【解体見積りのチェックポイント】未確認で損をしないための方法

「解体の正しい見積りの方法やチェックすべきポイントが知りたい」

「解体の見積書って、どんな見積書が良くて、どんな見積書が悪いの? 業者選びの参考にしたい!」

家疑問くんそんな疑問にお答えします。

 

「解体の良い見積書って、びっしりと区分けされた項目が記載されていて、細かく計算された数字が並んでいる」と思っていませんか?

「良い見積書を作る業者はイイ業者だ」といろいろなサイトにもそう書かれているので、そう思う人が多いのは仕方がありません。

ですが、それって一概には言えませんし、もっと大事なのは見積書ができる前の現地調査だったりします。

私は住宅営業マン時代に何十回と解体の立ち合いをしてきたので、解体で損をしないための正しい解体見積りについて解説していきます。

本記事の内容はこちら。

  • 解体の見積りをチェックする上での、見積りの流れやその必要性などの前提
  • 本当は見積書だけで業者の良し悪しをチェックするのは難しい
  • 損をしないためにチェックすべき見積書のポイント

では解説していきます。

1.解体の見積り依頼から契約までの流れ

最初に解体見積り依頼から契約までの流れを簡単に解説します。

解体の見積りを依頼する上で知っておくべき基本的な情報ですので、知らない方はぜひ覚えておきましょう。

順番は次の通り。

  1. 業者探し・見積り依頼
  2. 現地調査、立ち合い
  3. 見積書の発行、内容のチェック
  4. 契約金(または全額)の支払い、契約

1つずつ簡単に解説します。

業者探し・見積り依頼

まずは業者探しです。

インターネットで探すのが基本になりますが、建替の場合はハウスメーカー・工務店などの建築会社から紹介してもらうこともできると思います。

3-3章で詳しく解説しますが、解体業者は必ず2~3社以上に相見積りするつもりで探しましょう。

そして、インターネットや電話で見積り依頼をします。

 補足
見積り依頼や現場調査のタイミングで必要な書類がありますので、事前に準備しておきましょう。
「土地登記簿謄本」「公図」「敷地面積求積図、「建築物の配置図」「建築物の平面図」など。
建替の場合はすべて建築会社の担当が用意してくれるはずです。

現地調査、立ち合い

解体の見積りを依頼した後、業者の方が現場調査をしにきます。

3-2章で解説しますが、ここでの立ち合いは非常に重要です。

しっかりと時間を確保して、すべての業者の立ち合いをしましょう。

 注意
時間がないからと複数の業者を同じ日時で約束する人が稀にいますが、さすがに失礼ですし、業者同士が計測作業の邪魔になるので絶対にやめましょう。私が業績に困っていないしっかりとした解体業者なら、そういうお客さんは高い金額をふっかけて依頼を受けないようにすると思います。

見積書の発行、内容のチェック

現場の立ち合い後、数日~1週間以内には見積書が発行されると思います。

4章で見積書のチェックすべき項目を詳しく解説しますが、見積書はしっかりとチェックしましょう。

契約金(または全額)の支払い、契約

最後に、業者を選定し、契約です。

契約前には解体費用の2~3割の契約金か、もしくは全額を支払ってからの契約となります(業者によって異なる)。

 補足
建替の場合は、建築会社から解体業者に支払われることになるので、建替工事費の一部になります。
ですので、解体業者に直接契約金などを支払う必要はありません。

建替の場合、解体費が「住宅ローン」で支払えるかどうかは下記ページに記載しています。

2.解体の見積書をチェックしなければいけない2つの理由

冒頭に少し書きましたが、見積書のチェックよりも「現場調査」の方が重要です(現場調査に関しては3-2章で解説)。

しかし、それでも「見積書」は入念にチェックすべきです。

その理由は2つです。

  • ぼったくりなどの悪徳業者を見極める
  • 解体業者の見積書作成のミスや、こちらの伝達ミスや誤解を防ぐため

1つずつ解説します。

2-1.ぼったくりなどの悪徳業者を見極める

今でも悪徳な解体業者は存在するそうです。

有名なのが、アスベストが含まれている家屋でアスベストの撤去費を法外な料金を請求する、という業者。

ここまで分かりやすくなくても、施主が知らないことをいいことに少しずつ高い料金を取る業者もいます。

たしかに確率は低いですが、悪徳業者に騙されないように見積書をチェックしましょう。

2-2.解体業者の見積書作成のミスや、こちらの伝達ミスや誤解を防ぐため

これが私の経験上、作成ミスや伝達ミスが解体の見積りでもっとも多い。

例えば現場調査で立ち会った時「外構のフェンスをここからここまで壊したい」と伝えても、解体業者が間違えたり、施主の考えが変わって記憶違いが起きたり、という事例が本当にたくさんあります。

