【木造住宅の工法を比較】種類が多すぎ、結局どれが良いの?

「木造住宅の工法って色々あるけど、どの工法がおすすめなのか知りたい」

「木造の工法って種類が多いけど、分かりやすく整理して教えて欲しい」

家疑問くんそんな疑問や要望にお答えします。

 

 

木造住宅の工法は、以前は「在来工法(軸組工法)」「ツーバイフォー工法」と2種類を比較すれば問題ありませんでした。

しかし、最近は「木造ラーメン工法」「ドリフトピン工法」「ユニット工法」などなど、初めて聞くような工法が色々増えてきて、結局どれが良いのか分かりませんよね。

ですので、本記事ではどの工法を選んでいけばいいのか、分かりやすく解説していきます。

本記事の内容はこちらです。

本記事の内容
  • 色んな種類の木造工法を整理して考えられるようになる
  • 木造工法の種類がかいつまんで分かる
  • 結局、どういう形で木造の工法を選べばいいのか分かる

なお、「木造」と「鉄骨」についての違いをまとめたページもあります。

1.木造の工法を大きく分けると3種類

木造には色んな工法がありますが、2018年10月現在では、3種類の工法を覚えておけば問題ありません。

  • 木造軸組み工法(在来工法)
  • ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)(2×4工法)
  • 木造ラーメン工法

     

    何故この3種類だけ覚えればいいのか。

    それは、色んなハウスメーカーや工務店の色々な種類の工法は、どれも上記3種類の工法をベースにして加工されたり、組み合わされた工法に過ぎません。

    では1つずつ解説していきましょう。

    ※本記事では上記3種類の工法については一般的で簡単な解説しかしませんので、知らない工法の部分だけお読みください。

    1-1.木造軸組み工法(在来工法)

    軸組工法と在来工法比較出典:40歳にして、家建てるぞ!!

    日本の伝統的な工法で、大昔から日本の家屋のほとんどがこの軸組工法(在来工法)です。

    上記イラスト(右)の通り、基礎(土台)の上に柱や梁(はり)、筋交い(すじかい)などを組み立てる方法です。

    大工さんなど職人の腕に出来栄えが左右してしまう特徴があります。

     

    住宅の7~8割が軸組工法と言われてきましたが、近年では純粋な軸組工法の家は大きく減少しています。

    ■メリット
    他の工法と異なり、設計・間取りの自由度が高く、増築・リフォームに向いていると一般的に言われています。

    ■デメリット
    単一工法では、ツーバイフォー工法と比較して耐震に弱く、職人の腕に左右される傾向にあります。

     注意
    現在のハウスメーカーや工務店では純粋な軸組工法だけを採用しているところはほぼありません。耐震性を上げるための工夫などが施されています

    1-2.ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)2×4工法

    2×4インチの角材と合板を繋ぎ合わせて、箱状の空間を作っていく工法で、欧米から入ってきました。

    上記のイラストの通り、「柱」というより、「面」で作られた住宅、というイメージです。

    ■メリット
    面で支えられているため、耐震、耐風に強いと言われています。
    また、施工が比較的な簡単で職人によってムラが少ないです。

    ■デメリット
    設計・間取りの自由度に制限があり、増築には向かないと言われています。

     補足
    この工法には、角材のサイズが異なる2×6工法、2×8工法などもありますが、基本構造は同じです

    1-3.木造ラーメン工法

    ラーメン工法

    木造ラーメン工法は以前から大型施設などで採用されてきましたが、戸建てに普及してきたのはかなり最近です。

    また、もともとラーメン工法とは鉄骨の工法だったのですが、木造で採用されるようになった経緯があります。

    住友林業のビッグウッド工法がその代表ですが、太い柱によって「長方形の枠」を作り、それを組み合わせる工法です。

    ■メリット
    荷重に耐える力が強いため、壁や柱が少なくて済みますので、大空間を作ったり、大きな窓を採用しやすい特徴があります。

    ■デメリット
    比較的、コストが高くつきます。

     

    工法についての細かい知識や、詳しくメリット・デメリットは色んなサイトや、各建築会社で知識が入ると思います。

    本記事では、工法の詳しい部分は本質から離れると思いますので、かなり割愛します。

    ただ、上記3種類の存在と、簡単な特徴は掴んで頂ければと思います。

    2.各建築会社で工法が多様化し過ぎて比較が難しくなった

    多様化イメージ

    1章で、3つの木造工法を解説しました。

    ただ実際には、色んなハウスメーカーや工務店で様々な工法が誕生しています。

    ほんの一部ですが、紹介していきましょう。

    2-1.工法の種類

    1章でも解説した通り、木造工法は

    「木造軸組み工法(在来工法)」
    「ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)」
    「木造ラーメン工法」

    この3種類をベースに、各建築会社が加工した工法になっています。

     

    ■木造軸組み工法の系列

    ■シャーウッド工法
    積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」専用の工法。
    基本は軸組工法ですが、木材で土台を作らず、基礎部分に直接柱を建てる独自手法を使い耐震性や強度を上げている工法。

    ■ハイブリッド工法
    大手では桧家住宅が軸組工法を主体としながらツーバイフォー工法を組み合わせて強度を増す工法を採用している。
    ただ、軸組とドラフトピン工法を組み合わせたり、ACLを組み合わせてハイブリッド工法と呼称している建築会社もある。

