新築の保証期間10年は短い? 建築会社で保証期間が異なる理由

建物の保証




今回は新築の保証期間について詳しく解説していきます。

 

「弊社は保証期間が30年となっており、とってもご安心です」

色んなハウスメーカーや工務店の住宅営業マンが長い保証期間をウリにしていますが、具体的に【保証】を詳しく説明している営業マンは少ないようです。

ただ、新築に関して将来に関わる安全だけでなく、家計にも大きな影響が及ぶ部分ではありますので、ぜひ当サイトでご理解いただければと思います。

1.新築の保証に関する質問が増加

お客様と商談させて頂いていると、最近は新築の保証に関しての質問が増えてきたように思えます。

山田さん
御社の保証は何年ですか?
営業マン
住宅の保証ですね。基本は10年ですが、10年後に弊社で有償メンテナンスをして頂ければ10年の保証期間がプラスされて最大20年の保証となります
山田さん
そうなんですね・・・。
営業マン
保証に関して何か気になることでもありましたか?
山田さん
・・・この間、他の住宅メーカーに行ったらそこは30年だから安心って言われてまして。せっかく御社が気に入っていたんですが20年ですとちょっと不安ですね
営業マン
そうだったんですね・・・。最近は確かに色んなハウスメーカーで保証の長さを競い合っている雰囲気で、長いところで60年も保証するメーカーもあります
山田さん
60年ですか? それはすごいですね。そこまでの保証が付く会社さんならきっと建物も高いんでしょうね
営業マン
確かにローコストメーカーではない建築会社さんですが、保証が長いからと言って建物が高くなるわけでは無いんですよ
山田さん
そうなんですか?
営業マン
はい、そうなんです。それに、山田さんが20年でご不安ということでしたら保証について少し誤解もあるかもしれません。少し詳しく保証についてお話しましょうか?
山田さん
ええ、ぜひお願いします

この会話は私が実際にハウスメーカーで勤務していた時に良くありました。
おそらく色んなハウスメーカーの営業マンが自社のウリを一生懸命に説明しているからこそ、逆に保証が短いと不安になってしまうのでしょう。

しかし、実際に新築の「保証」を詳しく解説している営業マンも少なく、
そもそも住宅の何を保証されているか知らないお客様も多かった経験があります。

以下、曖昧な「保証」について解説していきます。

2.新築保証の種類

一言で「保証」と言っても、新築には何種類かの「保証」があります。
ここでは少し種類をピックアップして整理しましょう。

保証の種類
  • 構造部(基礎、柱、屋根など建物の主要部分)、雨漏りに対しての保証
  • 住宅設備(給湯器、キッチン、サッシ、クロスなど建物に付随する設備)に対しての保証
  • 住宅瑕疵担保保険
新築の保証は大まかには上記3点に分類できます。
その他、地盤調査の保証など細かいものはありますが、一般的に新築の「保証」は3点に分類できます。

ハウスメーカーが競い合う保証期間の長さは構造部に対しての保証を指しています。
ですので、広く認知されているのは構造部の保証となります。
ただ、それぞれ保証期間も内容も異なりますし、重要な保証ですので、ここでしっかり把握しておきましょう。

3.住宅本体(構造部)の保証と期間

建物の保証
まずは構造部の保証に関して、期間のことも含めて解説していきます。
保証の中では最も重要で、かつ、最も誤解されやすい部分です。

 3-1.保証の対象

では最初に、建築会社の保証の対象を把握しましょう。

住宅保証の対象
簡単に言うと、新築の保証は基礎や骨組みなどの構造と雨漏りを対象としている、ということです。
20年、30年の保証は上記のみとなり、例外のハウスメーカーはまずありません。
住宅設備(給湯器、キッチン、サッシ、クロスなど建物に付随する設備)の保証期間は全く別になりますので注意して下さい。

保証の例え
例えば、新築7年後、地震やスコールなどの天災も一切に無かったのに急に雨漏りがしてきた。
ハウスメーカーに修理依頼したら、新築時の工事に不備があったことが判明した。
このケースだとハウスメーカーに修繕や損害賠償を請求できる、というのが構造に対しての保証となります。

上記例えで気づいた方もいらっしゃるかもしれません。
7年も経っているとハウスメーカーが新築時の工事の不備だと認めてくれないケースが考えられます。
特に7年後の雨漏りなんて、普通は新築したハウスメーカーに修理依頼すると思います。