間違って解体しまったら言った言ってないの大きなトラブルになりますし、後から想定外の追加費用が発生することだってあるでしょう。

だからこそ、しっかりと見積書を確認すれば、お互いに不幸になる可能性を避けることができます。

3.見積書だけで業者の良し悪しを判断するのは難しい

比較してみた

2章で「見積書をチェックする理由」を2つ解説しました。

しかし、その中に「業者の良し悪しを判断する」という理由は入れませんでした。

それは、「見積書」だけ見て業者を判断するのは不可能に近いからです。

本章では、その理由や「一体どうすれば業者を判断できるのか」を解説していきます。

3-1.各項目の計算は細かすぎる必要はない

解体業者の見積書によって、建物などの解体の「単位」が「坪数」だったり「㎡」という場合があります。

ざっくりとした計算の見積書もあれば、「木くず」「石膏ボード」「タイル」の廃棄量は〇〇、という感じでびっちりと書いてある見積書もあります。

そして、多くの方が、見積書の項目が多岐に渡り細かい単位や量が書いてある方が「イイ業者」と思うのではないでしょうか。

確かにそれは安心かもしれません。

ですが、解体業者によってはかなりの数を請け負っていて、ベテランの長年の経験を元に解体費用をざっくりと算出する場合があります。

これは決して面倒だからそうしているわけでなく、その方が手間がかからず安く提供できるからです。

その業者は手間を抑えてなるべく安い解体費用を提供する、という考えをもとに仕事をしているだけなので、一概に細かい見積書が「イイ業者」というのは言えないのではないでしょうか?

※ざっくりとした見積書を作る業者が一概に安い、というわけではありません。

つまり、見積書の出来栄えだけで業者を判断すること自体は不可能に近いと私は思います。

3-2.見積り前の「現場調査」に立ち合いは必要不可欠

当たり前の話ですが、精度の高い現場調査が行われて、初めて正確な見積書ができるわけです。

現場調査をまったく確認せずに見積書だけを念入りに確認したところで、本末転倒になってしまいます。

まずはしっかりと現場調査に立ち会うようにしましょう。

とはいえ、素人の方が現場調査を見ても、その良し悪しはなかなか分かるものではありません。

大切なポイントは

現場調査をなるべく長時間見学して、業者の人に話しかける

ということです。

見学していれば緊張感を与えることになりますし、たくさん話しかけてその応対の仕方で人柄の良し悪しが見えてくるはずです。

見積書のチェックよりも必ず効果があります。

3-3.複数の業者を比較しないと意味がない

上記に記載した「現場調査」も含め、見積書の良し悪しは1~2社比較してもなかなか分からないもの。

少なくとも3社以上は比較しましょう。

3社以上比較することでだんだんと「現場調査」や「見積書」の良し悪しが見えてくるはずです。

また、見積書を比較して初めて「金額が適正なのか」が分かるようになり、より優良な業者に出会う可能性が高まります。

相見積りをすれば、業者はなるべく費用を抑えて見積りを作るはずですし、値引き交渉にも有効になるメリットまであります。

もしも時間が無くてなかなか探せない、という場合は、次のような「一括見積もりサービス」を利用しましょう。

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オススメの理由は次の通りです。

  • 厳しいオリジナル審査基準をクリアした解体業者としか取引していないから悪徳業者がいない
  • 入力時間2分ほどで3社紹介してもらえるから手間がかからない
  • 最安値の解体業者がすぐに分かる
  • 地域それぞれの解体アドバイザーがサポートしてくれる

その他の一括見積りサービスもあるので他でも問題ありませんが、上記の一括見積りはアドバイザーがつくので「自分で断るのがイヤ」「見積書ついて助言が欲しい」という方はぜひ利用してみて下さい。

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4.解体の見積書をチェックすべき5つのポイント

収納計画

2章で見積書をチェックしないといけない理由を解説しました。

その理由を元に、本章では見積書のチェックすべきポイントを5つに分けて解説していきます。

なお、見積書の各項目の料金が正しいかどうかは、下記ページの解体費用の相場を確認してチェックするのが良いと思います。

4-1.「一式」でまとめず、項目が分かれているか

3-1章で、見積書の各項目の計算は細かすぎる必要がない旨を解説しました。

しかし、あまりにもざっくりとした場合はそもそもチェックすることができないため、特に「一式〇〇〇円」と項目がまとまり過ぎている場合はNGです。

例えば
「木造住宅〇〇坪、解体 一式〇〇円」
「仮設工事 一式〇〇円」
「諸経費〇〇〇円」
というように、工事の内容やどこを解体するのか、どんな諸費用があるのか、が全く分からない見積書はよくありません。