    ■木造トラス工法
    木造の柱や梁などを四角ではなく、三角で組み合わせていく工法。専用の特殊プレートを使うことで木材を三角に接続することが可能になっている。
    四角よりも耐久力が高まる構造。

     

    ■ツーバイフォー工法の系列

    ■ツインモノコック工法
    一条工務店の工法です。ベースは2×6工法ですが、剛床など、軸組工法で強度を増すための構造を一部採用していますので、より強度を上げた工法となります。

    ■プレミアム・モノコック工法
    三井ホームの工法です。ベースは2×6工法ですが、使用されている板や金物が三井ホームオリジナルで強固になっている工法です。

     

    ■木造ラーメン工法の系列

    ■ビッグフレーム工法
    住友林業の工法。基本はラーメン工法ですが、住友林業オリジナルの集成材や接合方法を採用している。

    ■ヘッジ工法
    株式会社ディーファクトという会社で採用されている工法。これもラーメン構造にオリジナルの金物などを使用。

     

    ■その他の工法

    ■ドラフトピン工法
    柱などの木材の接合部にドラフトピンを使用することで釘を使わない工法。木材に穴を開けないので強度が増す。
    これは、木造のどの工法でも使用される。

    2-2.木造の工法は建築会社単位で作られた名称が多くなっている

    ここまで、一部の木造工法を紹介してきましたが、これはほんの一部に過ぎません。

    ただ、ここまでお読み頂ければ、もうお分かり頂けたと思います。

    木造住宅の工法は各建築会社がオリジナリティを出すために、ベースとなる3種類の工法に新しい技術をアレンジし、どんどん作り出されているわけです。

    つまり、「建築会社毎に工法が存在している」と言っても過言ではない状況になっているわけです。

    この無数の工法の中から「この工法が良い!」という比較自体、非常に難しく、また不可能に近い状態になっています。

    3.なぜ木造工法は多様化したの?

    差別化

    では、なぜここまで木造の工法は多様化してきたのでしょう?

    そもそも、なぜハウスメーカーや工務店は、それぞれの工法を採用しているのでしょうか?

    結論から言うと、次の通りです。

    結論: 各社の住宅商品を差別化するため

    例えば、住友林業はコストが高いのにビッグフレーム工法を採用しているのは次のような理由です。

    住友林業のターゲット層はおそらく40~60代、年収700~800万円以上の世帯です。
    特に馴染みのある木造住宅を好み、お金もあるので周りに自慢できるような大きな空間や窓がある家を建てたいと思う世帯。

    その他、例えば軸組工法をベースに採用しているメーカーは、屋根裏部屋や屋上庭園が低価格で作りやすい、というケースもあるでしょう。

    高い高断熱・高気密、耐久力をウリにしているメーカーは、必然と2×4がベースとなる工法になるでしょう。
    もちろん、設計の自由度が下がるデメリットよりも、耐久性を強みにしているわけです。

     

    つまり、各メーカーは商品そのものに独自性を持たせ、他社との差別化を図るために、様々な工法を作り出していることになります。

    4.どれだけ木造工法を多様化しても、大きく分けると狙いは2つしかない

    ただ、色んな工法が登場してきても、建築会社側の狙いを大きく分けると2つしかありません。

    工法の意図
    • 耐久性
    • 間取りの自由度

    どんな木造の工法でも、結局その狙いは、耐久性を上げるためか(耐震性・持続性)、空間を広くするなどの間取りの自由度、この2つのどちらか、またはその両方を上昇させているに過ぎません。

    実はこの2つ、もともと木造住宅の欠点でもあります。
    正確な木造・鉄骨住宅のメリット・デメリットとは( 古い情報に惑わされないで!) で詳しく記載しています)

    つまり、木造住宅そのものの欠点を補うために、各建築会社とともに工法を加工・改良してきたからこそ、ここまで多様化してきたわけです。

     

    木造住宅で色んな工法がありますが、この2つの視点から見れば、実は簡単に分類できるはずです。

    5.結論:工法だけで比較しても意味がない

    木造住宅イメージ

    冒頭にあげた「おすすめの工法」に関する答えですが、「木造の工法を比較すること自体、全く意味がない」という結論になります。

    全く答えになっていませんが、これが真相です。

    各メーカーともに「ウチのメーカーはこんな工法を使っているので、耐久性が優れています!」と告知していますが、どの建築会社も弱点を補うための工夫をしています。

    耐久性が低いと思われがちな「軸組工法」でも、現状は様々な工夫で頑丈になっています。

    耐震については下記ページにまとめています。

     

    ですので、工法のみで建築会社を比較すること自体がかなりナンセンスな時代になってきています。

    その建築会社がその工法を使っていることで、別の部分に必ず強みやウリが存在しているはずです。

    結局工法ではなく、トータルで比較するしかありません。

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    6.まとめ

    木造や鉄骨住宅のメリット・デメリットのページに記載していますし、私自身、木造住宅のハウスメーカーで勤務していた経験がありますので、はっきり言えることです。

    「木造住宅だから」とか「〇〇工法だから」という理由で耐震性が低いとか、デメリットが大きい、ということは、近年ではほとんどありません。

    住宅メーカーを探す際は、決して構造などに左右されず、自分たちの生活スタイルに合った建築会社を選んで頂ければと思います。

     

    ハウスメーカー・工務店選びで失敗しないための3つの原因と対策をまとめたページをご覧ください。

    最後までご愛読頂きまして有難うございました。

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