その際、ハウスメーカーの担当が新築時の不備だと分からない場合も考えられますし、適当な理由を付けられる可能性だって考えられます。
疑わしい場合は他のリフォーム会社なりに検査してもらい、裁判で戦う必要だって可能性としてはあります。

つまり、保証期間が長いからといって必ず保証されるわけではありませんので、必ず「安心」ではないことを理解しておきましょう。

 3-2.ハウスメーカーによって保証期間が異なる理由

では、なぜ建築会社によって保証する期間が異なるのでしょう。

ここを解明するためには、以下2点説明する必要があります。

■10年ごとに建設したハウスメーカーでメンテナンスをすれば追加で10年の保証が付く
60年保証をウリにしているメーカーであれば、10年後ごとの合計5回、
そのハウスメーカーでメンテナンスをすれば60年の保証が受けられる、ということです。
1度でもメンテナンスをしない、または他のリフォーム会社にメンテナンスを任せると、保証は切られます。

この条件はどんなメーカーも例外はありません。

■新築後10年間は法律で保証が決まっている
2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で、10年間は構造を保証するように定められています。
つまり、どんなハウスメーカーでも工務店でも、新築は10年間の構造保証があるということです。

上記2点を踏まえた上で、建築会社の保証期間が異なる理由を説明していきましょう。

そもそも50年や60年という長い保証を付けるハウスメーカーの意図は何でしょう?

長い保証を付ける理由
  • ハウスメーカーの広告の為
  • メンテナンス費用を稼ぐ為
この2点です。

まずハウスメーカーの広告という部分に関してです。

上記解説した通り、10年間は法律で構造保証が定められています。
また、追加で20年、30年と保証を付けたところで、ハウスメーカーからみたら保証によって損害賠償する件数は非常に少なく、費用負担が小さいことがイメージ出来ると思います。

つまり、少ない費用で「安心」というイメージを訴求するための広告と言えます。

 

続いてメンテンナンス費用を稼ぐという部分です。

メンテナンスを独占して新築後も利益を確保していく、というのが建築会社にとって保証を長くする最大の理由と言えます。

あまり望ましくは無いですが、かなり悪い言い方をさせて頂くと、
「安心」を餌に利益を搾り取る、とも言えます。

※保証期間の長い建築会社を否定するつもりはありません。
他の会社にメンテナンスを依頼しても保証が切られるだけですので、施主には選択肢があります。
保証期間が長い建築会社が利益至上主義で悪意に満ちているわけでは決して無いでしょう。
ただ、住宅業界全体として、建築後の保証の在り方を、事例が少ないからと言って曖昧なままにせず、随時見直していく必要があると思います。

 3-3.高額なメンテナンス費用を払って「安心」を買う!?

10年の延長保証の時に発生するメンテナンス費用をもう少し解説していきます。

新築して10年経つと、ハウスメーカーから無償点検があります。
その際、メンテナンスの見積りが発行されます。
その見積りの通りに補修すれば、10年間、構造部の保証を延長する、というのが一般的な延長保証です。

その時の見積り金額はもちろん建築会社や住宅の大きさや状態によって大きく異なりますが、
おおよそ120~250万円の間になると思います。

ちなみに、無償点検、見積り、補修などは基本的に建築会社のリフォーム会社が請け負っているケースがほとんどです。

私が当時驚いた情報ですが、
新聞記事リフォームランキングで2位以降10位まですべて大手住宅メーカーが占めていたことがありました(2016年度売上ランキング)。

それも大手住宅メーカーのリフォーム会社のテレビCMはもちろん見たことがありませんし、インターネットやチラシなどなど、営業している姿を見たことがありません。
つまり、大手住宅メーカーのリフォームのほとんどは自社のお客様を対象としていることが分かります。
それだけ大きな売上、利益を出している業界ということです。

10年後、20年後、予算に余裕があれば高額なメンテナンス費用を払って「安心」を買う、ということでも良いかもしれません。
ただ、現状の保証内容ですと、本当の「安心」が買えるとは言い難い状況ですので、
長期保証があったとしても、高額なハウスメーカーのメンテナンスでは無く、ご自身で別の会社を探してメンテナンスすることも視野に入れて頂くことをお勧めします。

住宅を建てた建築会社にメンテナンスを任せるのも良いと思いますが、金額が高くなるケースがほとんどですので、リーズナブルなメンテナンス会社を探して計画的に行うのが良いでしょう。

戸建て住宅メンテナンスサイト
大手ハウスメーカーとのメンテナンス金額を比較する為にリーズナブルなメンテナンス業者様をご紹介!