だからといって、その解体業者の現場調査がしっかりとしているなら、避ける必要はないと思います。

(まあ、現場調査がちゃんとしている解体業者が、ざっくり過ぎる見積りを出してくるとは思えませんが。)

細かい見積書を作り直して欲しい、と伝えればちゃんと出してくれるはずです。

4-2.廃棄物の計算方法と量

ここでいう「廃棄物」というのは、建物や外構の解体時に出る「木くず」「石膏ボード」ではありません。

それ以外の例えば家の中に残した家具など、解体で発生する以外のゴミを指します。

例えば業者側はゴミは捨ててくれるものだと思って見積りを作っているのに施主側は解体と一緒に廃棄してもらおうと考えている、という食い違いがあると、いきなり解体後に追加料金を取られてしまうことがあります。

事前にゴミの廃棄が見積書に含まれているのか、またその計算方法や量は確認しておきましょう。

4-3.外構の解体箇所の種類と量

2-2章でも少し解説しましたが、フェンス・ブロック塀など外構のどこを解体するのか、というポイントは業者との誤解が生まれやすい場所。

解体の見積書に、例えば「フェンス10m解体」という項目があったら、本当に10mくらいの解体で正しいのかはチェックしておきましょう。

4-4.地中障害物に関する記載があるか

解体で注意すべきポイントとして、基礎の解体時に地中の中から次のような障害物が見つかるときが稀にあります。

  • 大きな岩
  • 大量の瓦や基礎コンクリート
  • 浄化槽
  • その他、大きな資材

これが見つかるとどうしても土地所有者が追加で廃棄料金を支払わなくてはいけません。

しかし、悪徳業者はいきなり利益をふっかけて請求してくることもあるので、事前にある程度の目安となる金額を見積りに記載しておいてもらうのがいいでしょう。

ただ見つかった障害物の大きさによって費用は大きく変動するため、解体業者も正確な金額は分かりません。

あくまでも「目安」として捉えておきましょう。

 補足
建替の場合、解体ではなく、新築の基礎工事のときに障害物が見つかる場合もあります。建築会社にも目安の料金を確認しておきましょう。

4-5.アスベスト除去、処分費用

アスベストは1975年以前の建物(2020年から逆算すると築45年以上)だと使われている可能性が高いです。

2-1章で記載しましたが、アスベストの処分費は悪徳業者が法外な料金を請求してくることで有名なので、騙されないように注意しましょう。

アスベストの費用相場はおおよそ3,000円~5,000/㎡。

見積書に記載されている料金が相場に近いどうかは必ずチェックしておきましょう。

5.見積書をベースに解体直前に打ち合わせをしよう

住宅メンテナンスの時期を相談

最後の章に、解体直前に絶対にやるべきことを解説します。

解体の契約後に再度、業者と打ち合わせをする。

これがもっとも大切です。

とくに建替の場合、解体業者との契約前後は間取りやコーディネートなどで打ち合わせが多数あるので、解体に関しては意識が疎かになってしまうことが多い。

建築会社との契約 ⇒ 打ち合わせ ⇒ 引っ越し準備 ⇒ 解体 ⇒ 着工

上記が基本的な流れなので、打ち合わせが終わると引っ越し準備になります。

ですのでかなりバタバタしているはず。

それが後のトラブルの原因にもなってしまいます。

必ず住宅の打ち合わせを重ねている最中に解体のことも視野に入れ、解体の契約後、業者にもう一度現地に来てもらっての打ち合わせをしましょう。

  • 再度どこを解体するのか確認
  • 電気やガスの休止など、解体前の準備内容の確認(住宅営業マンも説明してくれる)
  • 家具などのゴミは何を捨てておくべきか、何なら残しておいて良いのかの確認

上記は確認しておきましょう。

住宅計画は時間との戦いになる場合があります。

解体も疎かにせず、なるべくスムーズに行くように段取りしていきましょう。

6.まとめ

解体の見積りに関してのチェックポイントや注意点はお分かりになりましたか?

もちろん見積書のチェック自体も大切ですが、何よりその前後の現地調査や契約後の打ち合わせが大切です。

チェックを疎かにすることでトラブルが起きたり、料金で損をしたり、資金計画が狂ってしまうこともある。

バタバタしている中でもしっかりとチェックできるように上手にスケジュールを立てていきましょう。

 

最後までご愛読頂きましてありがとうございます。

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