【熊本地震で分かる】どのハウスメーカーも耐震への不安は必要ない?

連続して震度7が2回も続き、多くの被害が発生した熊本地震、1棟も倒壊しなかったハウスメーカーなら安心と思えますよね?

ですが、実はそもそもその発想が全く無意味で、多くの間違いや勘違いがあります。

挙句に「弊社は熊本地震でも1棟も倒壊しなかったから安心です」と自慢しているかなり適当で不勉強な住宅営業マンの言葉に振り回されて、非常に重要なハウスメーカーや工務店などの建築会社選びをしてしまったら、そんな不幸なことはありません。

2016年4/14~4/16にかけての熊本の震災により、私の勤務していた住宅展示場に来たお客様から、『耐震性』に関してのご質問が多くなりました。

そこで多くの方が色んな営業マンの言葉に騙され、たくさんの誤解が発生していたことを知りました。

そんな不幸を生む誤解が解けるように、熊本地震から分かる正しい耐震に関しての情報をお届けしようと思います。

本記事の内容
  • 耐震等級「1」と「2・3」の違い
  • 熊本地震とはどんな地震だったのか
  • 不安をあおる住宅営業マンとは?
  • 耐震から考える建築会社の選び方

なお、耐震・制振・免振に関してまとめたページもありますので合わせてご参照下さい。

1.避けるべきは家屋倒壊

住宅の地震対策で最も考えなくてはいけないのは【家屋倒壊】です。

1995年の阪神淡路大震災での死亡原因の77%が「窒息、圧死」となっていますし、直近の熊本の震災でも家屋倒壊が問題となってニュースで取り上げられていました。

ですので、以前新築を検討していた方は選ぶ住宅メーカーの耐震性能を確認する必要がありました。

しかし、どうやって耐震性能を確認すれば良いのでしょうか?

実はこれが難しく、判断の材料となる基準は国が定めている耐震基準「耐震等級1~3」をクリアしているかどうかがポイントになります。

では、そもそも耐震等級とは何なのでしょうか?

耐震の基本となる部分ですので、ぜひ覚えて下さいね。

 

2.耐震等級「1」

まずは耐震等級1とはどんな基準でしょうか。

耐震等級1の基準
  • 数百年に一度発生する(住宅の密集する都市で震度6強から震度7程度)地震に対して、倒壊・崩壊しない。
  • 数十年に一度発生する(住宅の密集する都市で震度5強程度)地震に対して、損傷しない。

この2つが建築基準法で定められた基準です。
安心された方もいると思いますし、曖昧な基準で逆に不安になった方もいると思います。

ここ数年の間に、東日本大震災と熊本震災と大きな地震が発生していますので、そもそも基準があやふやになってしまっています。

ただ、厳密には「壁量計算」といって、風や地震などの圧力に耐えられるための必要な壁の量を計算し、それがある一定の数字をクリアすれば耐震等級を取得できるというわけです。

 注意
※耐震等級1は、建築基準法として最低基準です。耐震等級1以上は義務付けられていますので、耐震等級が取れない家は現在建てることができません。 

 

3.耐震等級「2」と「3」

  • 耐震等級1の「1.25倍」地震に強くすると耐震等級2
  • 耐震等級1の 「1.5倍」地震に強くすると耐震等級3

となります。

 

※最高等級は3となります。4以上はありません。

ただ、耐震等級1と2は「1.25倍」の強さと数字では表現されますが、実は中身が大きく異なります

耐震等級2は壁の強さだけじゃなく、床や屋根の強さも加味されます。

例えば2階の床に穴の開いた吹抜けがあったとしても、きちんと補強して耐えられるだけの強さがあるのかを検討するのが等級2です。等級1は吹抜けなどは加味されていません。

※耐震等級2に少し壁を足せば3になりますので、2と3は金額的に大きな差はありません。

ここで、まず、耐震性能を選ぶ最初の基準は【耐震等級2以上】の住宅を選ぶということになります。

ほとんどのハウスメーカーや工務店が耐震等級2以上の告知してあるのは、そういう理由なんです(2018年8月現在はほとんどが最高等級3の告知)。

現在のハウスメーカーや工務店ではほぼ無いはずですが、万が一「耐震等級1」だった場合は選ばない方が無難であると言えます。

しかしながら、記載させて頂いた通り耐震等級の基準は範囲が広く曖昧です。

ギリギリ耐震等級2を取得している建築会社もあれば、余裕をもって取得している建築会社もあります。

では、一体どこのハウスメーカーや工務店を選べば良いのか、記載していきますね。

復習ですが、以下の2点をお伝えしました。

  • 国が定める耐震等級は2以上にしましょう
  • 唯一の判断基準である耐震等級だけではハウスメーカーや工務店は選べない

 