戸建ての割安メンテナンスなら【イエコマ】

私が働いていた神奈川でも利用者が多く評判でした。施工数も多いので技術力も高いと思います。
■対応エリア
<関東>東京都(島しょ部除く)神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県
<東北>福島県・宮城県
<中部>静岡県・愛知県・山梨県・長野県・岐阜県(一部※)
<近畿>大阪府・京都府・滋賀県・和歌山県・兵庫県

 3-4. 10、20年後のメンテナンスが重要

色んな建築会社の考え方、リフォーム部門の体制などにより、保証期間が異なります。

ただ、重要なことは
「保証の安心」よりも
「住宅の定期メンテナンス」です。

これは車のエンジンオイルを定期的に交換するのと同じことです。

将来発生する住宅の修理費を少しでも抑えるためにも、前もった定期点検が必要です。
大手ハウスメーカーでも構いませんし、ご自身でメンテナンス会社を探して割安でメンテナンスでも問題ありません。

まずは点検と、傷んでいるところから補修を進めましょう。

⇒メンテナンス費用の詳細に関してはこちらで解説

4.住宅設備に関しての保証と期間

住宅保証の崩壊

続いて、住宅設備に関しての保証と期間を解説していきます。

設備の保証期間は構造部の保証期間が長いメーカーであろうと、短いケースが多いです。
特に住宅設備を作っているメーカーと保証期間が全く同じ、というケースが多いでしょう。

例えば、キッチン2年、サッシ1年、フローリング2年、外壁材5年、ユニットバス2年、給湯器3年、という形です。
建築会社の契約前でも、設備の保証期間の一覧表を見せてほしい、と住宅営業マンに頼めば確認できると思います。

※場合によっては、ハウスメーカーがオリジナルで作成している設備は少し長めに設定している可能性があります。
※ハウスメーカーによっては、主要な設備のみ10年などの長期保証としてウリにしていることもあります。

5.瑕疵担保(かしたんぽ)保険とは

続いて、保証の一つ、瑕疵担保(かしたんぽ)保険を解説します。

上記で解説しましたが、住宅の構造部の10年保証が法律で決まっていますが、
この瑕疵担保(かしたんぽ)も法律で定まっています。

新築10年以内に、新築時の工事に不備(瑕疵)があったとして、その時にハウスメーカーや工務店が倒産していたらどうするのか。

これを保護するのが瑕疵担保保険です。
ハウスメーカーや工務店はこの保険に加入することを義務付けられていて、
万が一倒産してしまった後に瑕疵が見つかっても、その保険のお金で補修ができるという仕組みです。

※潤沢な資金がある大手ハウスメーカーは保険に加入せず「供託(きょうたく)」のケースもあります。供託は、資金を法務局にプールしておいて、万が一倒産してもそのプールしたお金から支払われるという仕組みです。

6.まとめ(保証に関して気を付けるべきこと)

ここまで読んでいただけたら、概ね住宅保証に関してご理解頂けたと思います。

最後に保証に関して大事なことは以下の3点です。

■建築会社に異なる新築の保証を理解する
住宅構造部の保証、設備の保証など、ハウスメーカーによって内容も異なれば期間も異なります。
まずは契約前に全て確認しましょう。

■保証期間を気にしない
特に構造部の保証期間の長さを気にしないようにしましょう。
参考にする程度は問題無いですが、短いから不安になる必要は全くありません。
建築会社を選ぶ大事な基準は別にあります。

■メンテナンス費用を貯蓄していく
どんなハウスメーカーでも、メンテナンス費用は必ず必要です。新築後、少しずつでも良いので貯蓄していきましょう。
個人的には月1万円で良いと思います。

なお、ハウスメーカーと工務店では保証やアフターフォローなどの質が異なってきます。違いを知りたい方は下記ページをご参照下さい。

最後までご愛読いただきまして有難うございました。







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