初期投資が大きい分、メンテナンスコストは最も低くなります。
厚みがしっかりあり、凹凸がはっきり分かるので、高級感が出る素材です。
メンテナンスフリーとうたっているハウスメーカーや工務店もありますが、実際には目地の部分が劣化することもありますし、汚れたりカビることもあるので、清掃費用も発生します。
どんなメーカーのタイルであろうが、メンテナンスが無くなるわけではありませんのでご注意下さい。
1-2.サイディング材
3種類の中で最も主流となっているのが「サイディング材」です。
タイルよりも安価で使い勝手がいい素材で、かつタイルよりも軽いため耐震に向いている特徴があります。
現在は素材・デザインなど種類も多く、選択の自由度も高いです。
タイルに比べ、サイディング自体は色褪せが発生するので、10~25年ほどで塗装しなくてはいけないのがデメリットの1つ。
また、目地の部分はタイルよりも劣化が早く7~10年ほどでメンテナンスが必要になるなど、タイルよりもメンテナンスコストが掛かります。
fa-arrow-circle-rightメンテナンス費用については下記ページにまとめています。
なお、サイディングは素材別に種類が分かれており、基本的に下記3種類を把握しておけば問題ありません。
- 窯業系(ようぎょうけい)サイディング
セメント質と繊維質を混ぜたものをベースとした素材。最もポピュラーでデザインや種類が豊富なサイディング。 - 金属サイディング
金属をベースとした素材。窯業系よりも高価で、長持ちする特徴がある。金属なので、無機質な雰囲気・デザインになる。 - 木製サイディング
木をベースとした素材。色褪せや劣化が早いのが特徴。天然木のサイディングもあり、自然な風合いがある。
1-3.塗り壁
3種類の中で、初期コストはもっとも安く、またカラー・デザインは最も選択肢が多い外壁です。
しかし、3種類の中では1番劣化が早く、メンテナンス費用が高くなる素材となります。
ハウスメーカーや工務店によっては、高性能な吹き付け塗料を使うことで、15~20年以上ひび割れや色褪せが発生しない場合もありますが、その分高額になります。
ただ、一般的な塗り壁の場合、10年に1回は吹き付けをやり直す必要があるなど、メンテナンス費用がアップするだけでなく、手間も掛かってしまいます。
近年ではタイルとサイディングが主流となっており、塗り壁はどんどん使われてなくなっている外壁です。
最近の木造住宅では外壁と室内の壁との間に隙間を開けて湿気を逃がす「外壁通期工法」という作り方をしている建築会社が多くなっており、外壁と室内の隙間には防湿シートなどを入れたりもするのですが、その工法には塗り壁が不向きだからです。
外壁通期工法によって、壁内結露を防ぎ住宅を長持ちさせる効果があります
また、塗り壁は施工が難しく、仕上がりが技術に左右されたり、近年の職人不足もあるなど、いろいろな要因で使われなくなっています。
2.ハウスメーカーや工務店で標準仕様になっている外壁材とは?
ハウスメーカーや工務店では、それぞれの個性を活かし、様々な外壁材が「標準仕様」(本体価格に含む)になっていることがあります。
サイディングを標準仕様にしている建築会社もあれば、専用のタイルや塗り壁を標準仕様にしている場合もあります。
fa-arrow-circle-right標準仕様やオプションについては下記ページにまとめています。
上記ページにも記載してありますが、同じ外壁材を大量に仕入れることでコストを下げることができるので、特に大手ハウスメーカーではいろいろな部材・設備をパッケージ化し、建物を「1つの商品」として販売しています。
例えばサイディングが標準仕様なら、タイルにするとオプション費用が発生する、という仕組みになっているわけです。
なお、ほとんどのハウスメーカーでサイディングを標準仕様としていますが、一部の下記ハウスメーカーはタイルが標準仕様になっています。
※メーカーによっては商品シリーズによってタイルが標準の場合とそうでない場合があります。
タイルを標準仕様にしているハウスメーカーの価格帯はやはり高めになっていますが、クレバリーホームは比較的低い価格帯に位置していながらタイルを標準仕様としています。
その他、自然素材をウリにしている建築会社もありますが、上記以外のほとんどがサイディングを標準とし、タイルをオプションとしています。
3.新築の標準仕様からグレードアップした場合の価格差
「サイディング」を標準仕様としているハウスメーカーや工務店で、「タイル」に変更する場合のオプション費用はどれくらいでしょうか。
もちろん、選択するタイルにもよりますが、おおよそ坪単価3万円~5万円アップします。
30~35坪の家の大きさなら、「90万円~175万円」が相場となります。
また、タイルを標準仕様にしているハウスメーカーのタイルは、大量生産・大量仕入しているタイルだけあって、タイルの中でも低価格なタイルを使っていることが多いです。
逆にタイルをオプションにしているハウスメーカーのタイルはコストが掛かる分、性能というより、デザイン性に優れているものを使っているケースが多いと思います。
4.外壁材にこだわって注文住宅メーカーを選ぶ必要はない
本記事の2章で、ハウスメーカーや工務店によって標準仕様の外壁材が異なる旨の解説をしました。