    では、一体どうやって地震対策をしている安心なハウスメーカーや工務店を選べば良いのか、ということを記載していきます。

    なお、木造住宅の【工法】についてまとめたページもあります。

     

    4.熊本地震を紐解く

    地震イメージ

    熊本県
    2016年4月14日 21時26分 震度7(マグニチュード6.5)
    2016年4月16日  1時25分 震度7(マグニチュード7.3)

    28時間の間に、2度、震度7の地震が発生ました。

    その前後に震度5~6の余震が複数回観測されています。

    倒壊した住宅は3万棟以上にのぼる大被害となりました。

    また、被害者の約7割が家屋倒壊だったそうです。

     

    4-1.住宅に巨大なダメージを与える条件が揃った地震

    熊本地震は内陸で起きた直下型の地震で、震源の深さはわずか11キロのところでした。

    そのため余震が多く、特に28時間に震度7が2回発生したことで、ダメージを受けて弱っていた住宅に追い打ちをかけた形になったことで倒壊数が一気に上がったと言えます。

    また地震が起きたのが深夜だったことも被害増加の要因の一つとなりました。

     

    4-2.倒壊した住宅の半数以上が旧耐震基準の建物

    現在の耐震基準は、過去何度か見直しがされました。

    1981年 耐震基準の大幅な見直し
    2000年 木造の耐震基準見直し(1995年阪神淡路大震災の影響)

    今回の熊本地震では、1981年の耐震基準の改正以前の建物は多数が全壊・半壊していることが分かっています。

    逆に直近10年以内に建てられた住宅は倒壊数は激減します。残念ながら10年以内でも違法建築の住宅や、運悪く地盤沈下が起きてしまった地域の住宅は倒壊してしまいました。

     

    5.不安を煽る「住宅営業マン」

    熊本地震から学べることは何でしょうか。

    「2,000年以前に作られた住宅に住んでいる方は至急、耐震補強が必要か見直し、必要とあらば補強を行うべき」

    ここが学ぶべきポイントです。
    逆に言えば、これから新築を考えている方にとっては活かすべき部分は少ないのです。

    ですが、一度このような地震が起きると、「不安」になるのも当然ですよね。

    実際に、私が勤務していたハウスメーカーでも「耐震等級は3に出来ますか?」という問い合わせが熊本地震以降、多くなったそうです。

    ただ、その「不安」を利用するのが住宅営業マンです。

    マーケティングの考えでも不安を煽って販売に繋げる手法は存在します。
    が、そこに落とし穴があります。

    • 「うちは最高等級3ですよ。ですのでご安心下さい。 あちらのメーカーさんは耐震等級2ですよね。安心できますか?」
    • 「うちは耐震という考え方では無く、制震という考え方・技術を使っていますので、ご安心下さい。」

    こういう営業トークが増えます。

    ですが、そんな営業トークに振り回されないために、下記2つのポイント抑えて下さい。

    6.営業トークに振り回されないポイント

    1.耐震等級3は、耐震等級2から壁の量(数)を増やすだけなので、どこの建築会社でも簡単に3が取得できます。

    つまり、耐震等級2以上あれば良いので、耐震等級2か3かの無意味な比較をして建築会社を選ぶ必要はありません。

     補足
    ただし、耐震等級3にすれば間取りの制限が出てきます。

     

    2.制震装置などを使っている(使える)建築会社もありますが、コストは大きく上昇します。

    2階建ての家くらいなら、確率論から考えるとコストを掛け過ぎの可能性が高いです。

    また地盤沈下が起きたら制震装置を付けていようが建物は倒壊する確率が高いことも頭に置いておく必要があります。

    耐震に限らず、住宅営業マンに振り回されないポイントは下記ページをご参照下さい。

     

    7.注文住宅を選ぶ

    では一体、耐震という考えからどうやってハウスメーカーや工務店を選べば良いのでしょうか。

    もしも、あなたが注文住宅で新築を検討されているのであれば、どこでも良いと思います。

    ハウスメーカーや工務店で住宅の性能や耐震技術に多少の差はあるでしょうが、
    業界全体で考えれば、日本の注文住宅業界は世界NO1の耐震技術を持っているのは間違いないでしょう。

    ですので、耐震技術で建築会社を選定するのでは無く、自分たちの理想の家を建ててくれそうな信頼のあるハウスメーカーや工務店を選べば良いと思います。

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    なお、建築会社選びで失敗しないためには、失敗の原因をしっかりと把握しておく必要があります。
    ぜひこちらの記事もご参照下さい

     

    最後までご愛読いただきまして誠に有難うございました。

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