例えば、タイルを標準仕様にしているハウスメーカーの住宅営業マンであれば、必ずタイルを良さをアピールするでしょう。
逆に、サイディングを標準仕様している場合、タイルの悪口を言ったり、外壁材以外の自社のウリをアピールするはずです。
確かに優れた外壁材を標準仕様としているなら、それを大量仕入れしているので、そこだけ見ればお得感があるかもしれません。
ですが、結局タイル分の仕入れコストは本体価格に含まれていますし、その他の建材や設備の仕入れは安くなっているわけではありません。
つまり、タイルを標準仕様にしている建築会社でも、サイディングを標準仕様にしているメーカーでタイルにオプション変更しても、建材や設備をトータルで考えると結局価格と品質は比例しています。
例えば、外壁材に限らず、水回り設備をウリにしている建築会社、断熱材をウリにしている建築会社、など、どこかのポイントを「お得に見せている」だけなのですから、外壁材だけを比較してハウスメーカーや工務店を選ぶ必要はありませんし、意味がないので止めておきましょう。
5.結論:コストバランスから考えると進化したサイディングがオススメ
本記事の本題、結論となります。
2020年度、現在のオススメ外壁材は「サイディング」です。
数年前までは、メンテナンス費も含めたトータル費用や、デザイン性などを考えると断然「タイル」がオススメでした。
事実、数年前のお金持ちの方の住宅は、ほぼタイルでした。
ですが、時代は変わり、今はサイディングが主流になってきています。
なぜサイディングが主流になってきているのか、またオススメの理由を解説していきます。
5-1.理由:今までのデメリットを補い進化しているから
サイディング材は安価で使い勝手が良いので普及してきましたが、その普及の過程で大きく進化してきました。
特にタイルと比較した場合のデメリットを補ってきました。
補ってきたデメリットを3つ紹介します。
補ったデメリット1:耐久性
サイディング材は10年で色褪せなどが進み、塗装し直さなくてはいけませんでしたが、最近は塗膜技術が進歩し、15~20年以上色褪せないようになってきています。
(塗膜保証がついたサイディング材も普及)
まだタイルと同レベルには至っていませんが、当然、傷にも強くなっています。もちろん金属サイディングであれば、耐久性はさらに高くなるでしょう。
補ったデメリット2:高級感
厚さ18~20mmほどの分厚いサイディングが登場していて、凹凸がタイルなみにはっきりしているので、高級感がしっかり出るタイプもあります。
オプションとして変更するケースが多く、費用がアップしますが、タイルと比較すると遥かに安く済みます。高級感を求める場合には最適です。
補ったデメリット3:防火性
防火性も以前に増してかなりレベルアップしています。
防火地域に使用できるサイディング材が多くなってきました。
上記のように、サイディング材はデメリットを補いつつ、軽量・コストが低い・デザインの選択肢が多い、というメリットはそのまま。
だからこそ、サイディング材がオススメなんです。
ローコストメーカーや低価格帯の建売住宅の場合では、以前のように劣化が早いサイディング材を使用している場合もありますので、どこのメーカーのサイディング材なのか、塗膜保証がついているか、などしっかりと確認しましょう
5-2.様々な種類のサイディング
さらに、サイディング材にはどんどん新しいものが登場してきています。
■長持ちする100%天然木のサイディング
※過去に住宅ニュースをTwitterで呟いたことがあります。
今まで外壁材に「天然木」なんて使ったら、すぐに傷んで最低でも10年に1回は高額メンテナンスしなくてはいけなかったのに、100%天然木で作ったサイディング材が開発されたそう。
年々風合いは変わるみたいだけど、しっかりと長持ちさせることが可能っていうのはすごい!https://t.co/qtk1asQDP1— あずた@元住宅営業トップセラー (@todo4x) 2018年10月19日
下記サイトで、外観デザイン別にハウスメーカーの住宅カタログを一括で取り寄せることが出来るのでぜひ利用してみて下さい。
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fa-arrow-circle-right外観デザインで失敗しないための方法をまとめたページもあります。
5-3.目地の部分も長持ちするようにグレードアップできるメーカーもある
最大の弱点でもあるサイディングの「目地・シーリング」に関しても、長持ちするタイプも登場してきています。
「高耐候シーリング材」といって、旭トステムやニチハなどの外壁メーカーから発売されており、15~20年ほど長持ちします。
オプションなどで若干費用が上がりますが、7~8年に1度目地部分を補修することを考えると、断然安上がりになるでしょう。
7.まとめ
個人的にはタイルの家も魅力的だと思いますが、ここまでサイディング材が進化し、コストパフォーマンスが向上してしまうと、完全にサイディング材の勝利と言えます。
現在の住宅業界にここまで普及しているのも、頷ける結果になっていると言えます。
ただ、本記事にも記載しましたが、あまり外壁材だけにこだわらず、メンテナンス費用なども含め、トータルで考えながら注文住宅メーカーを決めて頂ければと思います。
最後までご愛読頂きまして有難うございました。